■ 開幕カード その10昨シーズン4位の清水エスパルスの開幕戦。対戦相手は大分トリニータ。
ホームの清水は<4-4-2>。GK西部。DF市川・青山・高木・児玉。MF本田拓・伊東・藤本・フェルナンジーニョ。2トップは矢島とマルコス・アウレリオ。
アウェーの大分は<3-5-2>。GK西川。DF深谷・森重・上本。MFホベルト・エジミウソン・藤田・鈴木慎・金崎。ウェズレイと高松の2トップ。
■ 開幕戦では初勝利の大分試合は、前半7分に広島から移籍してきたFWウェズレイが右足で弾丸ミドルを決めて先制。さらに後半2分にも、MF鈴木慎吾のCKをDF森重が頭で合わせて2対0とリードする。
ホームで落とせない清水は後半32分に途中出場のMF枝村のミドルシュートで1点を返すが、反撃はこの1ゴールのみ。結局、2対1で大分が勝利し、クラブ史上初の開幕戦勝利を飾った。
■ 機能した2トップ大分はウェズレイと高松の2トップが見事に機能し、清水有利という戦前の予想を覆した。ポスト役の高松とフリーマンに近いウェズレイの組み合わせは、初めてのリーグ戦とは思えないほど機能した。
特に、FWウェズレイは昨シーズン後半は完全にチームのブレーキとなって、広島が降格となった最大の要因になったが、新しいチームでまた高いモチベーションをもってプレーしているようだ。気分屋の要素が強いので、あまりあてにすることはできないが、彼が気分よくプレーできるように周りも気を使っていけば、12~15ゴール前後は期待できる。
ウェズレイの加入でマークが分散したことが幸いしたのか、FW高松のプレーも非常によかった。特にポストプレーでは、J屈指のCBコンビである高木と青山を相手に完全に主導権を握り、正確にボールをおさめて攻撃の起点となった。
2トップ下に入ったMF金崎がなかなかチャンスに絡むことが出来なかったのはやや不安要素であり、シーズンを通して誰をトップ下に起用するべきかで悩まされそうだが、ともかく前線に高松&ウェズレイという、しっかりとした軸ができたのは大きい。
■ 機能しなかった2トップ対照的に清水のFW矢島とFWマルコス・アウレリオの2トップは機能しなかった。特に新外国人のFWマルコス・アウレリオは、MFフェルナンジーニョとプレースタイルは異なるが、プレーエリアが重なる気配があって、ともに持ち味を消しあう形となった。FWチョ・ジェジンが移籍し前線のパワーダウンが懸念されているが、開幕戦ではその不安を解消できなかった。
エースとして期待されるFW矢島は、パワーとスピードは並外れたものを感じるが、まだJ1の強豪チームのエースストライカーと呼べるだけの実力と実績を備えていない。長谷川監督はルーキーイヤーからこれ以上ないほど辛抱強く起用し続けているが、まだ才能が開花するには時間がかかりりそうである。幸いにもサブには五輪代表のFW岡崎と元日本代表のFW西澤が控えており、当分はこの4人でローテーションをしてしのいでいくのがベターだろう。
■ 新しい形を探る中盤一方、中盤は、フェルナンジーニョ・藤本・伊東・本田拓で構成する新しい形に変更されており、昨シーズンまでの完全なダイヤモンド型の1ボランチシステムから、少しモデルチェンジを見せている。
具体的には、アンカーに入るのは五輪代表でも活躍している新人のMF本田で、右サイドに伊東、左サイドに藤本、トップ下にフェルナンジーニョが構える形が基本だが、昨シーズンまでと比べると、藤本のポジションがかなり上がり目であって、ある程度の自由も与えられている。対照的に右の伊東はかなり下がり目で、時間帯によってはダブルボランチに見えなくもない。
もちろん、完全にダブルボランチにしてしまうと、攻撃的に戦いたいと考える長谷川監督の意識とは外れる。ベテランの伊東が、彼自身の判断で1ボランチ的なのか、2ボランチ的なのか変化させて、その時々でスタイルを変える必要性に迫られる。
難しい役割ではあるが、昨シーズンに比べるとややファジーになった中盤が機能し始めると、両サイドバックの攻撃参加を含めて、面白いサッカーになるだろう。
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>>> おおいたサポさん
どうもコメントありがとうございます。残留争いを考えると、いきなり「勝ち点6」獲得っていうのは大きいですね。現在、柏戦を見ていますが、2トップとダブルボランチの存在は大きいですね。ただ、お書きのとおりで層の薄さは気になります。
祝開幕2連勝っと 笑
2005年だったかなオールスターではあるんですけど、高松とウェズレイが2TOPを組んだことがあって、そのとき非常に2人の息が合っていて、面白い組み合わせかもしれないと思いました。それが現実になって、やはり2人の相性は非常にいいようです。ベストメンバーだけ見れば良いチームですけど、層は薄いし(実際、既に2人離脱してますし)現実的には残留争いかなと考えてましたけど、もう少し上を見ようと思います。
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