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【大宮アルディージャ×水戸ホーリーホック】エースの大前元紀は必要なのか？不要なのか？ | | |　

■　J2の第5節

J2の第5節。上位候補に挙げられながら1勝2敗1分けと出遅れた大宮アルディージャはホームのNACK5スタジアムで水戸ホーリーホックと対戦した。高木監督を招聘した大宮は3節の徳島戦(A)で勝利したが4試合で1勝のみ。13位と苦しんでいる。対する水戸は好調。開幕3連勝と最高のスタートを切った。4節の千葉戦(A)は1対1のドローに終わって連勝は「3」でストップしたが3勝1分けで4位。好位置に付けている。

ホームの大宮は「3-4-2-1」。GK笠原。DF畑尾、河本、河面。MF石川俊、大山啓、奥井、酒井宣、茨田、ダヴィッド・バブンスキー。FWフアンマ・デルガド。エースのMF大前は3試合連続でベンチスタートとなった。キーパーのGK笠原は古巣との対戦になる。ベテランのDF菊地将がベンチスタート。同じくベテランのDF河本が今シーズン初スタメンとなった。右WBのMF奥井も今シーズン初スタメンとなった。

対するアウェイの水戸は「4-2-2-2」。GK松井。DF岸田、伊藤槙、ンドカ・ボニフェイス、志知。MF前寛之、平野佑、茂木駿、木村祐。FW村田航、ジョー。好調のFW黒川とFW清水慎の2トップはいずれも大宮からの期限付き移籍になるので契約上の問題で出場不可。大卒ルーキーのFW村田航がJリーグ初スタメンとなった。FWバティスタからFWジョーに登録名を変更したFWジョーも今シーズン初スタメンとなった。

■　大宮が追いついてドロー

試合はホームの大宮が主導権を握る展開になった。対戦相手の大宮がFW黒川とFW清水慎を欠いた影響は小さくはなかった。前半13分に大宮のMFダヴィッド・バブンスキーに決定機が訪れたがDF岸田がブロックして先制ゴールとはならず。前半46分には左SBのDF志知のクロスからFWジョーがアクロバティックな動きからシュートを放ったが枠を捉えることは出来ず。前半は0対0で終了。ハーフタイムに突入する。

迎えた後半2分に水戸が右サイドでFKを獲得するとMF茂木駿のボールを大卒ルーキーのFW村田航が頭で合わせてアウェイの水戸が先制に成功する。明治大出身のFW村田航は嬉しいJリーグ初ゴールとなった。負けられない大宮は後半15分にMF大前、後半18分にMF奥抜、後半30分にFWシモヴィッチを投入。攻撃的な選手を3人投入する。199センチのFWシモビッチも今シーズン初出場となった。

1点を追う大宮は後半35分に高い位置でボールを奪い返すとMF石川俊の丁寧な横パスを受けたMF大前がコース隅にシュートを決めて1対1の同点に追いついた。3試合連続でベンチスタートになったMF大前は今シーズン初ゴールとなった。後半48分に水戸はゴール前の絶好の位置でFKを獲得したがMF木村祐のシュートは枠を大きく外してしまう。試合は1対1のドロー。水戸は開幕から5試合負けなしとなった。

■　3試合連続でベンチスタートになったMF大前

2017年以来のJ1復帰を目指す大宮は1勝2敗2分けとなった。波に乗ることが出来ずに苦しんでいるがMF大前が値千金の同点ゴールを決めた。オフにMFマテウスが抜けたもののFWフアンマ・デルガドが加入。「FWシモヴィッチとFWフアンマ・デルガドとMF大前の3人をどのように起用するのか？」に注目が集まったが高木監督は長崎時代の教え子でもあるFWフアンマ・デルガドを攻撃の中心に据えている。

1トップのFWフアンマ・デルガドはまずまずのプレーを見せているがMF大前は開幕2試合で結果を出せず。3節からベンチスタートが続いている。「怪我をした。」という情報は流れていないので戦術上の問題もしくはコンディションの問題でスタメンから外れていると思うが、当然、実績のある選手である。思うところはあったと思うが途中出場で同点ゴールをゲット。苦しい状況の中、勝ち点をもたらすゴールを決めた。

今シーズンの大宮は「3-4-2-1」を採用しているMF大前はシャドーの一角でもサイドハーフでもプレー可能。「2トップの一角で起用されないと持ち味を発揮できない選手」というわけではないが3節と4節はともにMF嶋田慎とMFダヴィッド・バブンスキーの2シャドーになった。今節はMFダヴィッド・バブンスキーとMF茨田の2シャドーなので『高木監督の評価はあまり高くないのか？』という気もするが結果を残した。

MF大前は運動量の多い選手ではない。守備の部分で穴になる可能性があるがMF大前がいるのといないのとでは相手に与える脅威は大きく変わってくる。MFダヴィッド・バブンスキーやMF嶋田慎やMF茨田も特徴を持った選手ではあるがMF大前を差し置いてスタメンに抜擢しないといけないほどのインパクトは残せていない。大宮の顔とも言える選手なので「MF大前の力はJ1復帰のためには不可欠」と言える。

■　大卒ルーキーのFW村田航が初ゴール

水戸は開幕3連勝の後、2試合連続でドロー。勝ち点が伸び悩んでいるが開幕5試合で3勝2分け。十分すぎるほどの結果を出している。この日はFW黒川とFW清水慎がともに出場不可。「躍進を支えてきた2トップをともに使えない。」というのは大きなハンディだったが初スタメンとなったFW村田航が期待に応えて先制ゴールをゲット。フォワードの層が厚くないチームなのでFW村田航の活躍はいいニュースである。

ゴールシーンはヘディングシュートだったが持ち味はスピードになる。裏に飛び出したときの迫力は相当なレベルである。同じ大卒ルーキーのMF浅野雄も相当なスピードを持った選手であるが同じスピード系の選手でもタイプはかなり異なる。MF浅野雄は力強さも兼ね備えているがFW村田航の動きはシャープである。加速力があるので一瞬の動きで相手CBを置き去りにできるだけのスピードを持っている。

FWジェフェルソン・バイアーノとFW伊藤涼とFW岸本がいずれもレンタル終了でチームを去ったのでフォワード陣が不安視されていたがここまではいい流れになっている。FW村田航のスタメン起用に目途が立つようだとFW黒川を本来のポジションである2列目で起用することも可能になるので選手起用の幅は広がる。初スタメンとなった192センチのFWジョーもポテンシャル自体は相当に高い。彼にも期待したい。

　2019/03/07 　【J2】「面白いサッカー」を見せているチームはどこだ？ (前編)
　2019/03/07 　【J2】「面白いサッカー」を見せているチームはどこだ？ (後編)