■ 札幌での決戦コンサドーレ札幌と京都サンガの対戦。
ホームの札幌は<4-4-2>。GK高木。DF坪内・箕輪・西澤・西嶋。MF芳賀・クライトン・藤田・中山。FWダヴィ・アンデルソン。DF坪内が右サイドバック、MF中山が左サイドハーフに入る。
対するアウェーの京都は<4-1-2-3>。GK水谷。DF増嶋・水本・手島・渡邉大。MFシジクレイ・佐藤勇・中谷。FWアタリバ・柳沢・フェルナンジーニョ。
■ フェルナンジーニョの決勝弾 前半は札幌がゲームを支配する。FWダヴィのスピードを武器に、鋭いカウンターアタックを見せる。前半18分には、DFラインからのロングボールに対して、DF手島とのスピード勝負になった末の戦いを制したFWダヴィが落ち着いてゴールに流し込んで札幌が先制する。
FWダヴィは今シーズン10ゴール目。16試合で10ゴールなのでかなりのハイペースである。決定力に欠けるきらいはあるが、独力でゴールまで進める突進力は魅力である。
その後も札幌が多くのチャンスを作り攻め込む。しかしながら、FWアンデルソンが2度のチャンスに決め切れず、1対0のままで終了。
京都は後半からFW田原を投入。すると、流れは一変。後半4分にDF渡邉のゴールで追いつくと、終了間際にはFWフェルナンジーニョが決勝点を奪い逆転。2対1で京都が勝利した。
■ 大きな決勝ゴール1対1のドローが濃厚になった京都は、試合終了間際にFWフェルナンジーニョが決勝ゴール。大きな勝利を手に入れた。前半は酷い出来だったが、ラッキーな部分もあったが何とか1失点に抑えて、1点差のまま後半に持ち込めたのが大きかった。
この勝利で京都は11位ながら6位の柏との勝ち点差は「3」のみ。上位進出も見えてきた。
■ 惜しい逸機一方の札幌はホームで痛い敗戦を喫して最下位に転落した。3試合連続で1対2の敗戦で、試合内容も悪くは無いが、詰めの甘さも出て、勝ち点が伸び悩んでいる。
この試合は前半に京都を圧倒し、いい流れで試合を進めたが、数あるチャンスを逃し、追加点を奪えなかったのが響いた。
また、追いつかれた後に、MFディビッドソン・純マーカス、MF砂川、FW石井と3選手を投入したが、思ったような効果は得られず、京都に傾いた流れを食い止めることが出来なかったのも痛かった。
■ 異質なサッカーともに昇格組の札幌と京都の両チームが見せるサッカーは、一般的に連想される、いわゆる「日本らしいサッカー」とは異なる。J1の中でも、異質な部類のサッカーである。
ただ、どちらも、J1では1年目のシーズンであり、最終目標である残留を果たすために、上位のチームと同じサッカーをしていたのではタレント力で差が付くのは明らかであり、独自路線を貫くのは悪くない。
とはいっても、両チームのサッカーが似ているというわけでは無く、むしろ、対極といえる。
京都のサッカーは、「分かりにくいサッカー」。相手に合わせてメンバーもシステムも大きく変化する。この試合も、前半は4バックで、後半は3バック。DF渡邉大やMF中谷のポジションもノーマルな配置では無く、どの選手がどのポジションを務めるのかは、試合が始まってみないと分からない。
試合中のシステム変更も頻繁で、相手チームを混乱させることも多い。加藤監督の采配は、時折、味方チームも混乱させることもあるが、経験豊富なMFシジクレイとMF佐藤勇人の2人の存在が、戦略に幅をもたらせる。
逆に、札幌のサッカーは、「分かりやすいサッカー」である。FWダヴィとMFクライトンがキーマンで、4バックで4枚の中盤を置く布陣はいつも同じである。センターバックには屈強なタイプを配置し、サイドバックもセンターバックタイプの選手が務めることが多い。チームとしてやりたいサッカーがはっきりしていて、攻撃もシンプルである。
だから、チーム全体に迷いが少なく、これがチームとしての強みであるが、逆に、戦術的な幅は広くは無く、三浦サッカーに合わない選手は、排除されやすい。相手チームに対処されやすいという欠点も持つが、FWダヴィの突破やMFクライトンのセットプレーは、分かっていても止められない怖さを持つ。
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