■ J1第20節前節で、FC東京に2対1で逆転勝利をした大分トリニータが、ホームで清水エスパルスと対戦。残留争いに巻き込まれている大分としては、今後、ホームでは確実に勝利をおさめていきたい。
対する清水は、大宮とのドローゲームの後の試合。ガンバ大阪や浦和レッズに離されないためにも、絶対に、勝ち点3が欲しい試合である。
■ 一気の逆転試合は、前半11分に、大分のFW高松が、MF藤田のクロスをヘディングで決めて先制。さらに、前半34分にも、MF藤田が中央からドリブルシュートを決めて追加点を挙げる。
しかしながら、その直後に、清水がMF藤本のクロスボールからFW矢島がヘディングでシュート。そのシュートはポストにはじかれるが、つめていたFWフェルナンジーニョが難なく押し込んで、1点差に迫ると、さらに、前半44分にも、フェルナンジーニョのCKからDF市川のヘディングシュートを決めて2対2同点に追いついた。
勢いに乗る清水は、後半8分にDF児玉の左からのクロスをFW矢島が決めて勝ち越すと、後半23分にも、FWフェルナンジーニョが個人技からドリブルシュートを決めて、4対2と突き放す。大分は、終了間際にMF金崎のゴールで1点差に迫るが、反撃はそれまで。結局、清水が4対3で勝利した。
■ 調子の上がってきたフェルナンジーニョ清水は、2得点1アシストを挙げたFWフェルナンジーニョの活躍が光った。鋭いドリブルが効果的で、ペナルティーエリア付近の危険な位置でドリブルで仕掛けられる状況に持ち込めていたのが、好結果につながった。
ただ、依然として、攻撃が、フェルナンジーニョの個人技頼みである状況に変わりは無い。。フェルナンジーニョの調子が上がってきたのは好材料だが、もっと、バランスよく、攻撃が出来るようにならなければ、上位には進出できないだろう。特に、両サイドの藤本と兵働には、もっと、攻撃に絡んで、チャンスを演出して欲しいところだ。
■ 大器の片鱗を見せた矢島清水は、韓国代表FWチョ・ジェジンが怪我で欠場し、若いFW岡崎とFW矢島が2トップを組んだ。五輪代表候補であるFW岡崎は結果を残せなかったが、矢島は1得点と結果を残した。
矢島は、182cmの高さと強さに加えて、規格外の速さを備える逸材であり、マルキーニョスが鹿島に移籍した後を埋める存在として期待されながら、ここまでは、まったくといっていいほど、期待にこたえられずにいた。しかしながら、この試合では、大器の片鱗を見せた。
荒削りなのは間違いなく、使いやすいタイプの選手ではないが、長谷川監督は、かなり辛抱して矢島を起用していて、結果を残せない試合も多かったが、それでも、徐々にステップアップしているようである。
■ 鈴木慎吾の効果大分は、新潟から加入した鈴木慎吾が、攻撃的MFでスタメン出場。ゴールやアシストは無かったが、新しい攻撃の中心選手として、存在感を示した。
大分の攻撃は、もともと、左利きの選手が多く、バランスという意味では若干の不安も残るが、鈴木慎吾は、自らチャンスを作るだけではなく周りを生かすプレーも出来る選手なので、MF根本やMF梅崎の良さをより以上に引き出してくれるかもしれない。そうすると、攻撃力は格段にアップするだろう。
■ 残留に向けてのキーマンは高松大分のキーマンが、高松であることは、間違いない。FW前田やMF梅崎、MF鈴木慎吾の加入で、1.5列目のポジションの層は厚くなったが、一方で、CFタイプは高松のみ。彼の出来が、今後の命運を左右するだろう。
前半戦は、コンディションが上がらなかった高松だが、この試合の高松の出来は悪くなかった。サポート体制も整ってきたので、今後は、ゴールの量産も期待できる。
■ 守備陣の立て直しは出来るのか?いうまでも無く、大分の課題は、守備陣である。核となるべき深谷の調子が上がらず、決して層も厚くないので、苦しい台所は続くだろう。
この試合は、本来はボランチの森重をCBで起用したが、ボールを持てる森重の起用は、考え方としては、面白い。今後、試行錯誤していく中で、どういうユニットに落ち着くだろうか。
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