■ 31節ブンデスリーガの31節。18勝9敗3分けで勝ち点「57」のシャルケ04が、ホームのヴェルティンス・アレーナで最大のライバルのボルシア・ドルトムントと対戦した。首位を走るドルトムントは、21勝3敗6分けで勝ち点「69」。2位のバイエルンとの差は「6」となって、2連覇が目前に迫っている。
ホームのシャルケは「4-2-2-2」。GKウンナースタル。DF内田篤人、パパドプロス、メツェルダー、フクス。MFジョーンズ、モリッツ、ファルファン、ドラクスラー。FWラウール、フンテラール。日本代表のDF内田は、2試合ぶりのスタメンとなった。オランダ代表のFWフンテラールは、リーグ2位の24ゴールを挙げている。
対するアウェーのドルトムントは「4-2-3-1」。GKヴァイデンフェラー。DFピズチェク、サンタナ、フメルス、シュメルツァー。MFベンダー、ギュンドガン、ブラスチコフスキ、香川真司、グロスクロイツ。FWレワンドフスキ。セルビア代表のDFスボティッチが怪我で欠場のため、DFサンタナがスタメンで起用された。ポーランド代表のFWレワンドフスキはリーグ3位の20ゴールを挙げている。
■ ドルトムントが連覇に前進試合はシャルケのペースで進む。前半9分にコーナーキックを獲得すると、ペルー代表のMFファルファンが右足で放ったシュートがMF香川に当たってコースが変わってネット隅に決まって、ホームのシャルケが先制に成功する。劣勢だったドルトムントは、前半17分に同じくセットプレーの流れから、MF香川が頭でゴール前に送ったボールを右サイドバックのDFピズチェクが左足で決めて1対1の同点に追いつく。DFピズチェクは今シーズン4ゴール目となった。前半は1対1で終了する。
後半もホームのシャルケのペースとなる。しかし、FWフンテラールがゴール前の決定機に決められない。すると、後半18分にドルトムントがまたしてもコーナーキックからチャンスを迎えて、シャルケのディフェンスがクリアしきれなかったボールを、後半から登場のMFケールが押し込んで2対1と逆転に成功する。元ドイツ代表のMFケールは今シーズン3ゴール目となった。
結局、試合は2対1でアウェーのドルトムントが勝利。そのあとに行われた試合で、2位のバイエルンがマインツと引き分けたため、首位のドルトムントと2位のバイエルンとの差が勝ち点「8」に広がって、残り3試合を残して勝ち点「8」の差と圧倒的に状況となった。一方のシャルケは2連敗。来シーズンのCLに予選なしで出場できる3位以内を目指しているが、4位で追うボルシアMGとの差が「1」となって、ピンチとなった。
■ 攻守に奮闘したDF内田篤人ドイツ最大と言われるルール・ダービーは、熱戦となった。試合はドルトムントが勝利して、優勝に大きく前進したが、試合を支配していたのは、ホームのシャルケで、ドルトムントは終始劣勢だった。ドルトムントは、これで25試合負けなしとなったが、ここまでドルトムントが苦戦した試合は記憶にないほどで、シャルケの勢いは凄まじかった。
チームの勢いの源の1つになったのが、右サイドバックでプレーしたDF内田で、ミッドウイークの試合は先発から外れたが、ダービーでスタメンに戻ってくると、攻撃でも、守備でも、持ち味を発揮した。パス本数が、両チームを通して最多だったというが、それも納得できるほど、たくさんボールに絡んで、シャルケの攻撃の起点となった。ドルトムントは、DFスボティッチが不在ということもあって、ゴール前に不安を抱えていたが、DF内田のクロスはドルトムントに脅威を与えていた。体を張った守備でも貢献して、この日のDF内田は、両チームを通じてのベストプレーヤーの一人と言ってもおかしくないほどの活躍を見せた。
シャルケに移籍して2年目となるが、今シーズンは、DF内田も苦労していて、ステーフェンス監督の信頼を勝ち取ることはできなかったが、ここにきて、ようやく出場機会を増やしてきている。DF内田という選手は、鹿島時代から、「レギュラーポジションを失う。」という事態に遭遇したことはなかったため、試練の一年となったが、厳しい時代を経験したことで、プレーヤーとして、たくましくなったようにも感じられる。もともと、技術的な部分に関しては、サイドバックとしてはかなり高いレベルにあったが、タフさが増してきて、戦える選手になってきた。
■ 優勝に近づいたドルトムント一方のドルトムントのMF香川は、いい形でボールを受ける回数が少なくて、思うような展開にはならなかったが、90分を通してピッチを走り回って、ダービーでの勝利に貢献した。ドルトムントは、バイエルン(H)、シャルケ(A)、ボルシアMG(H)と上位対決が続いており、こういう大事な試合でゴールに絡む活躍ができると、MF香川の評価も高まってくるので、本人としては、自身のゴールで勝利を飾りたかったと思うが、大きな試合になると、MF香川へのマークも厳しくなるので、バイエルン戦に続いて不発に終わった。ただ、こういうタフな試合を経験できる機会は、滅多にないことで、いい経験になっている。
これで、ドルトムントは優勝に王手をかけたが、「バイエルン以外のチームが、連覇するのは難しい。」と言われるブンデスリーガでの連覇となるので、非常に価値がある。Jリーグと同じく、ブンデスリーガも上位と下位の差が小さくて、近年、リーグ制覇を経験したブレーメン、シュツットガルト、ヴォルフスブルクなども、安定した強さを見せられていないが、ドルトムントが連覇を達成するようだと、ブンデスリーガの歴史の新たな1ページが生まれることになる。
そして、そのチームの中心にMF香川がいることは疑いようもない事実である。毎週のようにMF香川がゴールに絡む活躍を見せているので、感覚がマヒしているところもあるが、少し前までは、想像もできなかったことである。ボルシアMG戦は、勝てば文句なしにリーグ制覇が決まる試合となるので、しっかりとした勝利を期待したいところである。
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