• 更新日 : 2025年1月7日

個人事業主は国からお金を借りることができる?貸付制度や融資審査の通過ポイントを解説

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2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ

▽提出期限

2025年2月17日(月)~ 2025年3月17日(月)

※上記は2024年/令和6年分の申告を行う期間です(参考記事はこちら

初心者から経験者まで、毎年多く読まれている記事です。確定申告の必要性、やり方、簡単に済ます方法についてまるっと解説しています。

個人事業主でも国からお金を借りることは可能です。用途に応じて調達先が異なるため、あらかじめ利用可能な調達先を把握しておくことが求められます。

本記事では、個人事業主が国からお金を借りられるのか、貸与制度や融資審査の通過ポイントなどに追記します。

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個人事業主は国からお金を借りることができる?

個人事業主でも国からお金を借りることは可能です。ここでは、国からお金を借りる方法を紹介します。主な方法は以下の2つです。

  • 日本政策金融公庫から借り入れる
  • 生活福祉資金貸付制度を利用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

日本政策金融公庫から借り入れる

国からお金を借りる方法の1つめが、日本政策金融公庫からの借入です。日本政策金融公庫とは政府100%出資の金融機関で、中小企業や個人事業主を対象に融資制度を提供しています。

政府系金融機関のため金利が低めに設定されているほか、借入期間も長いのが特徴です。融資の種類によっては担保や保証人が不要のケースもあります。

いっぽうで、融資審査が厳しく、多くの説明資料を用意しなければならないほか、自己資金もチェックされる点には注意が必要です。

さらに、融資開始までにある程度の時間が必要な点も理解しておきましょう。そのため、事前にしっかりと事業計画を立てて、計画的な融資申し込みが求められます。

生活福祉資金貸付制度を利用する

生活福祉資金貸付制度を利用する方法もあります。生活福祉資金貸付制度とは、都道府県の社会福祉協議会が資金の貸付けと必要な相談や支援を行う制度です。低所得者や高齢者、障害者などが安定した生活を送れるようにすることを目的としています。

制度によっては、無利子で貸してくれるものもあります。

事業資金の調達なら日本政策金融公庫の貸付制度

事業資金の調達なら日本政策金融公庫の貸付制度を検討しましょう。日本政策金融公庫が中小企業・小規模事業者を対象に実施している融資制度には、以下の3つの種類があります。

  • 一般貸付:事業を営むほとんどの業種の事業者が利用できる制度
  • 特別貸付:要件に当てはまる場合に相談できる制度
  • 生活衛生貸付:生活衛生関係の事業を営む人向けの制度

貸付制度の詳細

貸付制度の詳細について解説します。

<一般貸付>

一般貸付は、ほとんどの中小企業・小規模事業者が利用できる制度です。

融資制度一般貸付
融資限度額無担保融資:4,800万円

有担保融資:4,800万円(特定設備資金の場合は7,200万円)

返済期間設備資金:10年以内(特定設備資金の場合は20年以内)

運転資金:7年以内

引用:日本政策金融公庫 融資のご案内

<特別貸付>

特別貸付は、要件に当てはまる場合にのみ利用可能な制度です。要件は以下のとおりです。

  • 新たに起業する
  • 新事業活動に取り組む
  • 事業拡大や生産性向上等を図る
  • 事業承継やM&Aに取り組む
  • 社会的課題の解決を目的とした事業を営む
  • 海外展開を図る
  • 環境対策の促進を図る
  • 一時的な業況悪化に直面している
  • 事業再建を図る
  • 財務体質の強化を図る

ここでは、一例として以下の4つの場合について利用できる制度を解説します。

  • 新たに起業する
  • 新事業活動に取り組む
  • 事業拡大や生産性向上等を図る
  • 一時的に業況が悪化している

■ 新たに起業する

「新たに起業する」場合に制度を利用できるのは、以下の要件に該当する人です。

  • 新企業育成貸付ー新規開業資金を利用できる人
  • 女性または35歳未満か55歳以上の人
  • 廃業歴のある人
  • 中小会計を適用する人
融資制度新企業育成貸付 新規開業資金
融資限度額無担保融資:4,800万円

有担保融資:7,200万円(うち運転資金4,800万円)

返済期間設備資金:20年以内

運転資金:7年以内もしくは15年以内

引用:日本政策金融公庫 融資のご案内

■ 新事業活動に取り組む

経営多角化・事業転換などによって新たに第二創業を図る人を対象とした制度です。

融資制度新企業育成貸付 新事業活動促進資金
融資限度額無担保融資:4,800万円

有担保融資:7,200万円(うち運転資金4,800万円)

返済期間設備資金:20年以内

運転資金:7年以内

引用:日本政策金融公庫 融資のご案内

■ 事業拡大・生産性向上等を図る

事業拡大・生産性向上等を図る際に、融資制度を利用できるのは以下に該当する方です。

  • 卸・小売業
  • 食品関係等の製造小売業
  • 飲食サービス業
  • サービス業または一定の要件を満たす不動産賃貸業を営む人
  • 観光に関する事業を営み、生産性向上に向けた取り組みを行う人
融資制度企業活力強化貸付 企業活力強化資金
融資限度額無担保融資:4,800万円

有担保融資:7,200万円(うち運転資金4,800万円)

返済期間設備資金:20年以内

運転資金:7年以内

引用:日本政策金融公庫 融資のご案内

■ 一時的に業況が悪化している場合

外的要因(社会的、経済的環境の変化など)によって、一時的に売上が減少するなどして業況が悪化している人が利用できる制度です。

融資制度セーフティネット貸付 経営環境変化対応資金
融資限度額無担保融資:4,800万円

有担保融資:4,800万円

返済期間設備資金:15年以内

運転資金:8年以内

引用:日本政策金融公庫 融資のご案内

<生活衛生貸付>

生活衛生関連の事業(飲食店や理容室・美容室、旅館、クリーニング店など)を営む人が利用できる融資制度です。

融資制度一般貸付(生活衛生貸付)
融資限度額無担保融資:4,800万円

有担保融資:7,200万円~4億8,000万円(業種によって異なる)

返済期間設備資金:13年以内

運転資金:-

引用:日本政策金融公庫 融資のご案内

申し込みから受給までの手順

融資制度を受けるまでの手順を紹介します。主な手順は以下のとおりです。

  1. 相談
  2. 申し込み
  3. 面談
  4. 融資
  5. 返済

まずは、融資に関する相談を日本政策金融公庫に行います。融資の相談をする場合の方法は、以下の2パターンです。

  • 支店へ直接行く
  • 電話やインターネットで相談する

申し込みは、インターネットでの受け付けとなります。申し込みの際に必要な書類(電⼦データ)は以下のとおりです。

  • 個人営業の方:最近2期分の申告決算書
  • 設備資金を申し込む場合:見積書

はじめて制度を利用する人は、以下も必要です。

  • 創業計画書(新たに事業を始める人、または事業を開始して間もない人)
  • 企業概要書  ※創業計画書を提出する場合は不要
  • 運転免許証(両面)またはパスポート
  • 許認可証(許可・届出等が必要な事業を営んでいる人)

申し込み後、面談を実施します。面談では、資金の用途や事業状況(計画)などをヒアリングされるため、事業状況(計画)や資産・負債が分かる書類を用意しておきましょう。なお、面談はオンラインでも可能です。

面談後に審査が通れば、契約手続きの完了です。その後、融資金が金融機関の口座へ送金されます。

参考:日本政策金融公庫 融資のご案内

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生活資金の調達なら生活福祉資金貸付制度の貸付制度

生活資金の調達であれば、生活福祉資金貸付制度の利用を検討しましょう。生活福祉資金貸付制度には、以下の4種類の資金があります。

総合支援資金生活支援費:生活再建までに必要な生活費
住宅入居費:住宅の賃貸契約に必要な費用
一時生活再建費:生活再建のために一時的に必要かつ日常生活費でまかなうことが困難な費用
福祉資金福祉費:病気療養、生業の営みに必要な経費、住宅の増改築や補修などに必要な経費など
緊急小口資金:緊急かつ一時的に生計の維持が困難な場合に貸し付ける少額の費用
教育支援資金教育支援費:低所得者世帯の子どもが高校や高専、大学などに修学するために必要な経費
就学支度費:低所得者世帯の子どもが高校や高専、大学などへ入学する際に必要な経費
不動産担保型生活資金不動産担保型生活資金:低所得の高齢者世帯に対し生活資金を貸し付ける資金(一定の居住用不動産が担保として必要)
要保護世帯向け不動産担保型生活資金:要保護の高齢者世帯に対し、生活資金を貸し付ける資金(一定の居住用不動産が担保として必要)

次項では、総合支援資金について解説します。

参考:政府広報オンライン 生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。

対象となる世帯

総合支援資金の対象者は、貸し付けによって自立が見込まれる人で、さらに以下の要件にも当てはまる人です。

  • 低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業・収入の減少などによって生活に困窮していること
  • 公的な書類などで本人確認が可能であること
  • 現在住居のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること
  • 法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること
  • 社会福祉協議会などが貸付け及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること
  • 他の公的給付または公的な貸付けを受けることができず、生活費をまかなうことができないこと

引用:政府広報オンライン 生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。

申し込みから受給までの手順

総合支援資金の貸し付けを受給するまでの手順は、以下のとおりです。

  1. 相談
  2. 申請
  3. 審査
  4. 給付

担当窓口は、市区町村の社会福祉協議会です。窓口で手続きの説明と用紙を受けとったあと、申請書と必要書類を添えて提出しましょう。

審査後、貸し付けが決定される流れです。審査が通った場合、住宅入居費の貸付金は家主・不動産業者などの口座へ、それ以外の貸付金の場合は本人の指定口座に振り込まれるようになっています。

審査に必要な書類は以下のとおりです。

  • 総合支援資金の借入申込書(社会福祉協議会の窓口で交付されます)
  • 健康保険証および住民票の写し
  • 世帯の状況が明らかになる書類
  • 連帯保証人の資力が明らかになる書類
  • 求職活動などの自立に向けた取り組みについての計画書
  • 借入申込者が、他の公的給付制度または公的貸付制度を利用している場合、または申請している場合は、その状況が分かる書類(ハローワークが発行)
  • 借入申込者の個人情報を、総合支援資金の貸付けに必要な範囲において関係機関に提供することについて記載されている同意書
  • 住宅入居費の借り入れを申し込む場合の添付資料
    1. 入居する住宅の不動産賃貸契約書の写し
    2. 不動産業者の発行する「入居予定住宅に関する状況通知書」の写し
    3. 自治体の発行する「住居確保給付金支給対象者証明書」
  • 総合支援資金の借用書
  • その他、社会福祉協議会が必要とする書類

引用:政府広報オンライン 生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。

個人事業主が国からお金を借りるメリット・デメリット

個人事業主が国からお金を借りるメリット・デメリットを紹介します。

メリット

メリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 創業時でも融資を受けやすい
  • 返済の負担が少ない
  • 担保や保証人がなくても融資を受けられる

公的融資は新たに事業を始める人を対象とした融資が多いため、創業時でも融資を受けやすいのがメリットです。民間融資の場合、実績がないと創業前後に融資を受けることは難しくなります。

公的融資では創業時向けの融資制度も多く、民間融資に比べて審査に通りやすい面もメリットといえるでしょう。

さらに、公的融資は民間融資に比べて、低金利かつ返済期間も長めに設定されている点もメリットです。金利が低いほど返済額も減るため、負担を減らせます。また、返済期間が長いと毎月の返済額を減らせるため、余裕を持った返済計画を立てることが可能です。

さらに、公的融資では基本的に担保や保証人を設定しなくても融資を受けられます。保証人が原則不要のため、民間融資に比べて融資に申し込むハードルを下げられるでしょう。

デメリット

デメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 審査が厳しい場合がある
  • 融資までの時間が長い
  • 準備する書類が多い

公的融資は民間融資よりも審査が厳しい傾向にあります。民間融資では、信用度や返済能力などをもとに判断されますが、公的融資ではそれに加えて企業や事業の具体的な内容も判断材料です。その分、審査が民間融資よりも厳しい場合もあります。

融資を受けるまでの時間が長い点もデメリットです。公的融資の場合は審査期間が長く、資金調達までに1~3ヶ月ほどかかることも少なくありません。民間融資では、早ければ2週間ほどです。早く資金調達をしたい場合は、民間融資を検討しましょう。

公的融資を受けるために準備しなければならない書類が多い点もデメリットです。事業の合間に、提出書類を用意することは負担になるため、計画的に進めることをおすすめします。

個人事業主が融資審査を通りやすくするポイント

個人事業主が融資審査を通りやすくするポイントを3つ紹介します。

  • 開業届を提出している
  • 確定申告をしている
  • 自己資金を準備している

開業届を提出している

開業届を提出していないと個人事業主として認められないため、融資を受けられる範囲が狭くなってしまいます。開業届を提出していない場合はフリーランスとして扱われます。

フリーランスではビジネスローンなどのサービスを利用できず、融資を受けられる方法が限定的になってしまうため、間口を広める意味でも、開業届を提出するようにしましょう。

確定申告をしている

確定申告はその年の収支を決めるものとして活用されるため、確定申告は融資を受ける意味でも重要です。

確定申告をしておくことで得られるメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 収支を判断して経営状況の判断を受けられる
  • 収支報告に関連する書類を提出できる
  • 毎年の経営に問題がないことをアピールできる

融資を受けるには、安定した経営状況が欠かせません。確定申告を提出して安定して事業を展開していることを示せれば、融資につながる確率が上がるでしょう。

また、融資を受ける際には収支報告に関連した書類か、収入を確かめられる書類が必要ですが、提出書類として確定申告書が利用できます。

自己資金を準備している

審査に通りやすくするうえでは、自己資金を準備しておくことも重要です。自己資金を準備しておくことのメリットは、以下のとおりです。

  • 安定した経営を支えられる
  • 経営状況が良好であることを示せる
  • 融資を受ける際の返済能力を示せる

自己資金が準備できていれば、経営状況が良好であると判断できます。また、自己資金があれば返済能力が高いと判断されるケースも高いため、審査が通る可能性が高まるでしょう。

個人事業主でも国からお金を借りられる

個人事業主でも国からお金を借りることは可能です。まずは、日本政策金融公庫からの借り入れや生活福祉資金貸付制度の利用を検討しましょう。

事業資金の調達であれば、日本政策金融公庫の貸付制度があります。融資審査を通りやすくするうえでは、開業届の提出や確定申告の実施、自己資金の準備などが欠かせません。本記事を参考にしっかりと対策をして、融資制度を利用できるように準備しましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

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