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【J1】 2020年シーズンの再・戦力分析 (大分トリニータ編) | | |　

大分トリニータ

→　昇格1年目の2019年は9位と大健闘した大分は片野坂監督になって5年目になる。長期政権になっているが公式戦はここまで2連敗となる。ルヴァン杯の初戦はアウェイで湘南に0対1で敗れて、J1の開幕戦もアウェイでC大阪に0対1で敗れた。結果は出ていないが湘南戦(A)もC大阪戦(A)もどちらも試合の主導権を握ったのは大分だった。決定力を欠いて2試合連続で無得点に終わったが内容的には優勢だった。

湘南戦(A)は11本のシュートを放っており、C大阪戦(A)は15本のシュートを放っている。相手のシュート数は湘南戦(A)は3本のみ、C大阪戦(A)は7本のみだったので、2試合とも相手チームを大きく上回るシュートを放っている。2試合で計10本のシュートを放っている新加入のFW知念がシュートを決められない場面が目立っているが「チャンスに絡めている点」や「シュートまで持ち込めている点」は高評価できる。

その後、Jリーグは長期の中断期間に突入しているが大分県の新型コロナの感染者数は60人となる。九州の7県(※ 沖縄県は除く。)の中では福岡県の780人に次ぐ多さになるが大分県の人口は113.6万なので大騒ぎするような人数ではない。5月19日(火)からグループ練習がスタートしているがJ1の18クラブの中ではかなり早かった。J1の再開日は7月4日(土)で確定したが準備期間の長さはアドバンテージになる。

J1の開幕戦となったC大阪戦(A)のスタメン11人は以下のとおりになる。WBで起用されるケースがほとんどだったMF田中達をシャドーの位置で起用したがあまり機能しなかった。システムや戦い方はほとんど変わらないがオフに2019年のJ2 or J3で活躍した選手をたくさん獲得したので選手層は格段に厚くなった。オフに獲得した新戦力の中ではMF香川勇とMF町田とFW知念の3人が開幕スタメンを勝ち取った。

　GK　高木　駿
　DF　岩田　智輝
　DF　鈴木　義宜
　DF　三竿　雄斗
　MF　小林　裕紀
　MF　長谷川　雄志
　MF　松本　怜
　MF　香川　勇気
　MF　町田　也真人
　MF　田中　達也
　FW　知念　慶

後ろの4枚は今シーズンもこの4人がファーストチョイスになる。DF岩田とDF鈴木義とDF三竿雄の3バックの成熟度は高い。再開後のJ1は超・過密日程になるので選手を入れ替えながら戦うことになると思うが完全ターンオーバーを採用したときのスタメン11人を予想すると以下のような顔ぶれになる。こちらは新加入選手が多くなる。GK吉田舜とFW高澤はどちらも2019年はJ3だった群馬からの新加入選手になる。

　GK　吉田　舜
　DF　島川　俊郎　
　DF　小出　悠太　
　DF　高畑　奎汰
　MF　前田　凌佑　
　MF　佐藤　和弘
　MF　高山　薫　
　MF　星　雄次
　MF　小塚　和季　
　MF　野村　直輝　
　FW　高澤　優也

「J1初挑戦」という選手が何人かいる。MF野村直とMF佐藤和はついにつかんだJ1の舞台になる。下部リーグで実績を積み上げてきた選手が多くなるが他にもFW渡がいて、MF小林成がいて、FW三平がいて、FW伊佐がいて、MF小手川がいて、DF刀根がいる。層が厚いのは中盤から前目のポジションになる。「FW高澤とMF野村直とMF小塚のトリオ」であれば「FW知念とMF田中達とMF町田のトリオ」に見劣りしない。

「どう考えてもレギュラーで起用されるだろう。」と言えるのはDF岩田、DF鈴木義の2人くらいである。ルヴァン杯の初戦で痛恨のミスからPKを献上したGK高木駿に関しては新加入のGK吉田舜がポジションを奪っても不思議はない。左ストッパーも2019年の後半戦はJ3の鳥取で経験を積んだDF高畑が頭角を現すことは十分に考えられる。五輪代表のDF岩田に関しては早期の海外移籍はあり得ない話ではない。

「選手をたくさん入れ替えてもあまり戦力が落ちない。」という点は今シーズンの大分の強みになる。ベテランと言える年齢の選手は少ないのでその点もアドバンテージになるだろう。早期にグループ練習が再開できたことも含めると大分にとって「コロナ禍」は相対的にプラスに作用する可能性が高い。「水曜用のチーム」と「週末用のチーム」という風に完全に分けて戦っても問題ないくらいの選手層の厚みはある。

ボールを保持して前にボールを運ぶところまでは問題なくできるので「最後のところを誰が決めるか？」である。期待が集まるのはFW知念になる。2試合で10本のシュートを放っているがまだノーゴール。川崎Fでは出場機会に恵まれなかったが定位置を確保して大ブレイクする可能性はある。同じく新戦力のFW渡やFW高澤も特徴を持ったストライカーなので3人が中心となるCFのポジション争いは面白くなるだろう。

2シャドーの位置は誰がファーストチョイスになっても不思議はない。大分での実績ではMF小塚が頭1つ抜け出た存在になるがMF野村直、MF町田、MF小林成はアタッカーとしての能力が高い。ゴール前の迫力を出すためにFW知念、FW渡、FW高澤、FW三平などストライカー系の選手を併用することも十分に考えられる。チャンスメーカーになれる選手はたくさんいるのでストライカーにとっては美味しい環境である。

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