- 更新日 : 2023年12月19日
ミュージシャン向け確定申告の書き方!経費にできるものも解説
ミュージシャンとひと口にいってもバンドマンや歌手、インディーズバンドや楽団などさまざまです。また、働き方も本業や副業、アルバイトといった形があり、同じミュージシャンでも確定申告の必要性や提出書類が異なります。
そこで今回は、ミュージシャンの確定申告書の書き方や経費について詳しく解説するとともに、確実な確定申告を行うためのおすすめ確定申告ソフトもあわせて紹介します。
目次
「マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに書類を作成。そのままスマホから提出することもできます。
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ミュージシャンと確定申告
ミュージシャンの確定申告は、当日払いの報酬である、いわゆる「とっぱらい」などが存在するため、収入に関する書類集めが大変なこともあります。基本的には他の業種と同じく、領収書や請求書、所得控除に関する書類を保管しておく必要があります。ここでは「本業」「副業」「アルバイト」の3つの観点から、ミュージシャンが確定申告をする際の手順や申告書の書き方などを解説します。
確定申告とは?ミュージシャンに必要?
確定申告とは1月から12月まで1年間の所得金額から税金を計算して、その結果を税務署に提出する作業のことです。同じミュージシャンであっても、収入の得方や金額によって、確定申告の有無が異なります。
また、楽器は減価償却として経費に計上できるなど、ミュージシャンならではの特徴があります。ここではそれぞれの特徴について詳しく解説します。なお、確定申告に関する詳細は以下の記事を参考にしてください。
本業がミュージシャンの場合
本業をミュージシャンとして収入を得る場合、原則として確定申告を行う必要があります。これはミュージシャンに限ったことではなく、1年間の所得金額が48万円を超える場合は、確定申告を実施して納税しなければなりません。税金を期日までに支払わなければ、延滞税が加算され税負担の増加につながるため注意しましょう。
副業でミュージシャンをしている場合
会社員の傍ら、副業でミュージシャンをしている場合、とっぱらいを含めた所得金額によって、確定申告の有無が異なります。副業の所得金額が年間で20万円を超えると、確定申告の義務が発生します。一方、ミュージシャンとしての所得金額が年間20万円以下の場合は、所得税の確定申告をする義務はありません。ただし、住民税の確定申告が必要となる点には注意が必要です。
アルバイトと掛け持ちをしている場合
主にアルバイトで生計を立てているミュージシャンの場合は、アルバイト先で年末調整が行われていれば、基本的に確定申告は必要ありません。ただし、普段は会社員として働き、アルバイト(副業)としてミュージシャンを掛け持ちしている場合には、その所得金額が20万円を超えると確定申告が必要になるため注意しましょう。
確定申告の書き方と手順
ミュージシャンの確定申告を行う際には、確定申告書 第一表には住所や氏名、所得、税金などの情報を正確に記載します。記入しなければならない項目が複数あるため、間違わないように注意が必要です。
確定申告書 第一表の書き方
出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁、申告書第一表・第二表【令和5年分以降用】を加工して作成
1.住所や氏名
住所や氏名は正確に記入しましょう。個人番号欄にはマイナンバーを記載します。職業欄には「ミュージシャン」や「音楽家」と記入してください。
2.収入金額等
ここには収入を記載します。フリーランスのミュージシャンとして得た収入の場合は「営業等(ア)」に記入。アルバイトとして給与を受け取った場合は「給与(オ)」に記入してください。
3.所得金額等
青色申告・白色申告ともに「青色申告決算書」もしくは「収支内訳書」に記載した所得金額を転記します。所得とは、収入金額から楽器や機材といった必要経費を差し引いた儲けのことです。
なお、青色申告で「青色申告特別控除」を受ける場合は、控除額を差し引いた後の所得金額を記入してください。
4.所得から差し引かれる金額
「適用できる控除」がある場合は、漏らすことなく記入します。基礎控除は所得が2,400万円以下の場合、48万円の控除を受けることが可能です。ただし、所得が2,400万円を超える場合は、段階的に減額され2,500万円を超えると0円になります。
また、仕事で使った請求書や納品書、見積書を参考に、必要経費の合計額を記入しましょう。また、社会保険料控除や医療費控除や生命保険料控除などがある場合は、各控除証明書を参照しながら金額を記入してください。これらの控除証明書は、確定申告時に添付する必要があります。
なお、ミュージシャンの請求書・納品書・見積書については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご確認ください。
5.税金の計算(所得税)
実際に納める所得税を計算します。(30)の欄へ算出した「課税される所得金額」を記入し、その金額にかかる税額を求めて(31)の欄へ記入してください。
(31)の欄に記入する金額は、所得ごとに5%~45%の範囲で税率が、0円~479万6,000円の範囲で控除額が変動します。
6.修正申告
令和4年分の様式変更で新たに追加された欄です。修正申告により実際に納めるべき税額が、当初提出した確定申告より多かった場合に、増加する税額を記入します。なお、修正申告を法定期限内に行う場合には、この欄は使用することができませんので注意してください。
7.その他
用紙の右下の「その他」欄へは「青色申告特別控除額」「繰越損失額」などの金額を記入します。結婚されている場合は「配偶者の所得」も記入しましょう。
8.延納の届出
何らかの原因によって、申告期限までの納税が難しい場合は「延納の届出」に延滞理由を記載します。
9.還付金の受取口座
所得税の還付が発生する場合は、還付分の税金の振り込みを希望する口座情報を正しく記入してください。
なお、ミュージシャンの確定申告に関する手順については、以下のページで詳しく解説していますので参考にしてみてください。
とっぱらいが発生した時は?
ライブハウスなどへの出演後に「とっぱらい」が発生した場合は、可能な限り領収書を書き、控えを手元に保管しておきましょう。
請求書や領収書をお願いできない場合も、自分自身で書いておき、控えを手元に残しておくようにしてください。ミュージシャンの請求書の書き方については、次のページで詳しく解説しています。
ミュージシャンが経費にできるもの
スタジオ代や楽譜など、音楽活動に使用した費用はすべて経費として計上可能です。ミュージシャンが経費にできる費用の例は、次の通りです。
- 楽器の購入費や修理代
- ツアーでの移動に使った電車やタクシー代
- ツアー中の宿泊代
- 仕事の打ち合わせに要した飲食代
- 楽器に必要な電池代
- 仕事で使うパソコン購入費
など
機材や楽器は経費計上できますが、価格が10万円以上の場合は、その年に一括計上するのではなく「減価償却資産」として複数年に分けて計上する必要があるため注意が必要です。
例えば、楽器は5年に分割、機材車として利用した自動車は4年に分割して経費計上します。他にも自宅マンションの1室を音楽活動専用の部屋にしている場合は、家事按分して一部を経費として計上できます。
確定申告を確定申告ソフトでカンタンに
ミュージシャンが確定申告や税金対策を簡単に行うためには「マネーフォワードクラウド確定申告」をおすすめします。日々の記帳や確定申告に必要な書類を自動作成できます。
多くの金融機関やサービスと連携しており、明細の取得も自動で実施可能です。さらに、取得した明細をAIが判別して、正確な仕訳まで行ってくれます。
作業負荷が高い仕訳の簡素化は、忙しいミュージシャンにとっても嬉しい機能だといえるでしょう。確定申告に必要な書類が自動で作成され、e-Taxでの申告にも対応しています。
ミュージシャンや音楽家の確定申告について正しく理解しよう
ミュージシャンにとっても、経費の管理や確定申告の知識は必要不可欠です。ただし、すべての関連情報を理解するのは難しいと思われるため、日々の記帳から確定申告に必要な書類までを自動作成できる確定申告ソフトを有効活用しましょう。
確定申告にかかる作業の効率化を実現し、本業である演奏や練習により多くの時間を割くことが可能になります。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得
銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案
自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能
白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
追加料金なしで確定申告以外のサービスが使える
有料プラン(パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス)に登録すると、基本料金だけで請求書や契約のサービスを含む11サービスを利用することができます。日々の業務や作業をまとめて効率化しましょう。
合わせて読みたいおすすめ資料
マネーフォワード クラウド確定申告では、さまざまなお役立ち資料を用意しています。 無料登録するだけで資料がダウンロード可能なので、ぜひ読んでみてください。会社員の確定申告 丸わかりガイド
青色申告1から簡単ガイド
個人事業主が知っておくべき経費大辞典
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
もっと読むよくある質問
ミュージシャンは確定申告が必要?
音楽が本業の場合は48万円以上、他に本業がある場合は20万円以上の所得があれば、確定申告が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
ミュージシャンが経費にできるものとは?
ミュージシャンとして仕事に使っているものは経費になります。楽器代やライブハウスのレンタル費用、ツアー先の宿泊代、関係者との打ち合わせに使った飲食代などは経費計上できます。詳しくはこちらをご覧ください。
とっぱらいがおきたときの対応方法は?
領収書を書いて、控えを保管しておきましょう。領収書の受け取りを断られた場合も、書いて保管しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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