■ 24節J1の第24節。3勝19敗1分けで勝ち点「10」のコンサドーレ札幌と、10勝9敗4分けで勝ち点「34」の清水エスパルスが札幌ドームで対戦した。札幌は18位で、清水は9位。ただ、中位グループは混戦なので、清水は勝つと暫定ながら5位に浮上することができる。
ホームの札幌は「4-2-3-1」。GK杉山。DF日高、ジェイド・ノース、金載桓、岩沼。MF山本真、宮澤、古田、ハモン、高木純。FW内村。新外国人のMFハモンは6試合連続スタメンで、MF山本真とMF高木純は古巣との対戦となった。2試合連続ゴール中のFW上原はベンチスタートとなった。
対するアウェーの清水は「4-2-1-3」。GK山本海。DF河井、平岡、ヨン・ア・ピン、李記帝。MF村松、杉山、八反田。FW大前、金賢聖、高木俊。ロンドン五輪の韓国代表のFW金賢聖は3試合目のスタメンとなった。FW大前は8ゴール、FW高木俊は7ゴールを挙げている。ルーキーのMF八反田はリーグ戦初出場で初先発となった。
■ エスパルスが快勝!!!試合は前半38分にアウェーの清水が先制する。ハーフウェーライン付近からMFヨン・ア・ピンがゴール前にロングボールを入れると、GK杉山とDFジェイド・ノースとFW金賢聖が競ってこぼれたボールをFW高木俊が押し込んで、清水が先制する。FW高木俊は今シーズン8ゴール目となった。
さらに、前半44分にも、左サイドでボールを受けたFW高木俊が絶妙のタイミングでゴール前にクロスを入れると、飛び込んできたFW大前が倒れ込みながらも右足で合わせて2点目を挙げる。FW大前は今シーズン9ゴール目で、2011年に挙げたゴール数を上回った。前半は2対0で清水がリードして折り返す。
後半も清水のペースで進むが、後半25分あたりを過ぎると、札幌も決定機を作るようになる。後半31分には、左サイドでボールを受けたMFハモンが右足で強烈なシュートを放つが、バーに当たってゴールならず。しかも、このプレーの後に、MFハモンがイライラからペットボトルを蹴ってしまって、2枚目のイエローカードで退場。札幌は10人となる。
その後も、途中出場のFW上原が裏に抜け出してGKと1対1のチャンスを得るが、枠をとらえきれない。結局、後半は札幌もチャンスを作ったが、ゴールは生まれず、2対0でアウェーの清水が勝利して、今シーズン11勝目。暫定ながら5位に浮上した。
■ FW大前とFW高木俊がアベック弾清水は序盤はリズムをつかめなかったが、前半38分に相手GKのミスから先制ゴールを奪うと、前半44分にも、得意のサイド攻撃から追加点を挙げた。後半は、何度かチャンスを作られたが、2点リードの余裕があったので、危なげない展開で逃げ切った。
先制ゴールを決めたFW高木俊は、1ゴール1アシストの活躍で、トータルのゴール数も「8」となった。移籍1年目の2011年は29試合で2ゴールと結果を残せなかったが、今年は、ゴール数も伸びており、着実に進化している。
結果が出ているので、周りも良く見えており、昨シーズンは、左サイドでボールを受けてカットインしてシュートを放つプレーが中心だったが、アシストのシーンのような周りの選手を生かすプレーもこなすようになっている。
2点目のゴールを挙げたFW大前は、いいタイミングでゴール前に入ってネットを揺らした。フリーになっていたが、合わせるのは、難しいクロスだったので、難易度の高いシュートだったが、うまく右足で合わせて、2点目のゴールを奪った。FW大前も9ゴールとなって、二桁ゴールが目前に迫ってきた。
■ SBで奮闘するルーキーのDF河井今シーズンの清水は、FW大前とFW高木俊らロンドン世代の若手がたくさんスタメンに名を連ねているが、ルーキーのDF河井と新外国人のDF李記帝が戦力となったことが大きい。DF河井はもともとは中盤の選手であるが、SBで起用されるケースも多くて、23節の浦和戦は左SBで起用されたが、この日は、右SBで起用されて、左右両サイドをこなす柔軟性を見せている。
サイドバックは専門職なので、通常、中盤の選手がSBに回ると、攻撃参加のタイミングが遅くなったり、守備のときのポジショニングがまずかったり、弊害も多くて、「ポリバレント」と評価される選手であっても、本職のSBと比較すると違和感を感じることが多いが、DF河井の場合、戦術理解度も高いので、大きな違和感は感じない。
これで、ここ5試合で4勝1敗と調子を取り戻してきたので、ACL出場権獲得のチャンスも出てきたが、今後は、FW金賢聖がカギを握るのではないか。ロンドン五輪にも選出されたストライカーで、加入後、3試合連続でスタメン起用されているが、まだ初ゴールは生まれていない。
韓国人ストライカーというと、高さと強さを兼ね備えていてダイナミックなプレースタイルの選手が多いが、得点力に欠ける選手も多い。果たして、FW金賢聖は、Jリーグでゴールを量産できるのか。それなりに技術があって、シュートに対する意識も高い選手なので、初ゴールは時間の問題だと思うが、どこまでゴールを積み上げることができるか。
■ 痛恨のキャッチミス一方の札幌は、今シーズン20敗目を喫した。15位のG大阪との差も「14」と開いているので、とにかく、目の前の試合に全力を注いで、勝ち点を積み上げていくしかないが、3連敗となった。後半にチャンスを作ったので、どこかのタイミングで1点を返していれば、会場の雰囲気も変わったと思うが、チャンスに決められなかった。
痛かったのは、1失点目のプレーで、GK杉山とDFジェイド・ノースとFW金賢聖が競って、GK杉山がキャッチできずにこぼれたボールをFW高木俊に決められてしまったが、みんなで頑張って守備をして、カウンターからゴールを狙うスタイルのチームなので、ミス絡みで失点すると、勝つチャンスはガクッと下がってしまう。
GK杉山とFW金賢聖の間で、接触はあったので、FW金賢聖のファールになってもおかしくないシーンであったが、ノーファールでも、おかしくないコンタクトで、「キャッチにいったGK杉山の判断が的確ではなかった。」と言わざる得ない。立ち上がりからセカンドボールを拾われていたので、「ボールをキャッチしてチームを落ち着かせたい。」という気持ちは分かるが、その判断が仇となった。
■ MFハモンを生かせず・・・また、後半31分にMFハモンが2枚目のイエローカードを受けて退場になったシーンも痛かった。前半40分の1枚目のイエローカードも、レフェリーへのクレームでカードをもらっているので、2枚ともに、勿体ないイエローカードで、無駄な行為で退場となった。
シーズン途中に加入してきたMFハモンは6試合連続スタメン中で、パスの配給役として欠かせない選手になっているが、熱くなりやすい性格で、しかも、熱くなると自分ひとりで局面を打開しようとするので、相手に囲まれてボールを失うシーンも目立つ。
キープ力があって、創造性があって、ラストパスを出すセンスもあるので、札幌にとっては、大きな戦力ではあるが、暴走する危険性をはらんでいる。チームでは唯一、違いを生み出すことのできる選手なので、みんなでMFハモンをサポートして、気分よくプレーしてもらう必要がある。
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