グイン・サーガとは、栗本薫によって書かれた大河ロマン小説または、それを原作とするNHKなどによって放送されたアニメシリーズである。
正伝130巻・外伝22巻(23冊)に及ぶ大作であった。世界最長の小説であるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の960万9000文字に対し、正伝第93巻が発行された2004年4月時点で早川書房が米国の英語版を元に算出した文字数は3022万5000文字にも及ぶ世界最長の物語である。
2009年5月26日に、著者である栗本薫がすい臓がんにより帰らぬ人となったため、130巻の第2話をもって断筆、未完となった。
2011年2月にはアニメDVD特典やグイン・サーガ・ハンドブックなどに掲載された短編をまとめた外伝22巻が発売され、これが栗本薫によるグイン・サーガの最終巻となった。
なお、栗本薫は生前「誰かがこの物語を語り継いでくれればよい」との発言を遺しており、それを受けて2011年5月から「グイン・サーガ・ワールド」という雑誌形式の文庫本が季刊で計8冊発行され、久美沙織・牧野修など他作者による外伝などが掲載された。
そして2013年からは、五代ゆうと宵野ゆめが交互に執筆する形で、正伝の131巻以降の刊行がスタートしている。また外伝も同様に他作者によって書き継がれている。
中原(ちゅうげん)という架空の大地を舞台に、豹頭の超戦士グインをはじめとするさまざまな人物の動向を描いた小説である。
国家間の戦争・策謀といった戦記ものとしての側面だけでなく、冒険・ロマンスの要素やSFの領域にも踏み込んでおり、ジャンル分けの非常に難しい作品となっている。
2009年4月から9月にかけて、正伝16巻までの内容を元に、シリーズ開始から30年を経てようやくアニメ化された。
シリーズ開始時には全20巻の構想であったが、1巻に予定していた内容に5巻分かかったこともあり、個人のシリーズ作品としては前人未踏の全100巻構想を標榜するようになった。実際に100巻を達成した後には、200巻を目指すという発言も飛び出した。文字通り、著者・栗本薫のライフワークであった。
グイン・サーガ・ハンドブックで主役級として扱われている8人を紹介する。
()内はアニメ版のキャストである。
本作で最も重要な人物。豹頭という異形を持った人間である。
己の名前と「アウラ」という言葉以外、全ての記憶を失った状態でルードの森に現れ、パロの双子を守り導くこととなる。
謎めいた存在であり、この世界の秘密の鍵を握る人物の一人。
作中において匹敵する者がほぼ存在しない最強の戦士であり、軍略にも長じている。完全無欠に近いのだが、情が深く女心に疎いのが弱点である。
後にケイロニア帝国の王となることが外伝1巻である『七人の魔道師』で明かされており、正伝でもその通りにケイロニアの豹頭王となった。
魔道の王国パロの王子。双子の姉であるリンダと並んで「パロの二粒の真珠」と称される美少年。
内気で姉の影に隠れるような部分があり、姉のリンダや従兄のナリスに対しては劣等感を持っていた。
ノスフェラスの冒険を経て、暗い影を帯びるようになる。
パロの王として即位するが、自分より人気のあるリンダやナリスに対して強いコンプレックスを抱く。
魔道の王国パロの王女であり、レムスの双子の姉。
パロの巫女姫の資質を受け継いだ強力な予言者である。
レムスと並んでパロの真珠と称されるほどの美少女であるが、男勝りの気性でまるで少年のような性格であった。
ノスフェラスの冒険を経て、イシュトヴァーンと恋仲になる。
紅の傭兵を自称する青年。
玉石を握って生まれ、「<光の公女>によって王になる」という予言を受けており、王になることを野望としている。
カリスマ性を持った人物であり、さまざまな人物が彼の人間的魅力に惹かれている。
ノスフェラスの冒険を経て、草原でリンダと「3年後に王になって迎えにいく」という誓いを交わした。
グインと同様、外伝1巻でゴーラの王となることが明かされており、正伝でもゴーラの僭王となった。
パロのクリスタル公。クリスタルでも一番と称される美貌の持ち主であり、楽器や歌・舞踊に加えレイピアの名手でもあり、文武両道に秀でた天才。
学問や魔道にも通じており、パロの古代機械の研究には特に熱を入れていた。
カリスマ性にも溢れ、彼と常に比較されていたレムスのコンプレックスの原因となっている。
余談ではあるが、三浦健太郎氏の代表作『ベルセルク』の登場人物であるグリフィスは、彼がモデルとなっている。
キタラの名手であり、音楽の神の申し子とでも言うべき歌の天賦の才を持った、朗らかな美青年。
実はアルド・ナリスの異母弟の王子アル・ディーンであるが、自由に生きるためにパロを出奔し、一介の吟遊詩人として暮らしている。
争いを嫌い、魔道師を通じてミアイル公子の暗殺を命じられたことをきっかけにナリスとは完全に決別する。
後にグインらと出会い、さまざまな冒険の旅をすることになる。
自ら父ヴラド大公の補佐として軍を率いたことで、「モンゴールの公女将軍」と呼ばれた美貌の公女。
物語当初こそ「氷の公女」と呼ばれていたが、実際にはかなり情熱的な人物である。
ノスフェラスでグル・ヌーの秘密を突き止めるための部隊を率いていたが、そこでグイン一行との戦いとなり、撤退を余儀なくされる。
トーラス帰還後にアルド・ナリスとの政略結婚を命じられ、クリスタルへと向かう。そこで彼と運命的な恋に落ちてしまうのだが、それはナリスの巧妙な罠であった。
本作でも特に運命に翻弄された、悲劇的な人物である。
パロとの血縁関係を持つ草原の小国アルゴスの王太子であり、黒太子と呼ばれる偉丈夫。
草原の民と呼ばれる騎馬民族を率いる存在であり、モンゴールの首都トーラスの陥落に大きな役割を果たす。
後にグル・ヌーの探索を行ったことがきっかけとなって、世界の謎にかかわる重大人物となる。
また、妻をイシュトヴァーンに殺されたことから、彼を因縁の相手としていつか殺そうと狙うようになる。
掲示板
51 ななしのよっしん
2022/07/16(土) 18:54:46 ID: I2zySFbO0Q
キャラ改変が酷くなる前までは読みたいと思っているのですが、何巻からどのキャラが優遇されて、どのキャラが冷遇され始めるのでしょうか?
ナリスというキャラはよく聞きますが……
52 ななしのよっしん
2023/08/10(木) 20:32:24 ID: 5EYVhJgNPX
53 ななしのよっしん
2023/08/20(日) 14:45:26 ID: Pw/PHelypF
16巻パロへの帰還で第1期完という感じでそこまでは面白い。なんなら
24巻風のゆくえまででも、俺たちの戦いはこれからだという感じで良い。
そこから先は読む必要なし
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最終更新:2024/12/23(月) 11:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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