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FWアドリアーノの移籍とFWカレカの思い出 | | |　

■　カタール移籍が決定

報道されていたとおり、ガンバ大阪所属のFWアドリアーノのカタール移籍が正式に決定した。FWアドリアーノは、昨シーズンはセレッソ大阪で27試合で14ゴールをマークし、今シーズンはガンバ大阪で、8試合で9ゴールと活躍。「リーグ屈指のストライカー」という地位を確立していたが、シーズン途中で退団することになった。

G大阪にとっては、リーグの得点王がいなくなるので、戦力ダウンであることは間違いないが、その一方で、FWアドリアーノは「チームにフィットしていた。」とは言い難い状況だった。事実、FWアドリアーノがチームを離れてからの3試合でG大阪は。11ゴールを挙げている。対戦相手も、横浜Fマリノス、柏レイソル、サンフレッチェ広島と上位チームばかりで、苦戦が予想された中で、見事に3連勝を達成した。

FWアドリアーノの穴を埋める選手としては、昨シーズン14ゴールを挙げてブレークしたFW平井がいる。この3試合を見る限り、FWアドリアーノがいなくなったことによる「デメリット」よりも「メリット」の方が大きくて、チームは上昇ムードにある。5億円と言われる移籍金も入ってくる見込みで、G大阪にとっても、FWアドリアーノ本人にとっても、悪い話とはいえない。

■　相次ぐ中東移籍

FWアドリアーノのほかにも、浦和レッズのFWエジミウソンにカタールへの移籍話が浮上しているが、ここ数年、FWエメルソン、FWマグノ・アウベス、FWバレー、FWカボレ、FWレアンドロ、FWダヴィと、Jリーグを代表するブラジル人ストライカーが、シーズン途中に、中東のクラブに移籍するという流れができている。

マネーゲームになると、Jリーグのクラブに勝ち目は無いので、どうしようもないのが現実であるが、

　・「J1の得点ランキングの上位の選手」
　・「個の力でゴールを決められる選手」

という2つの評価基準で、分かりやすくブラジル人のストライカーばかり買い漁っていくのも、イラッと来るところである。過去に、中東に移籍したブラジル人ストライカーの多くが、しっかりと新天地で結果を残していることも大きいようで、「Jリーグ産のブラジル人ストライカー」は、一種のブランドと化している。当分、この流れを止めることはできないだろう。

■　中東移籍の例外①

FWアドリアーノは、上の2つの典型のような選手なので、オファーが来たのは全く不思議ではないが、過去には、上の例から外れる選手にもオファーが届いている。2008年に湘南ベルマーレからクウェートのクラブに移籍したFWカレカの例であり、ほかのケースとは違って、どういう流れだったのか？相手側にどういう意図があったのか？なぜ、FWカレカだったのか？よく分からないままである。

FWカレカは、2007年のシーズン途中にザスパ草津に加入し、トータルでは19試合で4ゴール。かなり微妙な成績だったが、シーズン終盤の残り3試合のところで、昇格争いをしていたセレッソ大阪を相手に2ゴールの活躍で2対2のドローに持ち込む。

この活躍が認められて、オフにセレッソ大阪に引き抜かれるが、セレッソ大阪では全く機能せずに、15試合で3ゴールのみ。7月末に契約解除となってしまった。もともと、セレッソ大阪には、FW小松、FW森島康と長身のストライカーがいたので、FWカレカを獲得したこと自体が疑問であったが、案の定で獲得は失敗に終わった。

しかし、FWリンコンが怪我をしたため、新たなストライカーを探していた湘南ベルマーレからオファーを受けて、すぐに湘南に加入する。そして、いきなり、古巣のセレッソ大阪相手にゴールを決める活躍を見せるが、湘南に加入してわずか19日で、クウェートのアル・ナスルからオファーを受けて退団。クウェートに旅立つことになった。

■　中東移籍の例外②

結局、FWカレカは、湘南では、C大阪戦の1試合に出場しただけ。いろんなチームを引っ掻き回して日本を去ることになったが、FWカレカの影響を受けた選手としては、FW森島康仁の名前も挙がってくる。

2008年に、FWカレカがC大阪に加入したことで、出番が激減したFW森島康は、シーズン途中出場に大分トリニータにレンタル移籍し、シーズン終了後に大分に完全移籍となったが、FW森島康の移籍金が高額で、借金が膨らんでしまって、経営破たんの一因となったのは、周知のとおりである。

FWカレカが湘南に入団する理由に絡んでくるFWリンコンが、今、ザスパ草津でプレーしているのも何かの縁であるし、FW森島康と逆のパターンで、大分トリニータからセレッソ大阪に移籍してきたDF高橋大輔が、先日のACLのG大阪戦で決勝ゴールを決めたのも因縁を感じてしまう。

今回の件、もし、ACLでG大阪が次のステージに進んでいたら、どうなっていたのだろうかという気もするが、とにかく、大金を手に入れたG大阪には、お茶を濁したような補強ではなく、有効にお金を使ってもらいたいところである。

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