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【移籍市場】 2020年-2021年オフの補強ポイントについて考える。 (FC琉球編) | | |　

FC琉球

→　J2に昇格して2年目となるFC琉球は27節を終えた時点で7勝14敗6分けで勝ち点「27」。18位に位置する。開幕から8試合勝ちなしと出遅れたが9節以降は19試合で7勝10敗2分けという成績になるのでまずまずと言える。昨オフはMF上門(岡山)やDF徳元(岡山)が流出するなど苦しいオフになったがエースのFW阿部拓の活躍もあってチーム力を維持することに成功した。「最低限の結果は残している。」と言える。

J3を制覇した2018年はMF富樫佑やMF中川風やDF増谷など若手の活躍が目立ったが今シーズンはベテランの活躍が目立つ。仙台から加入したFW阿部拓は25試合で10ゴールを挙げており、沖縄県出身のFW上原慎は1試合を除いて全て途中出場になるが25試合で6ゴール3アシスト。いずれも途中出場のときに記録したゴールになる。昨シーズンもスーパーサブとして大活躍したが今シーズンも目覚ましい活躍を続けている。

若手では大卒2年目のMF小泉佳が独り立ちをした。豊富な運動量と正確なキックを武器に攻撃の中心になった。MF風間宏矢も26試合で6ゴール1アシストと結果を残しており、大卒1年目のMF池田廉は22試合で2ゴールを記録。即戦力として活躍している。なかなか勝てない時期もあったがポジティブな要素も少なくないシーズンになっている。「就任2年目となる樋口監督は面白いチームを作っている。」と言える。

現時点では18位なので下位グループに巻き込まれているが「パス数」は2位、「クロス数」は6位、「インターセプト数」は2位、「30mライン進入回数」は1位、「ペナルティエリア進入回数」は5位となる。「攻撃的なサッカーを展開していること」は攻撃に関するスタッツの多くがJ2で上位であることからも明らかである。27試合で35得点なので総得点はそこまで多くないが「攻撃力はJ2の中でも上位クラス」と言える。

J2は残りは15試合になったが1つでも上の順位を目指したい。2021年は例年通りでJ2で21位と22位になったチームはJ3に降格するというレギュレーションになると思うので「J3に降格しないこと」が最大の目標になる。本当の勝負は来年になるので1つでも多くの収穫を手に入れてオフシーズンを迎えたいが昨年のオフも一昨年のオフも主力の流出が目立った。「地理的なハンディは大きい。」と言わざる得ない。

今シーズンのメンバー構成はベテランが多い。平均年齢は28.44歳。これは28.51歳の京都に次いでJ2の22クラブの中で2番目に高い数字になる。幸か不幸か「有望な若手」はあまり多くないがすでに名前を挙げた大卒2年目のMF小泉佳はJ1のクラブを含めた多くのクラブが関心を寄せるだろう。運動量が豊富で、かつ、左右両足を正確に使える選手はなかなかいない。「ポゼッションサッカーの申し子」と言える。

攻撃にアクセントを加えることが出来る選手なので争奪戦に発展する可能性は高い。「評価が高まっているMF小泉佳を引き止めるのはかなり難しいのでは？」と思うが他にはスーパーサブとして大活躍中のFW上原慎に対しても多くのクラブが興味を示すと思われる。新型コロナの影響で今シーズンのJリーグは交代枠が「5」に増えているが、その結果、『途中出場で仕事が出来る選手の価値』は大きく高まっている。

MF三笘(川崎F)に関してはスタメンでも十分に大活躍できる選手なので別枠になると思うが、FW中野誠(磐田)、FW野田(京都)、DF柳育崇(栃木SC)、FW河田(徳島)、FW浅川(熊本)など途中出場で仕事が出来る選手は貴重である。特にDF柳育崇やFW上原慎のようにパワープレー要員として絶大な存在感を発揮できる選手の価値は劇的に高まっている。34歳というFW上原慎の年齢はマイナスにはならないだろう。

他には元・コスタリカ代表のGKカルバハルに興味を示すクラブも出てくると思われる。188センチとサイズがあって安定感もある。MF小泉佳とFW上原慎とGKカルバハルの3人の去就が今オフの注目ポイントに挙げられる。当然のことながら、3人とも重要な戦力なので彼らが流出した場合は穴を埋める補強が必要になる。ある程度の流出は仕方がないが「軸となる選手」を引き抜かれると大ダメージである。

攻撃的なサッカーを志向するチームなので「スタイルに合った選手」をたくさん獲得したいが「今オフにFC琉球が獲得できたら面白いと思う選手」を挙げてみるとMF平川怜(FC東京)、MF佐々木大樹(神戸)、MF松本凪(C大阪)、MF奧野(G大阪)、DF藤井陽(名古屋)、DF島村拓(C大阪)、MF檀崎(札幌)、DF畑大雅(湘南)、MF川崎修(G大阪)など。若くて有望な選手を期限付き移籍で獲得して戦力アップを図りたい。

沖縄県出身のJリーガーも積極的に獲得したい。実績抜群のFW赤嶺(岡山)は年齢的な問題もあって衰えは否めず。戦力として期待するのは難しくなっているが知名度の高い選手である。クラブのブランド力アップに貢献するだろう。理想はFW知念(大分)になる。川崎Fに戻っても出番を得るのは難しい。大分で思うような活躍が出来ずにいるので「安定したプレー機会を求めて地元に戻る。」というのはあり得なくもない。

他にはMF田口(千葉)、DF宮城(京都)、MF金城ジャスティン俊樹(群馬)、GK野澤大志ブランドン(FC東京)などが沖縄県出身のJリーガーになる。J2では屈指のボランチと言えるMF田口を獲得するのはさすがに難しいがDF宮城やMF金城ジャスティン俊樹であれば獲得可能と考えられる。山口時代に主力として活躍したDF宮城は「得点力の高いCB兼ボランチ」なのでFC琉球の攻撃的なサッカーに合った選手である。

FC琉球U-15出身で17歳のGK野澤大志ブランドンの期限付き移籍での加入を希望するサポーターは少なくないだろう。FC琉球U-15の頃から年代別の日本代表に選出されていた世代屈指のキーパーである。「FC琉球の下部組織で育った選手」なのでFC東京での活躍を期待している人も多いと思うが「出場機会を求めての移籍」は考えられる。FC東京にはGK林彰洋とGK児玉とGK波多野がいるので出番を得るのは難しい。