日本サッカー協会の川淵三郎キャプテン(70)が2日、U―22(22歳以下)日本代表MF家長昭博(21)=G大阪=に海外移籍を勧めた。反町ジャパン、G大阪で実力を発揮しきれていないと判断、環境の変化の必要性を訴えた。
川淵キャプテンは、潜在能力が高い若手レフティーにあえて厳しい言葉を並べた。「能力があるのにG大阪で試合に出られずもったいない。海外に行った方がいいんじゃないか。(中村)俊輔も海外で大きく成長した」。02年に海を渡り、イタリア・レッジーナ、スコットランド・セルティックで飛躍した日本代表のエースを引き合いにゲキを飛ばした。
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20071003-OHT1T00072.htm
この川淵氏の発言は、一理ある。家長の現状と将来のことを真剣に考えた末の発言であり、海外に移籍すれば事が解決するという安易な考えでない、と仮定したならばである。
■ 家長のケース今シーズンの家長は、G大阪でレギュラーポジションを獲得できていない。昨シーズンは、左ウイングバックでポジションをつかんだが、今シーズンは、攻撃的MFにコンバートされ、日本代表のMF遠藤とMF二川という2人の選手の前に、ベンチ暮らしが続いている。
もちろん、貴重な戦力であることには違いはなく、試合終盤のジョーカーとなっている。途中出場であっても、出番が与えられれば有効な成果を成し遂げるだけのタレントであり、事実、ある程度の結果も残している。
とはいっても、この状況が家長にとって、望ましい状況かというと、そうではないだろう。そして、家長が、来シーズンもG大阪と契約してシーズンを過ごすとして、遠藤を押しのけてチームの大黒柱となってプレーすることができるのか、遠藤ほどではないが中心選手の1人としてプレーするのか、あるいは、今シーズンと同じような感じでスーパーサブに甘んじるのか、大きな違いである。
もちろん、G大阪で頑張って、大黒柱として君臨できればベストである。だが、遠藤を押しのけてプレーすることは簡単なことではない。22歳の段階の家長が、どの道を進むのがベストなのか、よく考えなければならない問題である。
もしかしたら、少し力の劣るJ1の中堅クラブに移籍してそのチームで主役としてプレーするのが一番いいのかもしれないし、もしかしたら、海外のチームに移籍するのがいいのかもしれない。
■ 長谷部誠のケース家長と同じようなことが、浦和レッズのMF長谷部にもいえる。
確かに、長谷部は浦和でポジションを確保している。首位を走るチームの原動力であることは、間違い。J1の首位を走るチームであり、ACLを戦うチームでプレーし続けるというのは、並大抵のことではない。貢献度は間違いなく高い。浦和にとっても、長谷部は必要不可欠な選手である。ない。
だが、率直に言うと、長谷部が活躍しなくても、浦和レッズは勝つことができる。今シーズン、明確に、「浦和レッズが長谷部の出来が悪かったから負けた。」と定義できる試合は、ひとつもないだろう。
この環境が、長谷部にとって、果たしてベストなのかと考えると、そうとはいえないだろう。数年前と比べると、長谷部はオールラウンドな選手に成長しているが、2年前や3年前に見せたような圧倒的な輝きを放つ試合は多くない。
厳しい見方をするのは、家長にしても、長谷部にしても、日本代表で「10番」を背負うことの出来るだけのポテンシャルを持った選手であり、まだまだ、可能性を持った選手だからである。例えば、毎試合のように、彼らの肩に勝敗の行方が左右される環境に身を置くことができれば、もっとサッカー選手として成熟できるかもしれない。
■ ステップアップするのが正しいのか?プレーヤーにとって、一番大事なのは、どのチームでプレーするかではなく、どんなプレーをするかである。そして、同じプレーをするにしても、どういう立場でプレーするのか、大きく異なる。
勘違いして欲しくないのは、この記事で、「家長や長谷部は移籍をすべき」と言いたいわけではないということである。
各選手には、どういう環境でプレーすれば、一番、自身の成長につながるのかを、よく考えて、未来を選択して欲しいのである。Jリーグ誕生以後も、有り余る才能を持ちながら、道を誤ったばかりに、輝きを失ってしまった選手を数多く見てきている。それは、Jリーグに留まった選手だけではなく、海外のチームに移籍した選手も一定の数含んでいる。
こと、単純ではない。
試合に出られるチームがいいというわけではないし、海外のチームがいいというわけではない。ある選手にとってサブであってもビッグクラブでプレーすることが必要な時期もあるし、J2であってもチームの主軸としてタフな試合を経験することが必要な時期もある。22歳のときの自分と、26歳のときの自分では、少々、事情は異なる。
そこに、一般論は存在せず、それぞれの選手に最適な環境を見出す作業がなによりも大切である。
日本でも幾多の代理人が存在するが、おおむね、評判は良くない。それは、選手のステップアップを目指すばかりで、身の丈にあったチーム・最適なチームを見つけれられない代理人が多いからである。
もちろん、相手側の事情(金銭等)もあるので、事は簡単に運ぶわけはないが、海外というブランド、ビッグクラブというブランド、J1というブランドにとらわれない選択をして欲しいものである。
代理人という肩書きをもつ人は、一般人とは異なる。一般人は、おおむね、移籍が成功するか、失敗するかは、事後でしか判断できないが、優れた代理人というのは、そうではないだろう。優秀な代理人の活躍に期待したい。
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家長の事を案じるなら、何も発言してくれるなオマエ。という感じですが。
ところで家長って何か磯貝と印象がダブるんですけど。
すごいすごいって言われるほど活躍してない点が。
あと、長谷部か小野どっちか大宮に移籍すれば、悪魔のようにタフな選手に生まれ変われるような気がします(無責任発言)。
今の浦和って熱烈なサポーターとスタッフと金に甘えてる所が大きいような気がするが、大きな試合の経験が多く積めるという点では魅力的ではあるし、悩ましい。
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