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【J1】冬の移籍市場の序盤戦の雑感 (コンサドーレ札幌・ベガルタ仙台・鹿島アントラーズ) (2019年-2020年) | | |　

コンサドーレ札幌

→　ルヴァン杯では準優勝に輝いたがリーグ戦は10位に終わってACLの出場権獲得はならなかった。開幕からずっと一定以上の位置をキープしてきたが9月以降の9試合は2勝6敗1分けと失速した。昨オフは補強に成功して前評判は非常に高かったことを考えると10位という順位はかなり物足りない。最終成績は13勝14敗7分けで勝ち点「46」。クラブ史上最強とも言える充実した陣容だったが負けの数が先行した。

ペトロヴィッチ監督の去就のニュースは流れていないが普通に考えると続投だろう。2020年は勝負の3年目になる。能力の高い選手が多いので「主力の流出を最小限にとどめること」が重要になってくるがFWジェイ、MFアンデルソン・ロペス、MFチャナティップ、DFキム・ミンテ、GKク・ソンユンの5人は残留濃厚。期限付き移籍中のMFルーカス・フェルナンデスは「完全移籍での獲得に動いている。」と報じられた。

タイ出身のMFチャナティップは提携枠になるがMFルーカス・フェルナンデスも残留するのであれば「出場できるのは5人まで」という外国人枠の余裕はなくなる。となると噂になっていた元・スペイン代表のMFダビド・シルバの獲得はなさそうだ。ただ、早い段階で軸となる外国人選手の残留が濃厚となったので補強の動きは進めやすくなった。日本人選手ではフル代表にも選出されたDF進藤の残留も濃厚になっている。

ここまでは順調そのものである。いい流れになっているが目標であるACLの出場権獲得やタイトル獲得のために補強の優先順位が高いポジションは左WB・ボランチ・CBあたりになる。逆に言うとそれ以外のポジションにはすでにJ1トップクラスの選手がいるのでよほどの選手でないと戦力アップにはならない。MF菅大輝、MF宮澤裕、MF深井一、DFキム・ミンテあたりの地位を脅かすことが出来る選手を獲得したい。

ベガルタ仙台

→　今年も残留争いに巻き込まれながら33節に「自力でのJ1残留」を達成した。11位というのは2018年と同じ順位になる。クラブ規模がJ1の中では最低クラスになることを考えると「10年連続のJ1残留」というのは高評価に値する。2010年からずっとJ1に居続けているのは横浜FM・鹿島・川崎F・広島・仙台・浦和の6チームのみとなる。危ういシーズンは少なくないが「完全にJ1に定着している。」と言える。

ただ、14位→4位→2位→13位→14位→14位→12位→12位→11位→11位である。2011年の4位と2012年の2位を除くと全て2桁順位に終わっている。閉塞感が漂っていることもあって渡辺晋監督は退任することになった。「事実上の解任」とも報じられている。後任監督は山形をプレーオフ出場に導いた木山監督が有力視されている。木山監督はこれまでずっとJ2のクラブを指揮してきたので自身初のJ1挑戦になる。

これは思い切った決断と言える。木山監督は水戸・千葉・愛媛FC・山形を率いた経験を持っているがどのチームでも安定した成績を残している。ただ、9年間で「素晴らしい結果を残した。」と言えるのは2009年の水戸、2015年の愛媛FCの2シーズンのみ。「大崩れはしないが大躍進するケースも少ない監督」である。資金力的にも戦力的にもJ1では下位レベルになるだろう仙台を率いて上位に顔を出す確率は高くない。

意外な選択に思えるがGKヤクブ・スウォビィク、DFシマオ・マテ、FW長沢駿の3人の残留が早くも確定。仙台出身のMF吉野恭(広島)の加入も確実となったので例年と比べると移籍市場の序盤から活発な動きを見せている。一方、左SBでベストイレブン級の活躍を見せたDF永戸は鹿島や横浜FMなどが獲得に乗り出しているので流出濃厚。「DF永戸の穴をどのようにして埋めるのか？」が今オフの大きなテーマになる。

鹿島アントラーズ

→　30節を終えた時点では首位だった。残りは4試合。「このまま鹿島が行くのでは？」と思われたがラスト4試合は1勝2敗1分けと失速して今年もリーグ制覇を逃した。ルヴァン杯とACLはどちらも上位に進出したが敗退。準決勝に進出した天皇杯が残っているが無冠に終わる可能性もある。就任3年目となる大岩監督の去就が注目されていたが今シーズン限りでチームを離れることが12月11日(水)に発表された。

4つのコンペティション全てで好成績を残しており、ACLの出場権も確保しているので、鹿島以外のクラブであれば万々歳の成績になるが常勝軍団なので基準は高い。夏にFW鈴木優やDF安西やMF安部裕など多くの主力が流出しながらJ1のリーグ戦で3位に入れたのは大岩監督の手腕である。J1のリーグ戦では2位→3位→3位という成績でありながら契約満了になってしまうのだから鹿島の監督は大変である。

まずは後任監督が誰になるのか？に注目が集まるがここ2年ほどでたくさんの主力が欧州に移籍しているので選手層が薄くなっている。FW染野(尚志高)やMF松村(静岡学園高)といった有望株の獲得に成功したのは良かったが今オフは積極的な動きを見せないといけないだろう。現時点で噂に挙がっているのは左SBのDF永戸(仙台)になる。J1屈指の左SBに成長したDF永戸を獲得できると大きな戦力になるだろう。

優先補強ポイントはCFと右SBになる。FW伊藤翔はすぐにフィットして26試合で7ゴール。まずまずの成績を残したがやはりアジアタイトルやリーグタイトルを獲得するためには15ゴール程度は期待できるストライカーが欲しい。右SBはDF内田篤もDF伊東幸も怪我がち。MF永木が右SBに回るケースが多かったがこの1年間は右SBのやり繰りで苦労した。CBはDFブエノやDF町田が成長したことで優先度は少し下がった。

　→　2019/12/12 　【戦力補強】今オフの移籍市場の序盤戦の雑感 (コンサドーレ札幌・ベガルタ仙台・鹿島アントラーズ)
　→　2019/12/15 　【J1】冬の移籍市場の序盤戦の雑感 (浦和レッズ・FC東京・川崎フロンターレ)
　→　2019/12/15 　【J1】冬の移籍市場の序盤戦の雑感 (横浜Fマリノス・湘南ベルマーレ・松本山雅)
　→　2019/12/16 　【J1】冬の移籍市場の序盤戦の雑感 (清水エスパルス・ジュビロ磐田・名古屋グランパス)
　→　2019/12/16 　【J1】冬の移籍市場の序盤戦の雑感 (ガンバ大阪・セレッソ大阪・ヴィッセル神戸)
　→　2019/12/17 　【J1】冬の移籍市場の序盤戦の雑感 (サンフレッチェ広島・サガン鳥栖・大分トリニータ)