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【移籍市場】 2020年-2021年オフの補強ポイントについて考える。 (大宮アルディージャ編) | | |　

大宮アルディージャ

→　開幕前は磐田と並んで「J2の優勝候補の一角」に挙げられた大宮は開幕4連勝。好スタートを切った。「大宮が昇格争いの中心になる。」と誰しもが思ったが5節以降はなかなか勝利を手にすることができておらず。26節を終えた時点で9勝10敗7分けで勝ち点「34」。15位と低迷している。2位の福岡との差は「18」と大きく広がっており、「2017年以来のJ1復帰は絶望的」と言える。まさかの大失速と言える。

5節以降の成績は22試合で5勝10敗7分け。信じられないような成績になっている。最大の誤算はエースとしてゴール量産が期待されたFWネルミン・ハスキッチになる。元ボスニア・ヘルツェゴビナ代表のFWネルミン・ハスキッチは「補強の目玉」だったが6試合の出場のみ。312分間プレーしてJリーグ初ゴールは生まれていない。2018年-2019年にセルビアリーグで得点王に輝いた実力は披露できていない。

もともとFWネルミン・ハスキッチにかかる負担は大きかった。FWシモヴィッチ、FWフアンマ・デルガド、FW大前という実績のあるストライカーが抜けた一方でフォワードの補強はFWネルミン・ハスキッチとFW戸島章の2人だけ。実績のあるフォワードは他にはFW富山くらいなので「新戦力のFWネルミン・ハスキッチがこけるとヤバいことになるのでは？」という点は開幕前から指摘されていたがその通りになった。

夏の移籍市場で獲得したFWイバが結果を残せていないのも大きな誤算と言える。12試合で1ゴールのみとなる。今シーズンは若返りを進める横浜FCの中でほとんど出番が無かったが2019年は36試合に出場して18ゴールを記録している。「J2で確固たる地位を築いたストライカーが起爆剤になる。」と思われたが1ゴールのみ。期待された2人のストライカーが共にさっぱりなのでチーム自体にも問題はありそうだ。

「3年連続でJ1復帰に失敗する可能性大」と言える状況になっているが就任2年目となる高木琢也監督の立場は厳しい。解任論を唱える人は試合を重ねるごとに増えているが実績のある指導者なので簡単にはクビを斬ることはできない。「大宮と何年契約を結んでいるのか？」は定かではないが「来シーズンも高木体制でJ1昇格を目指す可能性が高い。」と言える。2021年は背水の陣で挑むシーズンになるだろう。

期待外れなのは2人の助っ人だけではない。水戸で経験を積んで大きく成長して戻ってきた10番のMF黒川にかかる期待は大きかったが21試合で3ゴール3アシスト。さらなる成長が期待されたMF奥抜も19試合で3ゴールにとどまっている。昨夏に加入して鮮烈な印象を残したMFイッペイ・シノヅカも今シーズンは21試合で1ゴール2アシストと低調。2019年は20試合で4ゴール7アシストだったので成績は大きく下がった。

一方、24試合で3ゴールのFW戸島章、15試合で3ゴールのFW富山はまずまずと言える。出場時間は長くない中、FWネルミン・ハスキッチやFWイバよりも結果を残している。「FW戸島章とFW富山は奮闘している。」と言えるがそれ以外の攻撃的なポジションの選手は軒並み低調。シャドーの位置でプレーするMF菊地俊は9試合の出場のみ。スピードのあるMF近藤貴は13試合で無得点。愛媛FC時代の輝きは失われた。

攻撃に関するスタッツの多くは「J2で真ん中以下」になる。思うように点が取れないのも当然と言えるがオフの最優先補強ポイントは言うまでもなくCFになる。FWイバの復活に期待したいが35才という年齢を考えると過度な期待はできない。「3-4-2-1」を継続するのであれば軸になれる大型フォワードは絶対に必要である。CFの選手がコンスタントに活躍できれば2列目の選手も楽にプレーできるようになるだろう。

「今オフの大宮がどのクラスのCFを獲得できるか？」は大きな注目点になるがJ1昇格を逃した場合は主力の流出の危険性が高まる。今シーズンはなかなか活躍できずに苦労している選手は多いがMF黒川とMF奥抜のユース出身コンビはもちろんのこと、長身のDF河面、左WBのMF翁長、正キーパーのGKフィリップ・クリャイッチあたりは興味を示すクラブがたくさん出てきても何ら不思議はない実力を持っている。

他にはボランチのMF小野雅やMF小島幹の獲得に乗り出すクラブも出てくるだろう。J2ではトップクラスの資金力を持っているので「他のJ2のクラブに主力を引き抜かれる可能性は低い。」と言えるが、やはり、「J1の舞台でプレーしたい。」と考える選手は多いのでJ1のクラブからオファーが届くと引き止めるのは難しくなる。昨オフの流出は最小限にとどまったが「厳しいオフになる可能性」は否定できない。

26試合で24得点/30失点なので「失点の数はそこまで多くない。」と言えるが「最終ラインの軸になれる選手」を見つける必要がある。DF河本は17試合に出場しているが35才になったので大ベテランの域に入っている。全盛期と比べると力は落ちてきたので「DFリーダー候補」を獲得したい。大卒1年目で187センチのDF西村慧が1年目から19試合に出場するなど即戦力として活躍している点はポジティブに考えられる。

最後に「今オフに大宮が獲得できたら面白いと思う選手」を挙げたいと思うがFWクレーベ(千葉)、FW川又(千葉)、FWルカオ(金沢)、FW町野(北九州)などJ2のクラブでプレーするストライカーの名前が真っ先に頭に浮かんでくる。また、来シーズンこそ、磐田や京都が昇格争いのライバルになる可能性が高いことを踏まえるとFWルキアン(磐田)やFWピーター・ウタカ(京都)などの獲得に乗り出すのも1つの方法である。

「得点力の高い2列目の選手」も補強ポイントになるがMF平戸(町田)、MF山口一(水戸)、MF高橋大(北九州)、FW谷口海(熊本)などが候補に挙げられる。CBの候補はDFヨルディ・バイス(京都)、DF田代雅(栃木SC)、DFンドカ・ボニフェイス(水戸)など。他クラブのサポーターやJリーグのファンからは反感を買うと思うが「ライバルクラブを弱体化させる補強」というのはJ2で資金力のある大宮ならではの補強である。