- 更新日 : 2023年10月23日
未経験から副業ファイナンシャルプランナーの始め方!資格や方法は?
お金の知識を身につけ、専門性を活かして副業で収入を得たい場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格に挑戦するのがおすすめです。資格を取得することで、顧客から信用してもらいやすくなり、業務をスムーズにこなせるでしょう。今回は、FPの仕事内容や資格によってできること、FPの副業をするメリットや注意点などを解説します。
目次
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FP(ファイナンシャルプランナー)とはどんな仕事?
FP(ファイナンシャルプランナー)とは、ライフプランの設計を行うお金の専門家です。
家計にかかわる金融・税金・投資・住宅ローン・教育・年金制度・相続など、生活とお金は密接に関わっています。FPは、相談者のお金に関するさまざまなデータを集め、ライフスタイル・経済状況・価値観などを踏まえて、資金計画を立てます。相談者の夢や目標を叶えるための仕事です。
以下では、FPの資格でできることや資格の取得方法などについて見ていきましょう。
FPの資格でできること
FPの資格取得によってできることは、以下のとおりです。
- 相談者のライフプランを充実させるお手伝いができる
- お金の専門家として、企業内でできる仕事が広がる
- 金融機関や保険会社などへの就職や転職に役立つ
- 自身や家族の家計管理、資産運用などに役立つ
FPの資格がなければできない仕事はありません。しかし、資格を取得することで、個人のお客さんや企業から信頼を獲得でき、仕事の幅を広げられるでしょう。
FPの資格を取得することで得た知識は、仕事だけでなく、自身や家族の生活にも役立ちます。
FP資格の取得方法と合格率
FPに関する資格には、国家資格と民間資格があります。混同しないように注意しましょう。
<国家資格>
- FP技能士(1〜3級)
<民間資格>
- CFP資格(上級)
- AFP資格(中級)
FP技能検定には、学科試験と実技試験があります。どちらも合格することで「ファイナンシャル・プランニング技能士」を名乗れるという仕組みです。
FP技能検定を実施しているのは、厚生労働大臣より指定試験機関の指定を受けている、日本FP協会と金融財政事情研究会です。学科試験はどちらも同じ問題ですが、実技試験の内容は実施機関によって異なるという特徴があります。
なお、FP1級については、学科試験を実施しているのは金融財政事情研究会のみであるため注意しましょう。
合格率は、FP3級が70%程度、FP2級が25〜30%程度です。FP1級については、実技試験の合格率は70〜90%程度ですが、学科試験は10%程度と、狭き門であることがわかります。
民間資格であるCFP資格とAFP資格は、どちらも日本FP協会が運営している資格です。AFP資格は、2級FP技能検定に合格しており、AFP認定研修の受講を修了することで認定されます。
CFP資格に認定されるためには、以下の条件をすべて満たさなければなりません。
- AFP認定者である
- CFP資格審査試験に合格している
- CFPエントリー研修を修了している
- 一定の実務経験を有する
2022年3月時点でAFP資格に認定されているのは、日本全体では約16万人です。上級資格であるCFP資格については、2023年2月時点で、日本で約2.5万人が認定されています。
参考:日本FP協会 FP技能検定とは
参考:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定
参考:日本FP協会 FPの資格と検定の種類
副業を始める際に必要なFP資格は?資格なしでもできる?
FP資格には、弁護士や公認会計士のような独占義務が定められていません。そのため、FPの資格がなくても、FPに関する副業は始められます。資格がなくても、誰でもFPやファイナンシャルプランナーを名乗れるのがポイントです。
しかし、FPに関する副業をこなすためには、FP資格を取得する際に必要な知識やスキルが求められます。また、案件を獲得する際、FP資格を持っているという事実が有利にはたらくことが多いです。
FP資格がなくても副業に挑戦できますが、対外的な信頼を獲得できるよう、FP資格を取得しておきましょう。
FPの副業をするメリット・デメリットは?
FPの副業をすることには、以下のようにさまざまなメリットがあります。
- 資格さえあれば元手や資金はほぼゼロで始められる
- 比較的スケジュールも自由
- 知識を自分の生活にも活かせる
副業をすることで、自由に使える時間が減ります。時間をうまく調整し、本業やプライベートと副業を両立できれば、デメリットはほとんどありません。
ここでは、FPの副業をするメリット・デメリットについて解説します。
資格さえあれば元手や資金はほとんどゼロ
FPの副業では、初期費用やランニングコストがほとんどかかりません。そのため、気軽に副業を始められるのがメリットです。資格があれば、すぐに仕事を引き受けられるため、よりスムーズに始められるでしょう。
オフィスを構えることなく自宅でも始められ、従業員を雇う必要がないのも魅力です。設備投資や固定費用がかかるビジネスでもないため、仮に事業を続けられなくなっても、撤退コストがほとんどかかりません。
比較的スケジュールも自由
FPの仕事の中でも、コンサルティングや記事執筆、ブログの運営などは、比較的自由なスケジュールで取り組めます。本業やプライベートとも両立しやすく、副業を無理なく続けやすいのがメリットです。
副業を始めたことで、本業が疎かになってしまっては意味がありません。
FPの副業なら、本業のスケジュールに合わせて副業の時間や仕事量を柔軟に調整しやすいため、副業初心者にもおすすめです。
知識を自分の生活にも活かせる
FPの資格取得や実務を通して得た知識は、副業として収入源にできるだけでなく、自分の生活にも活かせます。
FPが扱う分野は、以下のとおりです。
- 年金・資金計画
- 資産運用
- 税金
- 保険
- 不動産
- 相続・事業承継
自身の家計管理や資産運用、ローンなどを考える際に、FPに関する資格が役立ちます。
お金の知識があるかないかで、人生を有意義に過ごせるかが大きく変わってくるでしょう。
時間の調整さえつけられればデメリットはほとんどナシ
FPの副業は、始めるにあたって大きなリスクを抱える必要がなく、本業とも両立しやすいのがポイントです。もちろん、副業を始める際にはいくつかの注意点があり、時間やスケジュールを上手に調整することが求められます。
注意点を理解したうえで副業を始め、時間の調整さえつけられれば、デメリットはほとんどないといえます。
副業FPの仕事例
FPの副業では、相談者のコンサルティング以外にも、さまざまな仕事が考えられます。
- 金融に関する相談・コンサルティング
- 金融記事の執筆・監修
- 金融セミナーの講師
- 金融ブログの運営
それぞれの仕事では、求められる知識やスキルが異なります。自身のキャリアプランや副業に充てられる時間を考慮して、副業を選びましょう。
ここでは、それぞれの仕事について解説します。
金融に関する相談・コンサルティング
FPの代表的な仕事といえば、金融に関する相談・コンサルティング業務です。
相談者の現在の状況やライフスタイル、将来の計画などを踏まえて、お金に関するアドバイスをします。貯金や節約、投資などの計画を立て、相談者が理想的な人生を送れるようにサポートする仕事です。各種保険の見直しや、資産運用、相続対策のサポートを行うこともあります。
企業向けにコンサルティングをすることもあり、信頼を獲得できれば、長期にわたって安定的に受注できるのが特長です。
相談・コンサルティングの場合は、時間ごとに相談料を設けて報酬として受け取るFPが多いです。金額設定はFPによって異なりますが、比較的多くの収入を得やすい仕事と言えます。
金融記事の執筆・監修
金融に関する専門知識を活かして、金融関連の記事を執筆したり、監修したりするという選択肢もあります。
金融関連の記事執筆では、情報の正確性が求められるため、FPの資格を持っているライターは重宝されやすいです。専門性が求められる記事執筆は、単価が高い傾向にあるため、収入アップにもつながるでしょう。パソコンがあれば、時間や場所を問わず、自由に働きやすいのも魅力です。
また、ほかのライターが書いた記事の監修者として、内容に問題がないかをチェックする仕事もあります。記事の正確性を担保する仕事であり、文章の執筆があまり得意でない方でも取り組めるのがメリットです。監修者として、メディアにプロフィールが記載される場合もあります。
金融セミナーの講師
人前で話すのが得意な方には、金融セミナーの講師がおすすめです。自治体や官公庁、商工会議所などは、金融に関するセミナーを頻繁に開催しており、講師を外部から募集しています。
セミナーに向けてある程度準備する必要はありますが、拘束時間が短く、隙間時間を活かしやすい副業です。知名度が上がれば、高い報酬を提示されることもあります。
セミナー参加者がそのまま相談に来てくれることもあり、コンサルティング業務につなげられる可能性があるのもメリットです。
金融ブログの運営
自身で金融に関するブログを運営し、記事を執筆する、という方法もあります。
ブログ運営は、パソコンがあれば気軽に始められ、隙間時間を活用できる副業の代表例です。
ブログ運営では、広告収入によって収益を得ます。FPの資格があれば、メディアの信頼性を担保でき、より多くのユーザーに記事を見てもらえる可能性が高いです。
一方、一定のPV数やユーザー数を獲得できなければ、収益化が難しい点には注意しましょう。また、大きな収入を得るのは難しく、地道に運営し続けることが求められます。
FPの副業はどこで受けられる?
FPの副業案件を獲得する方法としては、以下が挙げられます。
- クラウドソーシングサービスを利用する
- フリーランス向けのエージェントに登録する
- 知人から紹介してもらう
- SNSやブログで自身の知識やスキルを発信する
- ポートフォリオを作成して、企業に直接営業をかける
自分に合った方法を選び、案件をスムーズに獲得できるようにしましょう。
なお、案件に応募したからといって、確実に仕事を受注できるとは限りません。受注のためには、実務経験が求められる場合も多いです。はじめのうちは、単価が低い案件であっても積極的に受注し、実績を積みましょう。
FPの仕事をするうえでの注意点は?
FPの仕事を副業として始める場合は、以下の点に注意しましょう。
- 本業が副業禁止・掛け持ち禁止ならNG
- 金融商品や保険の販売はできない
- 確定申告についても確認しておく
就業規則や確定申告が必要になる条件などをチェックしたうえで、FPの副業を始めることが大切です。
また、金融や保険に関するすべての仕事を引き受けられるわけではない点にも要注意です。
ここでは、FPの仕事をする際の注意点を解説します。
本業が副業禁止・掛け持ち禁止ならNG
本業で副業が禁止されている場合は、いくらFPの資格を取得したとしても、副業はできません。会社の就業規則を確認し、問題ないか上司に相談したうえで副業を始めましょう。
会社に隠れて副業をしても、確定申告によって、副業を含めた住民税の情報が勤め先に伝わるため、副業していることがバレてしまいます。副業で事業所得を得ている場合は、赤字申告で確定申告をした際に、住民税の金額が低下するため副業の事実がバレることは多いでしょう。
バレる・バレないにかかわらず、就業規則違反は重いペナルティの対象になりうる行為であり、そもそもやってはいけません。副業を始める前は、注意が必要です。
金融商品や保険の販売はできない
FPは、金融商品や保険に関するアドバイスはできても、実際に販売できるわけではありません。
金融商品取引法によって、金融商品の販売等を行うためには、内閣総理大臣の登録を受けなければならないとされています。生命保険や損害保険などの保険についても、販売するためには保険募集人の資格が必要です。
FPの資格を持っていても、金融商品や保険の販売はできません。副業でできない仕事があることは理解しておきましょう。
確定申告についても確認しておく
年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える場合、確定申告をする必要があります。
たとえば、FPの副業で年間20万円を超える所得を得ている場合は、確定申告の対象です。
ただし、以下のケースでは、確定申告が不要です。
- 給与所得の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く)を差し引いた残りが150万円以下である
- 各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下である
確定申告を期限内に行わないと、申告漏れのペナルティとして、無申告加算税や延滞税が課せられることがあります。本来の納税額よりも多くの負担を課せられることになるため、必ず確定申告の対象ややり方などをチェックしておきましょう。
まずは資格取得から!FPの副業を始めませんか
お金の知識を身につけたい方や、夢や目標を叶えられるライフプランの実現をサポートしたい方には、FPの資格を取得して副業に挑戦するのがおすすめです。FPの資格を取得することで、副業としてコンサルティングや金融メディアのライター、セミナー講師などの仕事を受注しやすくなります。FPの副業は、始めやすくスケジュール調整がしやすいものも多いため、副業初心者でも無理なく続けられるでしょう。まずは第一歩として、資格取得に挑戦することが大切です。
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データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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