- 更新日 : 2025年1月7日
個人事業主のキャッシュレス決済導入おすすめ5選!選び方や経費処理を解説
キャッシュレス決済とはクレジットカードやQRコード、電子マネーによる決済方法です。
現金を使用しない決済手段に対応すると売上の増加につながるほか、会計や売上の管理に伴う業務の削減を期待できます。個人事業主がキャッシュレス決済を導入するメリット・デメリット、おすすめの決済サービスのランキングを紹介します。
目次
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個人事業主もキャッシュレス決済を導入できる?
法人化していない個人事業主でもキャッシュレス決済を導入できます。主な方法は、クレジットカード決済・QRコード決済・電子マネー決済の3種類です。導入サービスの決定後、決済代行会社やサービス提供会社と契約を交わして利用を申請します。
個人事業主は信用力の観点から審査に通過する難易度が高い傾向がみられます。本人の信用力以外に、個人事業の継続年数や財務状態も審査事項に含まれるためです。
一般的に、個人は法人と比べてビジネスの規模が小さい傾向があり、資金力に乏しいため審査で不利に働く傾向があります。しかし、売上が高く何年も安定した利益を確保できている方は例外です。
個人事業主のキャッシュレス決済おすすめ5選!
巷には数多くのキャッシュレス決済サービスが溢れています。自分に合ったものを選ぶと、導入後に後悔する可能性が低くなるでしょう。
個人事業主が使いやすいリーズナブルな決済サービスを中心に紹介します。
Square(スクエア)
特徴 |
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費用 | 決済端末(POS)の購入料金が0円〜最大84,980円 |
審査のスピード | QRコードの審査・承認は通常申請から30日以内 |
入金サイクル | みずほ銀行、三井住友銀行は翌営業日、その他の金融機関は毎週金曜日に入金 |
Squareは最短決済開始日が承認当日、翌営業日の入金が可能というスピード感が強みの決済代行サービスです。決済端末の料金は料金プランのグレードに応じて異なり、無料でも売上管理機能が付帯したPOSレジを使えます。
Squareは新規契約者やキャッシュレス決済の利用料金が低い顧客に、手数料を割引する仕組みがあります。例えば、年間キャッシュレス決済金額が3,000万円未満の事業主、または新規加盟店はVISA・Mastercardの対面決済手数料を2.5%、その他の決済手段を3.25%で利用可能です。
料金を抑えたい方や利用開始までのスピード感、早い入金サイクルを期待する方におすすめです。
参考:Square
STORES(ストアーズ)
特徴 |
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費用 | 【通常料金プラン】
【中小支援プラン】
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審査スピード |
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入金サイクル | 【手動入金】
【自動入金】
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STORESは、クレジットカード決済で業種別割引料率の適用がある点が特徴です。医療業界では1.50%、理容室・床屋・クリーニングでは2.48%まで負担を抑えられます。
ほかにもゴルフ場やアウトドア施設、ゴルフ練習場、整骨院・接骨院などさまざまな業種で特別料率の適用があります。申し込みから加盟店審査を経て決済端末の送付を受けるまで、最短3営業日のスピード感も魅力です。
参考:STORES
AirPAY(エアペイ)
特徴 |
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費用 |
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導入スピード | 申し込みから2週間程度 |
入金サイクル | 月6回、または3回 |
AirPAYは、iPadまたはiPhoneに搭載したアプリと専用カードリーダーを使用した決済代行サービスです。クレジットカード決済から、交通系電子マネー、タッチ決済・QR決済にいたるまで、幅広い決済手段に対応しています。
また、操作性に優れたUIが特徴で、誰でもミスなく簡単に会計や売上管理の業務をこなせる利便性が高いサービスです。軽減税率にも対応しているため、打ち間違いや計算ミスに悩む心配もありません。
Airレジで会計を済ませるとデータが自動で集計され、利用者は日別・商品別の売上グラフを確認できます。手作業による煩雑な会計処理から逃れられるでしょう。
参考:AirPAY
PayPay(ペイペイ)
特徴 |
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費用 |
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導入スピード |
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入金サイクル |
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PayPayは利用者が多く、使い勝手に優れたシェア率の高い決済代行サービスです。審査完了後に送付されたQRコードを店頭に設置するだけで、手軽に決済を始められます。
加盟店管理ツールのPayPay for Businessでは、リピーターの獲得に役立つクーポンやスタンプカードの発行が可能です。マーケティングの推進機能を備え、集客の強化にまで使えるのは魅力だといえます。
PayPayは導入ハードルが低めのため「キャッシュレス決済を導入したいけど仕組みがよくわからない」「お客様からPayPayは使える?」と聞かれる機会が多い事業者におすすめします。
参考:PayPay
stera pack(ステラパック)
特徴 |
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費用 | 【お試しプラン】
【スモールビジネスプラン】
【スタンダードプラン】
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導入スピード | 申し込み完了から約2週間~2ヶ月 |
入金サイクル | 最短5日に1回 |
stera packは、店舗の空間やオペレーションにゆとりをもたらす、快適な決済代行サービスです。コンパクトながら多様な機能を備えた、オールインワン端末のstera terminalを使用します。
一般的なカードリーダーや非接触決済対応のタッチ決済機能から、自動音声案内や暗証番号のぞき見機能にいたるまで、機能が充実しています。また、お客様側の操作が簡単でお手軽です。
決済方法の選択・金額、支払方法の確認、決済ボタンの押下の3ステップで完了します。
参考:stera pack
個人事業主がキャッシュレス決済を導入するメリット
個人事業主がキャッシュレス決済を取り入れるメリットは、以下のとおりです。
- 売上の増加が期待できる
- 会計や売上管理を効率化できる
ここから、それぞれの内容を解説します。
売上の増加が期待できる
色々な決済手段に対応できれば、顧客の支払方法に左右されずに売上が増加します。手持ちの現金がなく、クレジットカードのみのお客様でも、気兼ねなく購入できるためです。
所持金や口座残高を上回る買い物もためらわず行う人が増え、関連商品の抱き合わせ購入やついで買いも増えます。また、ポイントやクーポン機能を使用することで購買意欲が高まり、客単価が向上する効果も期待できます。
キャッシュレス決済はサブスクリプションや継続決済との相性も良く、効率的に顧客単価を高めることが可能です。オンラインショップや会員サイト経由で流入したお客様を逃さず、リピーターに育て上げれば、客単価の向上にもつながります。
会計や売上管理を効率化できる
キャッシュレス決済はおつりが発生せず、決済時の処理もワンタッチでスピーディーに済みます。サービスの提供から会計・商品管理まで一手に担う個人事業主の人手不足を解消する優れた決済手段です。
さらに、POS端末に付帯した保存データを活用して売上管理や在庫管理が容易になる効果もあります。紙の帳簿や会計ソフトに一から記入する手間が省け、確定申告や仕訳作業の時短にもつながります。
個人事業主がキャッシュレス決済を導入するデメリット
キャッシュレス決済には、デメリットも存在します。ここでは、個人事業主がキャッシュレス決済を取り入れる際の、デメリットを2つ紹介します。
決済手数料がかかる
キャッシュレス決済は、決済手数料がかかる点がデメリットです。お客様の決済1件ごとに、購入金額に応じた手数料が発生します。さらにオンライン決済では、データ処理にかかる手数料がかかる場合もあるため注意が必要です。
キャッシュレス決済の導入で見かけ上の売上が増えても、経費を控除した後の利益が減れば、個人事業主の収入は低下します。クレジットカード決済やQRコード決済を取り入れる際は、手数料の影響を踏まえた売上計画を立案した方がよいでしょう。
資金繰りに影響する場合がある
入金サイクルはサービスごとに異なります。支払頻度が低いサービスやプランを選んだ場合、キャッシュ不足に陥る可能性があるでしょう。
個人事業主や中小企業の経営者は、日々の運転資金を当月の売上から捻出する自転車操業状態に陥っているケースも珍しくありません。サービス事業者に納付する決済手数料の負担を考慮すると、入金のタイミングが少ない、または遅いと財務状態に悪影響を及ぼす可能性もあります。
特に現金不足の場合、店舗の賃貸料や仕入れコストの支払を迫られると、資金繰りが悪化し、最悪の場合、黒字倒産につながるため注意しなくてはなりません。
個人事業主がキャッシュレス決済を導入する際の注意点
キャッシュレス決済の導入を試みても、うまくいかない場合があります。ここでは、個人事業主がキャッシュレス決済を導入する際の注意点を解説します。
個人事業主は加盟店審査が難しい場合がある
信用力に乏しい個人事業主は、審査に不利になる場合があります。加盟店審査では事業形態のほか、年数や売上高もチェックするためです。
審査を申し出たところ「うちでは個人事業主の決済は取り扱っていない」と門前払いを受ける可能性もあります。
不安な場合、同業種・同事業形態で審査実績に優れる決済代行サービスを利用することが有効です。
料金や手数料の確認をする
個人事業主がキャッシュレス決済を導入する際には、初期費用や決済手数料を踏まえ、費用対効果を試算することが重要です。例えば、導入時に端末の購入費や発送代、レシートの費用を請求される可能性があります。
また、セキュリティ管理やアフターサポートなどのオプションをつける場合、月額利用料が生じる場合もあります。有料プランの契約後は毎月一定の費用が発生するため、売上が少ない月は、資金繰りの悪化を引き起こさぬよう注意が必要です。
契約や解約条件の確認をする
審査に必要な書類や審査完了までの期間は、サービスごとに異なります。短期解約の場合、解約違約金を請求されるサービスもゼロではありません。
月額料金が発生するプランの場合、解約日が月の途中でも解約月分までの利用料金の負担が必要です。
例えば、PayPayのマイストアライトプラン・制限プランでは、月の途中に解約した場合でも1ヶ月分の月額料金の負担が避けられません。
入金サイクルを確認する
キャッシュレス決済の完了後、店舗の口座に売上が入金される期間を示した入金サイクルの確認も必要です。PayPayは原則月1回、Squareは最短翌営業日など、サービスごとに変動します。
一定の期間ごとにまとめて振り込まれる方法と、こまめなスパンのいずれが良いか希望を明らかにしなくてはいけません。毎月の売上が安定せず、資金繰りが不安定な個人事業主は、入金頻度が高いサービス・端末がおすすめです。
決済端末以外に必要機器はないか
決済端末以外に、POSレジ・プリンター・タブレットなど各種機器が必要になる場合があります。また業種や売上規模によっては他の機器や端末との連携が欠かせないケースも考えられます。
必要な機器が増えれば当然、調達コストも増して初期費用の増大が避けられません。設置場所が狭い・面倒な手続きは避けたいなどの方は、すべてが1つに備わったオールインワンタイプの決済端末つきサービスの導入が一つの方法です。
通信環境は良いか
キャッシュレス決済を導入する場合、良好な通信環境を自分で整える必要があります。電波の状態が悪いとスムーズに決済できず、お客様に迷惑がかかります。
自宅店舗や雑居ビルでもスムーズに決済できるよう、4G対応、またはWi-Fi対応タイプがおすすめです。
なお、MVMO(携帯電話会社の通信回線を借り受け、格安の通信サービスを提供する事業者)を利用した電話回線や公共の場のフリーWi-Fiは、通信速度の関係から利用を控えたほうがよいでしょう。
個人事業主のキャッシュレス決済会社の選び方
キャッシュレス決済会社を選ぶ際に重視したいポイントは、以下のとおりです。
- 対応可能な決済サービスの多さ
- 決済端末の種類(据え置き型かポータブルか)
- 既存のシステムと連携させる場合は互換性があるか
多くの顧客ニーズに対応するためには、複数の決済サービスに対応したサービスを選択することが必要です。クレジットカードの主要ブランドやQRコード、電子マネーなど、豊富な決済手段が使えるかどうかを確認しましょう。
また、決済端末を有線でつなぐ据え置き型か、無線のポータブル型のいずれが適切か考える必要があります。
前者は通信の安定性や紛失しにくさ、価格の高さが特徴で、後者は持ち運びに便利で安価な傾向にあります。ただしポータブル型を採用する場合、Wi-Fi環境の整備が必要です。
また意外と盲点になりがちなポイントとして、普段使用している既存の端末との互換性が挙げられます。外部の機器と連携が可能でも無条件に何でも良いとは限らないため、お店にある機器と接続できるか確認しましょう。
個人事業主のキャッシュレス決済手数料は経費になるか
キャッシュレス決済の導入費や決済手数料は経費に計上して問題ありません。勘定科目は「支払手数料」を使用するケースが一般的です。
支払手数料は各種サービスの利用手数料以外にも、クレジットカードの発行手数料、銀行の振込手数料、解約手数料の記録にも使用されます。
金額が小さいときや発生頻度が少ないときは、キャッシュレス決済手数料を雑費で処理しても問題ありません。決算処理で他の微小な費用とまとめて雑費に一元化できるため、業務の負担軽減の観点から有意義です。
キャッシュレス決済は個人事業主の人手不足を解消できる
キャッシュレス決済を導入すれば煩雑な売上の管理や決済時の処理から逃れられます。QRコードやクレジットカード、電子マネーに幅広く対応することで、顧客一人ひとりのニーズにしばられず購入機会の増加につながります。
ただし個人事業主は信用力や財務状態の観点から審査に通過しにくい側面があるのも事実です。個人やフリーランスの利用実績が多いサービスを使うことで通過率の向上を期待できるでしょう。
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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