- 更新日 : 2023年2月15日
ピアノ教室の確定申告はいくらから?必要書類や経費の扱いまで解説
個人事業主としてピアノ教室を経営している人は、確定申告が必要になるケースがあります。事業所得や副業、勤務先での収入がある場合は、必要書類を用意したうえで確定申告の手続きをしましょう。
今回はピアノ教室の経営者向けに、確定申告の基本と経費として計上できる項目や扶養の対象になるための基準などを解説します。
目次
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ピアノ教室の先生は確定申告が必要?
ピアノ教室の先生として働いている場合には、確定申告が必要になるケースがあります。
例えば「ピアノ教室の経営で事業所得があった人」や「年金や副業による雑所得があった人」「給与所得があった人」が対象です。そのため、ピアノ教室以外で所得があった場合にも確定申告が必要だと覚えておきましょう。
一方で確定申告が不要なケースも存在します。ピアノ教室以外に勤め先があり、そこで給与所得について年末調整を受ける場合には、次のようになります。
- ピアノ教室の所得(事業所得または雑所得)が20万円未満 → 確定申告は不要
- ピアノ教室の所得(事業所得または雑所得)が20万円以上 → 確定申告が必要
2の場合には、給与所得についても源泉徴収票をもとに合わせて申告します。
なお、ピアノ教室の所得を計算し、納付すべき所得税がない場合には確定申告しなくても問題ありません。
確定申告が必要かどうかは、自分の所得金額や年末調整の有無によって変わってくるため、申告時期になる前に自分で確認しておくとよいでしょう。
そもそも確定申告って何?
確定申告とは1年間の所得に応じてかかる税金を計算し、納税額を申告するものです。ここでいう所得は給与だけでなく、不動産所得や副業の所得など個人の所得が対象となります。
これらの所得から納税額を計算し、税務署にて申告、納税をしなければなりません。納税期間である2月16日から3月15日までの間に申告ができなかった場合、ペナルティとして延滞税や無申告加算税が発生するため注意しましょう。
確定申告には「事前申請が必要ない通常の白色申告」と「日々の取引を帳簿に記録して事前申請を必要とする青色申告」という2つの種類があります。青色申告は青色申告特別控除を受けることができ、最大65万円を控除できます。
そのほかにもメリットが多くありますが、申告の際には開業届と青色申告承認申請書の記入が必要です。確定申告について詳しく知りたい人や、青色申告について知りたい人は以下のページを参考にしてみてください。
ピアノ教室の先生が確定申告に必要な書類
ピアノ教室の先生が青色申告をする場合は、通常の確定申告に必要なものに加えて青色申告の書類の用意が必要です。
- 本人確認書類(マイナンバーカードがあれば次行の書類は不要)
- マイナンバーが記載されているもの+身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
- 帳簿(複式簿記にて事業で記帳している)
- 確定申告書(第一表及び第二表)
- 青色申告決算書(貸借対照表、損益計算書や給与賃金などの記載をする書類)
- 控除を受けるための添付書類(社会保険料控除や医療費控除など)
これら以外にも、ピアノ教室だけでなく勤務先で給与または報酬を得ている場合は、源泉徴収票や支払調書なども用意しなければなりません。
また、青色申告ではなく白色申告をする際の帳簿は、青色申告より簡易的なものでよいとされています。自身の揃えられる書類を整理したうえで、確定申告を実施しましょう。
ピアノ教室の先生が確定申告で経費にできるもの
ピアノ教室の先生が確定申告で経費計上できるものは数多くあります。具体的には備品費、消耗品費や新聞図書費などの科目として帳簿に計上することが一般的です。経費にできる主なものは以下の通りです。
- 業務に必要なドレスや衣装代、レンタル代
- 楽譜代
- スタジオ費
- 楽器の修理費用
- 打ち上げ等の外食費用(業務に関係のあるものに限る)
- 消耗品、文房具などの費用
このほかにも事業として利用したものに関しては、確定申告の際に経費として扱えます。普段からの帳簿を細かく入れて、取りこぼしがないように注意してください。
扶養に入っている場合はどうする?
ピアノ教室を経営している人に控除対象配偶者がいる場合は、確定申告において配偶者控除が受けられます。反対に、ピアノ教室を経営している人の所得が48万円以下である場合(控除対象配偶者となる場合)にはその配偶者の年末調整や確定申告において配偶者控除を受けることができます。
また、配偶者の扶養に入っていても個人事業主になることができます。
なお、ここで言う合計所得金額とは、その人のすべての所得を合計したものです。
確定申告において配偶者控除を受けることができる条件は次のとおりです。
カッコ内は、控除対象配偶者の年齢が12月31日現在で70歳以上の場合です。
また、控除対象配偶者の所得が48万円以上の場合においても、所得が133万円までは配偶者特別控除が受けられることがあります。
社会保険上の扶養は所得税や住民税の基準とは異なります。先程の基準は所得の合計額によって決められていましたが、社会保険は収入の合計額によって対象かどうかが判断されます。
そのため、計算方法は所得税などとは異なります。
同一生計の場合には、年間の収入額が130万円未満で、かつ、配偶者(社会保険被保険者)の年間収入の1/2以下の場合が対象となります。確定申告の際に自身の所得と配偶者の所得について確認して配偶者控除などが受けられるかどうか、また社会保険の適用関係を確認しましょう。
確定申告をしなかったらどうなる?
前述の通り確定申告には申請期間があります。その期間内に確定申告をしなかった場合、ペナルティが課せられます。
申告期間を過ぎてからの申告には、通常の納税に加えて「延滞税」や「加算税」が課税されます。延滞税は年分ごとに利子が変動するため、早めの申告をしなければなりません。
「無申告加算税」は、原則として納付すべき額について50万円までの部分には15%、50万円を超える部分には20%の割合を乗じたものが本来の税額に加算されるものです。
また、不正な手段によって税金のがれを続けていると、「ほ脱」という犯罪行為として扱われ「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または、その両方」の罰則を受けます。くれぐれも確定申告を後回しにせず、時期を守って手続きをしましょう。
【参考】国税庁/No.2024 確定申告を忘れたとき
【参考】国税庁/No.9205 延滞税について
ピアノ教室の確定申告は正しい知識の元での判断が必要
ピアノ教室の確定申告が必要かどうかは、所得や扶養の状況によって異なります。こまめに帳簿の記録を残せば、事前申請によって青色申告も可能です。
青色申告特別控除や各種所得控除を適正に受ければ、節税につながります。ただし「確定申告でどのような控除があるのか」「必要書類は何を揃えたらよいか」など、確定申告に対する正しい知識を持つ必要があります。
申告期限に間に合わないと、ペナルティの対象にもなりかねません。本記事で紹介した内容を参考に、確定申告に向けて正しい準備や申告をしてみてください。
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青色申告1から簡単ガイド
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
もっと読むよくある質問
ピアノ教室は確定申告が必要?
ピアノ教室の先生として「事業所得がある」「副業による雑所得などがある」といった場合には基本的に確定申告が必要です。 詳しくはこちらをご覧ください。
確定申告をしていない場合はどうなる?
期限までに申告や納税をしないと延滞税や無申告加算税などの申告漏れによるペナルティが課されるケースがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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