サッカーコラム J3 Plus+　

J1・J2・J3・日本代表などを幅広くカバーするサッカーコラムです。基本的には毎日更新しています。よろしくお願いいたします。

最近のエントリー (20記事)

　2024/01/14 【J1：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：342名)
　2024/01/09 【J2：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：172名)
　2024/01/10 【J3：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：83名)

お勧めしたいエントリー (15記事)

【大宮×松本山雅】 10番のFW黒川淳史が躍動。2ゴール1アシストの大活躍！ | | |　

■　J2の第27節

J2の第27節。3勝12敗11分けで勝ち点「20」の大宮アルディージャはホームのNACK5スタジアムで松本山雅と対戦した。松本山雅は6勝12敗7分けで勝ち点「25」。J2は次の28節が終了すると「全日程の2/3」を消化したことになるが松本山雅は17位、大宮は21位となる。前日の試合で最下位のSC相模原が引き分けたことで大宮は暫定ながら最下位に転落した。残留争いに巻き込まれている2チームの対戦となった。

ホームの大宮は「4-2-1-3」。GK南。DF馬渡、河本、西村慧、川面。MF三門、小島幹、菊地俊。FW黒川、河田、奥抜。夏の移籍市場で獲得した大ベテランのGK南は4試合連続スタメン。同じく夏に獲得したストライカーのFW河田も4試合連続スタメンとなった。トップ下で起用されたMF菊地俊は5節以来で今シーズン2回目のスタメンとなる。13試合で3ゴールのFWイバはこの日もベンチスタートとなった。

対するアウェイの松本山雅は「3-4-1-2」。GK圍。DF宮部、星キョーワァン、常田。MF平川怜、佐藤和、下川陽、外山、小手川。FW阪野、鈴木国。リーグ再開後は3試合目となるが3試合連続でMF小手川がトップ下で起用された。名波体制になってから出番が増えている。夏に獲得したMFセルジーニョはベンチスタート。怪我明けのFW山口一もベンチスタートとなった。どちらも26節の試合がリーグ戦初出場だった。

■　ホームの大宮が圧倒する展開

J2の残留争いの直接対決だったがホームの大宮が圧倒する展開になった。前半11分のFW河田の決定機はバーに直撃したが前半33分にMF小島幹のスルーパスから抜け出したFW黒川がフリーで逆サイドを走っていたFW河田にパスを出してゴールゲット。欲しかった先制ゴールを奪ったのは大宮だった。夏にJ1の徳島から加入したFW河田は今シーズン2ゴール目となった。前半は1対0と大宮がリードして折り返した。

松本山雅は後半開始からMF小手川を下げてMFセルジーニョを投入する。昨シーズンまでエースとして活躍したMFセルジーニョに期待が集まったが後半1分にMFセルジーニョからボールを奪った大宮がカウンター。攻撃参加したDF河面のクロスからFW黒川が左足でファインゴールを決めて大きな追加点を奪った。勢いに乗る大宮は後半30分にも途中出場したFW中野誠のクロスからFW黒川が決めて3点目を奪った。

さらに後半35分にはボランチのMF三門のクロスからFW中野誠が決めて4点目。FW黒川は2ゴール1アシスト、途中出場したFW中野誠は1ゴール1アシストの活躍だった。松本山雅は終盤になると途中出場したMF山田真のミドルシュートで2つほど惜しいシーンを作ったがGK南の活躍もあってゴールを奪うことは出来なかった。4対0で大勝した大宮は20節の山口戦(A)以来で実に7試合ぶりの勝ち点「3」を獲得した。

■　2ゴール1アシストの大活躍！

試合前の時点で両チームの勝ち点差は「5」だった。暫定で最下位の大宮が勝利するようだと残留争いはさらに混とんとした状況になったが大宮が攻守に圧倒して大きな勝ち点「3」を獲得した。大宮は6節から14試合勝ちなしと苦しんだが20節で勝利した後も6試合勝ちなしだった。6節以降の21試合でわずか1勝のみだったが5節の長崎戦(H)と全く同じ4対0のスコアで圧勝した。ホームでの勝利もこの時以来になる。

「負けると大変なことになる。」というシチュエーションだったが10番のFW黒川がここ一番で躍動した。「右ウイングの位置」で起用されたが2ゴール1アシスト。4点目のFW中野誠のゴールをアシストしたMF三門にワンツーのパスを出したのもFW黒川だった。4ゴール全てに絡む神がかり的な活躍だった。右SBのDF馬渡も攻撃的な良さを発揮したのでこの日の大宮は右サイドからのアタックがとにかく有効だった。

難しい状況になっているが、やはり、「人一倍、このチームを降格させたくない。」と思っているのはユース出身者だろう。FW黒川以外にもMF小島幹やMF柴山などユース出身の選手は沢山いるがその中でも10番を背負っているのでFW黒川は「自分の力でチームを残留させる。」と意気込んでいるはず。今シーズンはなかなか初ゴールが生まれなかったがここ8試合で5ゴール1アシスト。量産体制に入っている。

大宮は流れを変えるきっかけをつかんだが霜田監督になってからの成績は10試合で2勝2敗6分けとなる。なかなか勝てなかったが負けの数も少なかった。大混戦になっているので「ドローで地道に勝ち点を積み上げる。」というのは必要なことである。順位は21位のまま。前節終了時点の順位と変わらなかったが上との差は一気に縮まった。J1経験の豊富なチームなので「大宮が残留できるか？」に大きな注目が集まる。

■　18位に転落した松本山雅

一方、松本山雅にとっては痛すぎる敗戦となった。勝てば「少し安心できる。」という位置まで浮上できたがまさかの大敗だった。0対4で大敗して得失点差は「-21」となったがこれはJ2ワーストになる。得失点差の勝負になる可能性もまあまあ高いことを考えるとダメージの大きい大敗である。名波監督の初戦だった20節のFC琉球戦(A)も0対4というスコアで敗れているが大敗するとチームの雰囲気は悪くなる。

厳しい試合になったが

　・相手のボランチへのプレッシャーがかからなかったこと。
　・後方からのビルドアップの精度が低かったこと。

の2つが大きな問題である。大宮のボランチのMF小島幹は良いパスを出せる選手なのでここをフリーにすると好き放題される。トップ下に運動量があって献身的なMF小手川を起用したが2トップのFW阪野とFW鈴木国も運動量の多い選手である。前の3人はいずれも動ける選手なので「パスの出どころ」はしっかりと封じたかった。一般論になるが「3-4-1-2」になると相手のボランチへのプレスはかけにくくなる。

最終ラインのパスミスからピンチを招く場面は多かったがDF星キョーワァンはフィードを苦手にしている。キーパーのGK圍ならびに左ストッパーのDF常田はフィードに定評があるが右ストッパーのDF宮部はそこまでフィードの得意な選手ではない。最前線にFW阪野とFW鈴木国がいることを考えると「もっとシンプルなサッカー」を目指すべきだったが中途半端にボールをつなごうとして奪われるシーンが目立った。

敗れたことで18位に転落したが19位の北九州との差はわずか「1」となった。最下位のSC相模原との差も「4」なのでお尻に火が付いた状態になった。すでに触れたとおり、得失点差がリーグワーストなので勝ち点で並ばれると下の順位になる。名波監督になってからの成績は2勝5敗となるが「監督交代の効果」はまだ出ていない。次節が磐田戦(H)、その次の節が京都戦(H)なので「試練のホーム2連戦」となる。