■ 首位と最下位負けるか引き分けるかでJ1降格が決定する大分トリニータ。対戦相手は首位に浮上した清水エスパルス。1位と18位の対戦となった。
ホームの大分は<3-6-1>。GK西川。DF深谷、藤田、上本。MF菊地、エジミウソン、家長、藤田、金崎、東。FW高松。MFフェルナンジーニョがベンチスタート。
対するアウェーの清水は<4-2-2-2>。GK山本。DF市川、岩下、児玉、太田。MF伊東、本田拓、兵働、枝村。FWヨンセン、岡崎。MF藤本がベンチから出番を待つ。
■ 2ゴールで逆転勝利試合の前半は清水が優勢に進めるが、決定的なチャンスは少なく、前半は0対0で終了。迎えた後半5分に、清水がMF兵働のコーナーキックをDF岩下がヘッドで決めて清水が先制する。日本代表DF岩下は今シーズン5ゴール目。
しかし、追い詰められた大分がここから力を発揮する。後半13分に右サイドのスペースに抜け出たMF金崎のクロスをFW高松がうまいトラップから右足で決めて同点に追い付くと、さらに、後半33分にもMF家長のクロスをFW高松が頭で叩き込んで逆転に成功。FW高松は2ゴールの活躍。
結局、2対1で勝利を挙げた大分は今シーズン5勝目。15位の大宮を逆転する可能性がわずかに残ったため、今節での降格決定を阻止した。
■ エースの意地の2ゴール絶体絶命の状態に追い込まれている大分だったが、エースのFW高松が意地の2ゴールを挙げて劇的な逆転勝利。今シーズンは、ここまでわずかに1ゴール。期待を裏切り続けていた元日本代表のエースストライカーが勝負の一戦で結果を残した。
この試合の2ゴールを含めても29試合で19ゴール。得点力不足は深刻で、FW高松への批判の声は大きくなっていたが、ひとまず、降格を避ける2つのゴールを記録した。
中盤にはチャンスメーカータイプの選手はそろっていて、ポポヴィッチ監督になって支配率は上がっているが、肝心のフィニッシャーがおらず、ここまで3試合連続でスコアレスドロー。久々のゴールはやはりFW高松だった。
■ 家長昭博のベストポジションは? 大分は右ウイングバックにMF家長、左ウイングバックにMF高橋を起用。左右を逆にした配置が成功し、アンバランスな配置が逆に攻撃のときの好バランスを生み出した。
2008年開幕前の大怪我からの完全復活をかけたシーズンを送るMF家長であるが、レギュラーポジションを確保しきれておらず、ガンバユース時代からの盟友であるVVVのMF本田圭とは少し差が付いているように思えるが、この日のMF家長は久々にMF家長だった。
たぐいまれなキープ力とフィジカルの強さを持つが、<4-2-2-2>の攻撃的MFでプレーするには得点力と運動量と守備意識が不足している。G大阪時代は西野監督もMF家長のベストポジションを模索し続けて、左サイドバックで起用してり、3トップの右のウイングの位置で起用したり、いろいろと試してみたが、結局、ベストポジションは見つけることが出来なかった。
15年前までならば、少しくらい運動量が無くても、守備意識が欠けていても、中盤のトップ下でおさまったはずのタレントであるが、現代サッカーはそれを許さず、ベストポジションが見当たらない現状である。今のままであれば、キープ力が一番生きるのは左右のウイングバックなのと思うが、3バックでないと存在しないポジションであり、4バックだとするとサイドバックになるが、それは厳しい。
■ 堅いダブルボランチ大分はこれでここ5試合は2勝3分け。5試合で4得点だけと得点力は不足しているが、2失点のみと守備陣の活躍が光っている。
1つにはポゼッション力が上がったので、単純に攻撃をしている時間が長くなったことが理由として挙げられるが、ダブルボランチを組むMFエジミウソンとMF菊地のコンビのバランス感覚の良さも1つの理由である。
MFホベルトとMFエジミウソンのダブルボランチが怪我がちで固定できなかったのが低迷の要因であるが、ここに来て、経緯はどうであれ、MF菊地の加入がプラスになっているのは間違いない。
■ ここ一番で・・・前節、首位に立った清水だったが、まさかというべき18位の大分に敗戦。一気に4位に転落した。首位の川崎Fとの差は「2」とまだまだ射程圏内とはいえ、痛すぎる敗戦となった。
攻撃陣がここ6試合連続で1ゴールのみとバイオリズムが低下気味。いい時間帯に先制ゴールを奪ったが、自慢の守備陣が守り切れず、攻撃陣も2点目を奪うだけの余力はなかった。もう残り5試合。気持ちを切り替えていくしかない。
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