■ ACL開幕ACLの開幕戦。ガンバ大阪はホームでタイのチョンブリFCと対戦。2006年以来の参加となるガンバ大阪は、ホームで勝ち点3が欲しい試合である。
G大阪は<4-4-2>。GK藤ヶ谷。DF佐々木・水本・山口・ミネイロ。MF橋本・遠藤・二川・寺田。FWルーカスとバレー。FW山崎、DF安田、FW播戸らがベンチに控える。
■ 立ち上がりの悪いG大阪主導権を取りたいG大阪だったが立ち上がりは最悪だった。全体の運動量が不足し足元でパスをつなぐだけでなかなかアタッキングエリアで仕掛けることはできない。前半終了間際になってようやく攻撃の流れが出来始めるが、決定機を生み出せないまま前半を終了した。
すると、後半14分に、警戒していたカウンターからゴールを許す。右サイドでDF水本があっさりとかわされて強シュートを放たれて、最後はゴール前でドフリーでシュートを打たれた。
その後、G大阪はFW播戸とMF安田を投入するが、逆に前がかりになり過ぎて相手のカウンターからピンチを迎える始末。もうこれまでかと思われたが、後半47分にゴール前の混戦からFWルーカスが執念で押し込んでなんとか1対1に持ち込んだ。
■ 貴重な勝ち点1だが・・・ホームで絶対に勝ち点3が必要だったG大阪は、相手の術中にはまる最悪の展開で敗戦も覚悟しなければならない状況に陥ったが、何とか追いつくことができた。この点は次につながる。グループリーグは6試合行われるが、仮に敗れていれば残り試合は全勝に近い結果が求められただろう。
だが、一番、組みやすいと思われていたチームを相手にした試合だけに、悔いは残る。それも、試合終了後にDF山口が語っていたように、相手がどうのこうのというよりは、自分たちの問題でリズムに乗ることができなかったのだから、より一層である。
それにしても、G大阪の試合の入り方は最悪だった。どんな相手でも、そしてどんなビッグマッチであっても冷静に試合を運ぶことができることはG大阪というチームの長所ではあるが、短所でもある。大事なACLの初戦で、しかもホームゲームということを考えると、この試合のG大阪イレブンのテンションは低すぎた。むしろ入れ込み過ぎるほどの意気込みで試合に臨むべきだった。ACLは短期間の戦いなので、1つの試合の失敗が命取りになりかねない。
■ 持ち味を発揮できないルーカス最後に同点ゴールを挙げたFWルーカスだったが、なかなか試合のリズムに入り切れず消える場面が多かった。この試合では、FWバレーと2トップを組んだが、その関係はいま一つだった。彼は、J1の開幕戦のジェフ千葉戦でもなかなか存在感を発揮できずにいた。
2月のパンパシフィック選手権を思い出してみると、その時はFWバレーとFW山崎の2トップで、その下にルーカスが位置しており、この3人の連携が見事だったが、ルーカスに関していうと日本代表からMF遠藤が戻ったことがマイナスに作用している。まだ、ルーカスと遠藤の間でスムーズな関係が築けておらず、どうしても遠藤がピッチにいるときは遠藤がボール回しの中心になるので、必然的にルーカスがプレーに関与するシーンは少なくなる。
■ 山崎雅人というカードこの試合で攻撃的に行くことを明言してた西野監督は、MF遠藤をボランチに下げてMF寺田を先発で起用してきた。MF寺田の出来も悪くなかったが、十分な仕事は出来なかった。MF寺田もいい選手だが、彼も五輪代表メンバーとして遠征に参加しており、ずっとクラブを離れていた。ここは素直にFW山崎をスタメンで起用するのがベターだったのではないだろうか?
FW山崎の昨シーズンの大分トリニータでの成績は26試合で1得点と優れたものではないが、数字以上の貢献が期待できる選手であり、尽きることのない運動量とスピードは他の選手には無い大きな武器である。この試合でも、後半開始から途中出場したFW山崎が動き回ることで流動性を生み出した。
確かに得点力という意味では物足りないし、常時スタメンで起用するとなるとマイナス面も表立ってくるだろう。ただ、スポット的にいいタイミングで起用してあげると、意外な相乗効果を生み出す選手である。現状では、日本代表のFW播戸を押えてFWの3番手の立場となっているが、このジョーカーをどういう風に起用するのかが、今シーズンのG大阪の行方を左右するだろう。
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