- 更新日 : 2023年11月29日
EC・ネットショップを運営する小売業者は確定申告が必要?やり方や経費を解説
EC・ネットショップを運営する小売業者は原則、税務署に確定申告を行う必要があります。そのため、確定申告ソフトで帳簿付けをしたり、税理士に依頼したりして確定申告を行います。
しかし、EC・ネットショップの運営を個人事業主として行っている場合と、会社員の副業として行っている場合で確定申告の取り扱いが異なるケースもあります。ここでは、EC・ネットショップを運営する小売業者の確定申告のやり方や青色申告と白色申告の違い、経費などについて解説します。
目次
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EC・ネットショップを運営する小売業者は確定申告が必要?
はじめに、EC・ネットショップを運営する小売業者は確定申告が必要かどうか、ケース別に見ていきましょう。
そもそも確定申告とは?
そもそも確定申告とは、個人が1年間の収入金額や所得金額、税金の金額などを税務署に申告することをいいます。
所得税は住民税や固定資産税などのように、国や自治体が税額を決定する賦課課税方式ではありません。あくまで、自分で税額を計算し、申告・納税を行う申告納税方式になっています。そのため、1年間に収入があった個人は原則、確定申告が必要となります。
ただし、勤め先で年末調整を行っている会社員のように、確定申告が必要のない個人もいます。
個人事業主としてEC・ネットショップを運営している場合
個人事業主としてEC・ネットショップを運営している場合は原則、確定申告が必要です。
ただし、赤字のように納める税金がない場合は、確定申告をしなくても良いことになっています。
しかし、確定申告をしないと、青色申告の特典が受けられない、収入や所得を証明するものがないため、融資を受けられないなどのデメリットも多く、基本的には、すべての個人事業主は確定申告を行います。
会社員が副業でEC・ネットショップを運営している場合
会社員が副業でEC・ネットショップを運営している場合も、基本的には、確定申告が必要です。しかし、給与所得者の副業は所得金額が20万円以下(他に副業がない場合)であれば、確定申告は不要です。
ここでいう20万円とは、収入(売上)金額でなく、売上高から売上原価や必要経費を差し引いた所得金額なので、注意しましょう。
青色申告と白色申告の違いは?
原則、確定申告は白色申告ですが、事業としてEC・ネットショップを運営している場合は、青色申告を選択することもできます。
白色申告は、簡易な方法で帳簿付けが可能ですが、青色申告のように納税者に有利な特典はありません。
一方、青色申告では、白色申告よりも複雑な方法で帳簿付けをする必要がありますが、青色申告特別控除や赤字の3年間繰り越しなど、節税につながる納税者に有利な特典を受けることができます。ただし、青色申告をする場合には、事前に税務署に届け出が必要です。
確定申告や青色申告・白色申告の詳細については、次の記事で詳しく解説しています。
こちらを、ご参照ください。
EC・ネットショップ運営の確定申告のやり方は?
ここからは、EC・ネットショップ運営の確定申告のやり方について見ていきましょう。
領収書などの必要書類を揃える
確定申告をするためには、まず必要書類を揃える必要があります。主な必要書類は、次のとおりです。
- 領収書や請求書、売上金額の分かる書類
1年間の収入金額や必要経費の金額を計算するために必要。税務署への提出は不要 - 確定申告書 第一表、第二表
- 青色申告決算書(青色申告の場合)または収支内訳書(白色申告の場合)
確定申告書や青色申告決算書、収支内訳書は国税庁のサイトからダウンロードで入手することもできます。 - 各種控除の証明書
生命保険や地震保険など、控除を受けるための証明書(ハガキで郵送されてくる場合が多い)が必要です。 - 源泉徴収票(会社員の場合 税務署への提出は不要)
確定申告書を作成する
必要書類がそろったら、確定申告書を作成します。確定申告書の作成は手書き、会計ソフトによる作成、国税庁の確定申告書等作成コーナーの利用などによって行います。
期限までに税務署に提出する
確定申告は原則、翌年2月16日から3月15日までに行う必要があります。納税についても同じ期間に行います。
確定申告書の提出は、税務署の窓口や郵送、e-Taxなどの方法で行います。期限に間に合わないと、ペナルティが課される可能性もあるので、必ず、期限までに提出しましょう。
EC・ネットショップ運営の確定申告をスムーズに行うポイントは?
次に、EC・ネットショップ運営の確定申告をスムーズに行うポイントについて見ていきましょう。
経費になるものを把握しておく
確定申告をスムーズに行うポイントのひとつが、経費になるものを把握しておくことです。
経費になるものを忘れずに計上することで、納める税金を抑えることができます。
特に個人の場合、プライベートの支出と事業の支出が混在していることもあるので注意が必要です。EC・ネットショップ運営において経費になるものには、次のようなものがあります。
自宅をオフィスにしている場合、水道光熱費や家賃は作業時間、仕事場の面積などの基準で事業用と家事用に按分する必要があります。これを家事按分といいます。
毎月の帳簿付けを行う
確定申告では、1年間の収入や必要経費の金額を計算したり、帳簿を作成したりする必要があります。しかし、確定申告時期に1年分の帳簿を作成するとなると、時間や手間がかかります。状況によっては、本業にかける時間を割いてまで、確定申告の時間を作る必要も出てきます。
また、急いで確定申告をすると、計算間違いや記入漏れなどが出てくる可能性もあります。
確定申告時期に急がなくてもよいように、帳簿付けを毎月行う方がよいでしょう。
税理士に依頼する
本業が忙しく、確定申告にかける時間がない場合は、税理士に確定申告を依頼します。手数料はかかりますが、本業に専念でき、正しい申告を行うことができます。
会計ソフトを使用する
会計ソフトを使用することも、確定申告では重要なポイントのひとつです。会計ソフトの中には、ソフトをインストールしなくても、インターネット環境があれば、どこでも利用できるクラウドのものも多くあります。しかも、簿記が分からなくても入力できる会計ソフトも多いです。
自社で会計ソフトを利用するメリットとして、毎月の経営成績を把握できることもあります。経営成績をリアルタイムで把握することで、今後の戦略を考えることも可能です。
クラウドの会計ソフトでは、マネーフォワード クラウド会計がおすすめです。マネーフォワード クラウド会計では、銀行・クレジットカード・電子マネーなどと連携し、日々の取引データを自動取得、仕訳として自動で入力します。
また、ワンクリックで決算書を自動作成するので、経営状況をリアルタイムに見える化できます。マネーフォワード クラウド会計については、次のページをご参照ください。
小売業者が確定申告をしないとどうなる?
小売業者が確定申告をしないと、次のようなデメリットがあります。
税務署によるペナルティ
確定申告をしないと、税務署から延滞税や無申告加算税などのペナルティが課されます。
悪質な場合は脱税とみなされ、逮捕される可能性さえあります。
融資を受けることができない
銀行などの金融機関から融資を受ける場合は、確定申告書の控えの提出が求められます。確定申告をしていないと、いざ資金が必要になった場合に融資を受けることができません。
取引先から確定申告書の提示を求められることも
今は少なくなりましたが、以前は取引先から確定申告書の提示を求められることは多くありました。今でも、取引先によっては確定申告書の提示を求められることもあります。確定申告をしていないと、大事な取引先と取引ができない可能性もあります。
EC・ネットショップ運営で所得が増えたら法人化も検討しましょう
実は、個人と法人では所得に対する税率が異なります。個人の場合、所得が高くなるほど税率(5~45%)も高くなります。法人の場合は原則、一律または2段階です。普通法人の場合は高くても23.20%です。
そのため、所得が大きくなると、法人にしたほうが納める税金が低くなります。EC・ネットショップ運営で所得が増えてきたら、法人化も検討するようにしましょう。
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EC・ネットショップを運営する小売業者は確定申告をしよう!
EC・ネットショップを運営する小売業者は、原則、確定申告が必要です。確定申告をしないと、国税庁からのペナルティがあるだけでなく、融資を受けることもできません。
確定申告をするためには、帳簿付けや確定申告書の作成などの手間がかかりますが、確定申告ソフトを利用すれば、大幅に手間を削減することができます。確定申告ソフトを利用し、忘れずに確定申告を行いましょう。
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データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
もっと読むよくある質問
EC・ネットショップを運営する小売業者は確定申告が必要?
原則、確定申告は必要です。しかし、副業であるなど一定のケースでは確定申告が不要なこともあります。詳しくはこちらをご覧ください。
EC・ネットショップ運営の確定申告のやり方は?
領収書などの必要書類を揃え、確定申告書を作成し、期限内に税務署へ提出します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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