• 更新日 : 2024年10月28日

退職したら確定申告は必要?不要な場合ややり方、還付について解説

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2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ

▽提出期限

2025年2月17日(月)~ 2025年3月17日(月)

※上記は2024年/令和6年分の申告を行う期間です(参考記事はこちら

初心者から経験者まで、毎年多く読まれている記事です。確定申告の必要性、やり方、簡単に済ます方法についてまるっと解説しています。

年度途中の退職で、退職後に無職になる場合には確定申告が必要なケースがあります。退職後に確定申告をしないとどうなるのでしょうか。また、確定申告が不要なケースにはどのようなケースが該当するのでしょうか。この記事では、退職後に確定申告が必要なケースや必要書類、確定申告のやり方について解説します。

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年度途中の退職でも転職先で年末調整ができる場合は確定申告が不要

会社と雇用契約を締結している会社員(給与所得者)は、年度の途中で退職しても、同年に転職することができれば、基本的に確定申告は不要です。転職先の会社が、以前の勤務先の給与支給分を含めて年末調整を行うためです。

退職後の年末調整については下記の記事で詳しく説明していますので、こちらもご覧ください。

退職後に無職の状態になる場合は確定申告が必要

年度の途中で退職した後、同じ年に再就職しなかったときは、確定申告が必要になることがあります。給与所得者の場合、勤務先が毎月の給与支給時に概算で所得税の源泉徴収を行い、年末調整で精算することになります。

しかし、年度途中で退職すると年末調整を受けることができません。年末調整がされないと、所得税の徴収額の過不足が生じることがあります。特に徴収額が不足するような場合では、確定申告が必要です。

就職先で年末調整をしていない場合も確定申告が必要

会社と雇用契約を締結している会社員でも、勤務先から年末調整を受けられないこともあります。

基本的に、会社は従業員の所得について源泉徴収を行い、年に一度年末調整を行わなければなりません。そのため、勤務先が年末調整をしていないケースとしては2パターン考えられるでしょう。勤務先が年末調整の必要性を認識しておらず義務を履行していないパターン、あるいは年末調整の対象外であるため行われていないパターンです。

年末調整の対象外となるのは、ある条件を満たした日雇労働者や給与収入が2,000万円を超える社員などです。勤務先で年末調整を受けられない場合は、個人で確定申告をすることになります。

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退職後に個人事業主・フリーランスになる場合も確定申告が必要

退職後に個人事業主やフリーランスになるケースでは、同じ年に給与所得と事業所得が混在することになります。給与所得については年度途中であれば年末調整されないことから、所得税の過不足が生じることがあります。また、事業所得については年末調整のような制度がないことから、納税者自身が所得額や納税額を申告しなければなりません。以上のことから、退職後に個人事業主やフリーランスになる場合は、確定申告が必要です。

定年退職の後に確定申告を行った方がよいケース

定年退職後に確定申告を行った方がよい、または確定申告しなければならないケースを紹介します。

退職金を受け取ったときに「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない

退職所得(退職一時金などによる所得)については、ほかの所得とは区分して所得税の超過累進課税を適用します。国内の居住者は、退職所得の受給に関する申告をする義務があるため、通常は、退職金の支払者である勤務先に対して「退職所得の受給に関する申告書」を提出することになります。申告書を提出することで、勤務先が退職金の所得税等を計算して退職金から源泉徴収を行い、課税関係は完結する仕組みです。

退職金を受け取る人が「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合には、退職所得の金額にかかわらず、一律で20.42%の所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。そのため、正しく所得税・復興特別所得税を精算するには、確定申告が必要です。

公的年金受給者で収入合計が400万円を超えている

公的年金には、国民年金、厚生年金、国民年金基金、企業年金などがあります。いずれも、一定の年齢に達したときに老齢給付のある制度です。受給額が一定以上の場合には所得税・復興特別所得税が給付額から源泉徴収されます。

公的年金には年末調整のような制度はないため、所得税等の過不足を精算するために、原則として確定申告が必要になります。ただし、受給者の負担を減らすために「確定申告不要制度」が設けられています。公的年金等の収入の合計額が400万円以下で、かつ対象の金額全額が源泉徴収の対象となっている場合に、確定申告を不要とする制度です。

つまり、確定申告不要制度の対象にならない、公的年金の収入合計が400万円を超える方は確定申告が必要ということになります。

公的年金受給者で年金以外の給与所得や個人年金が20万円を超えている

定年退職後に公的年金を受給する場合で、公的年金等の収入の合計額が400万円以下であっても、確定申告が必要になることがあります。公的年金以外の所得の合計が20万円を超えるような場合です。例えば、以下のようなケースが考えられます。なお、所得が複数ある場合には合算した金額で計算することに注意しましょう。

(公的年金等以外の所得が20万円を超える例)

  • 年間のパート収入が84万円(月7万円)ある場合

給与所得控除55万円で給与所得が29万円になるため、公的年金以外の所得が20万円を超えます。

  • 個人年金の収入が100万円(うち対応する払込保険料70万円)ある場合

個人年金の収入100万円に対して必要経費が70万円であるため、公的年金以外の雑所得は30万円になります。

  • 株式の配当収入が50万円(株式取得にかかわる借入金はなし)ある場合

配当所得50万円で、公的年金以外の所得が20万円を超えます。

  • 生命保険の満期保険金として500万円(うち対応する払込保険料400万円)を受け取った場合

生命保険にかかわる一時所得は、収入金額500万円から、収入を得るために支出した400万円を差し引き、さらに特別控除額の50万円を差し引いた50万円です。

所得控除や税額控除を受けたい場合

公的年金等の確定申告不要制度の対象であっても、所得控除や税額控除を受けて所得税の還付などを受けたいときは、確定申告をおすすめします。具体的には、以下のようなケースが想定されます。

  • 医療費の高額な出費があったため医療費控除を利用したい
  • 災害で損害を受けたため雑損控除を利用したい
  • 国や自治体などに寄付をしたため寄附金控除を利用したい
  • 株式の配当があったため配当控除を利用したい
  • 外国株式の配当があったため外国税額控除を利用したい
  • 政治資金団体に寄付をしたため政党等寄附金特別控除を利用したい
  • 公益社団法人に寄付をしたため公益社団法人等寄附金特別控除を利用したい
  • バリアフリーの工事をしたため住宅特定改修特別税額控除を利用したい

など

退職後に確定申告をしないとどうなる?

退職後に確定申告をしなければならない人が、納期限を過ぎても確定申告をしないままでいると、ペナルティとして本来の納税額に対して加算税を課されることがあります。

加算税とは、申告義務を適正に行わなかった場合に行政制裁として課される附帯税です。確定申告期限(個人の場合は原則として翌年の3月15日)までに申告をしない場合は、無申告加算税を課されることがあります。

無申告加算税が課されると、本来の納税額に以下の課税割合分が加算されます。

申告期限から1カ月以内に一定の期限後申告をした場合不適用
税務調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合5%
上記以外の場合50万円以下の部分10%
50万円超300万円以下の部分20%
300万円超の部分30%

仮装や隠ぺいにより申告をしなかったと認められる場合は、無申告加算税に代えて、40%の重加算税が適用されます。

また、所得税の納期限は、確定申告の期限と同じです。税務署から指摘を受けるなどして納期限に遅れた場合は、遅延分の利子として、延滞税(原則として、2カ月以内は7.3%、2カ月を経過した翌日以降は14.6%)も付加されます。

ほかにも、ローンを組むのに必要な所得証明書を発行してもらえないなどのデメリットもあるため、期限までに確定申告をするようにしましょう。

退職後の確定申告で必要な書類は「確定申告書(還付申告書)」のみ

確定申告については、個別で状況が異なります。

例えば、以下のようなケースにおいては、確定申告で提出が求められるのは確定申告書のみです。

  • 年度途中の退職で就職先が決まっていない場合
  • 定年退職で退職金を受け取った後に仕事をしていない場合
  • 定年退職後に公的年金のみ受給していてほかに所得がない場合

確定申告書とは、個人の場合は1月1日から12月31日の1年間の所得や納税額を税務署に申告するための書類です。原則として、翌年の3月15日までの提出が必要です。なお、税金の納め過ぎにより還付を受ける場合も、確定申告書を使って還付申告を行います。還付申告については、翌年1月1日から5年間は提出できます。

確定申告書の作成に必要な書類

確定申告書の作成に必要な書類は、申告する内容で異なります。

給与所得または退職所得がある場合は、勤務先(元勤務先)から発行された源泉徴収票の情報が必要です。公的年金による所得がある場合は、日本年金機構などから発行される公的年金等の源泉徴収票を用意します。以前は確定申告に添付が必要な書類でしたが、いずれの源泉徴収票も2019年4月以降は添付が不要となりました。

そのほか、所得控除や税額控除などを受ける場合は、申告に必要な情報が記載されている書類を用意しておく必要があります。例えば、医療費控除を申告する場合には、医療機関から発行を受けた領収書が必要です。申告内容によっては添付が必要になる書類もあるため、不安な場合は税務署に直接確認するか、税理士などに相談されることをおすすめします。

退職後の確定申告のやり方

退職後の確定申告の流れについて、簡単に紹介します。

申告書を作成する

源泉徴収票などの確定申告書の作成に必要な書類を準備し、確定申告書を作成します。確定申告書は、手書きで作成する方法のほか、国税庁の確定申告書等作成コーナーなどでも作成できます。

2025年1月からは、所得税のすべての画面がスマホで操作できるようになるため、スマートフォン専用の確定申告書等作成コーナーを利用するのもおすすめです。

管轄の税務署に確定申告書を提出する

作成した確定申告書は、申告する方の住所地を管轄する税務署に提出します。窓口に直接提出する方法のほか、郵送やe-Taxソフトなどを利用した提出もできます。スマートフォン専用の確定申告書等作コーナーの利用も便利です。マイナンバーカードをカメラで読み込むか、スマホ用電子証明書の利用申請(2025年1月以降対応)をすることで、手軽に申告できます。

税金の納付または還付

所得税の納付は、原則として、所得税の確定申告書の提出期限までに行わなければなりません。原則として、確定申告書の対象年の翌年3月15日までに納税します。

現金での納付のほか、口座振込やクレジットカード納付、スマートフォンアプリ決済などに対応しています。指定の口座から自動で引き落としをする振替納税を利用する場合は、4月中旬から下旬にかけて、指定の口座より納税額が差し引かれます。税金の還付は、おおむね3週間から1カ月半程度を目安に行われます。

確定申告のやり方・流れについての詳しい説明は、以下の記事をご確認ください。

退職後は状況に応じて確定申告が必要になる

退職後に確定申告が必要なケースがあります。例えば、年度途中で退職して再就職先が決まらない場合、定年退職後にパートで再就職をして一定の所得がある場合などです。状況によって確定申告の要不要が異なるため、今回ご紹介した内容を参考に、ご自身がどのケースに当てはまるかを確認してみましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

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