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スイレン揃い咲き

4月29日、白と赤に続き、一輪だけですが黄スイレンの開花を確認。トンボ池で栽培している3色のスイレン全てが咲き揃いました。白スイレン一日当りの開花数は早くも数百に達しています。
画像/黄スイレン
トンボ王国建設開始当初は4月下旬に白スイレン、ゴールデン・ウィーク後半に赤スイレン、黄スイレンは5月中旬に初開花していましたが、ここでも温暖化の影響が見てとれます。
一方この日、遅くても4月中旬には終わっていなければならないトラフトンボの羽化が観察されました。トラフトンボに限らず、近年の状況からすれば今年のトンボ類出現は軒並み遅れ気味です。暖冬が逆に、一定の寒気が不可欠な日本在来の生物たちの生活リズムをおかしくさせているのかもしれません。
長年の経験から「普通」の状態を知る者にとっては、チグハグな感を否めない今年の春。それでもトンボ王国では日を追って、命の輝きが増しています。同じ日、アオモンイトトンボの羽化も確認、現在トンボ王国で成虫として活動中のトンボは16種となりました。(↓クリックすると拡大します。)
画像/アオモンイトトンボ(♀)未熟画像/交尾中のシオヤトンボ画像/ウマノアシガタとジョウカイボン
アオモンイトトンボ(メス)未熟交尾中のシオヤトンボウマノアシガタとジョウカイボン

画像/シャガ人目を引くカキツバタやスイレンの傍ら、林の縁では神秘的なギンリョウソウが頭をもたげ、シャガも遠慮勝ちに薄紫の花を咲かせています。
画像/ギンリョウソウ


by 杉村光俊  at 10:47 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

絢爛・トンボ王国

ゴールデン・ウィークは、一年中で最も華やかな季節です。
大小30余りのトンボ池には、数万本のカキツバタを筆頭に千単位のスイレン、数百のコウホネやヒメコウホネなど、色とりどりの花卉が咲き乱れ、水色の縞模様も鮮やかなオオイトトンボや、若葉色の斑紋を持つタベサナエなど、20種を越す春のトンボ達が自在に飛び交います。画像/薄紫カキツバタ
画像/白スイレン池画像/赤スイレン

4月27日現在でカキツバタは5分咲き程度、多くの花は紫ですが白花もかなり見られるほか、両者の中間的な色の花も見られます。スイレンの方は白が数百レベル、赤が百単位に達したようです。数日後には黄色も開花しそうです。キショウブもかなり目立ってきましたが、帰化植物で繁殖力が旺盛なので花が終われば間引きの対象になります。トンボはヒメコウホネ池にイトトンボ類やトラフトンボが多く見られ、カキツバタ周辺にはヨツボシトンボやタベサナエが群れています。また、谷が奥まった湿地保護区ではシオヤトンボが多く、クロスジギンヤンマもよくパトロールしています。
画像/フタスジサナエ(オス)未熟画像/トラフトンボの産卵画像/キショウブ
フタスジサナエ(オス)未熟トラフトンボの産卵キショウブ

なお、この時期のトンボ観察は普通、晴天の午前9時?12持が最適です。また、スイレンは通常午後2時頃にはしぼんでしまいますが、気温の低い日には4時頃まで開いていることがあります。

おまけ
画像/内子町・亀ヶ渕池4月27日はトンボ観察会の指導で愛媛県内子町に出掛け、オツネントンボの撮影もしてきました。北方系の種類で、高知県では1987年に初めて県西部数ヶ所の溜池から発見され分布南限として研究者らの注目を集めていましたが、2002年を最後に記録が途絶えており絶滅が懸念されています。複数の水域から一斉に姿を消したこと、愛媛県鬼北町まで北上すれば大半の溜池に健在していることを考え合わせると、やはり「温暖化」の影響が疑われます。
画像/オツネントンボ(連結産卵)縦  画像/オツネントンボ(連結産卵)1
by 杉村光俊  at 13:56 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

体験学習シーズン到来

トンボ王国には多くの学童が訪れます。今年度、その先陣を切ったのが4月24日の四万十市立須小学校です。
画像/トンボ王国クイズ
画像/トンボ池午前中はあきついお四万十川学遊館内で、展示物の中に答がある3択10問の「トンボ王国クイズ」を、午後からは強風ながらも快晴に恵まれたトンボ池周辺で生き物探しゲーム「レベル5(ファイブ)」にチャレンジされました。
3?5人のグループで、季節ごと、捕獲難度で5段階に区分された生物カードの中からそれぞれチャレンジしたい生物1種を選び、レベル1から順にクリアーしていく「レベル5」は一押しのトンボ王国自然体験メニューで、ほとんどの学校がリクエストされます。
画像/自然体験メニュー「レベル5」_1画像/自然体験メニュー「レベル5」_2画像/自然体験メニュー「レベル5」_3

画像/ツバメシジミレベル1のアリやレベル2のメダカあたりまではさほどでもありませんが、レベル3のモンシロチョウやレベル4のモツゴあたりになると、みんな夢中で走り始めます。
グループ競技なので、協調性が試され、また課題がはっきりしているので、現代社会で必須の情報処理能力も磨かれます。何より「楽しい」ことが一番で、真の「一所懸命」を体験することができます。
この日はミドリガメを捕まえた1チームが見事レベル5までクリアーしてくれました。
画像/オンツツジ4.24
画像/自然体験メニュー「レベル5」_4

これから6月にかけ、遠足、総合学習、修学旅行など園内に子供達の歓声が響き渡ることでしょう。
by 杉村光俊  at 11:30 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

赤スイレン開花

春から初夏への衣替えが急ピッチで進むトンボ王国で4月23日、赤スイレン一輪が初開花しました。

画像/赤スイレン

画像/カキツバタとヨツボシトンボ(オス)
21日に初開花した白スイレンは、早くも20輪を越す開花がみられました。
トンボ王国の初夏を代表する花、カキツバタはまだ3〰4分咲きといったところですが、それでも開花数は1,000単位に達しています。その中を、ヨツボシトンボが軽快に飛び交っています。キショウブも咲き始めました。

画像/白スイレン画像/カキツバタ
白スイレンカキツバタ

トンボの方は、夏の赤トンボ・ショウジョウトンボの羽化が始まるなど、成虫として14種の活動が確認されています。オスの水色が美しいオオイトトンボの連結産卵も見られるようになってきました。
チョウなど、トンボ以外の昆虫もよく目につくようになっています。
画像/オオイトトンボ連結産卵画像/トラフシジミ
オオイトトンボの連結産卵トラフシジミ
by 杉村光俊  at 10:40 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

ボランティア来る

4月21日午後、株式会社Will Tsutaya四万十店と株式会社サニーマート四万十店有志13名の皆さんが、トンボ王国の除草ボランティアとして汗を流して下さいました。

画像/あきついお前庭
「あきついお四万十川学遊館」前庭の雑草抜き、多目的広場のスイバ刈り、ハナショウブ周りの雑草取りの3本立てで、1時間余りながらも作業は一気にはかどりました。お陰様で、いいゴールデン・ウィークが迎えられそうです。有難うございました。またのお越しを心よりお待ちしております。(↓拡大します。)

画像/あきついお前庭2画像/スイバ刈り画像/ハナショウブ周りの雑草取り

おまけ
この日は朝からよいお天気で、最盛期を迎えているムカシトンボが気になって仕方のない私は、作業終了の挨拶もそこそこに穴場の谷川に向け車を走らせました。3時過ぎ、現地に到着。その途端、昨日には無かった産卵痕を見つけ一瞬焦りましたが、間もなく複数のオスが縄張り飛翔を始め、4時半頃になってメスも産卵にやってきました。また、パトロールしてきたオスが、産卵中のメスを連れ去る場面にも遭遇しました。2時間程で得られた成果の一部をお目にかけます。(画像をクリックすると拡大します。)

画像/パトロール中のムカシトンボ(オス)画像/産卵中のムカシトンボ画像/ムカシトンボ(連結)
by 杉村光俊  at 10:30 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

スイレン開花

4月20日、ヒメコウホネと白スイレンが初開花しました。〈↓↓画像をクリックすると拡大します。〉

画像/ヒメコウホネ     画像/スイレン

麗らかな春を演出してくれたフジツツジに替わって、山肌にはオンツツジの赤い花が目立ってきました。あきついお四万十川学遊館裏のトンボ池では、コウホネとカキツバタが見ごろを迎えています。

画像/オンツツジ   画像/あきついお裏

トンボ王国発祥の池付近と、その奥に広がる湿地保護区ではタベサナエや、シオヤトンボの生殖活動が活発になってきました。クロスジギンヤンマや、ヨツボシトンボの姿も見られます。
松林から聞こえてくる、ハルゼミの合唱も本格化してきました。

画像/タベサナエ〈オス〉画像/コウホネとタベサナエ画像/シオヤトンボ
タベサナエ〈オス〉コウホネとタベサナエシオヤトンボ

おまけ
画像/三原村江の谷トンボ王国周辺の渓流では、「生きた化石」として知られるムカシトンボの産卵も始まっています。
画像/産卵中のムカシトンボ
by 杉村光俊  at 12:30 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

タナゴ色付く

画像/あきついお・四万十川学遊館トンボ王国で春を感じさせてくれるのは、トンボや花ばかりではありません。園内にあるフィールド・ミュージアム「あきついお・四万十川学遊館」で飼育されている魚たち、特に観賞魚として人気が高いタナゴ類のオスも美しい婚姻色に身を包み、春の訪れを教えてくれるのです。館では日本で見られるタナゴの大半を累代飼育しており、すでにバックヤードではベビー・ラッシュとなっています。タナゴの仲間はどれも2枚貝に託卵する習性があり、展示水槽の中でも、カラフルなオスと、産卵管をひものように伸ばしたメスが、2枚貝の近くで寄り添う興味深い生態が観察できます。
画像/ミヤコタナゴ画像/展示水槽画像/キタノアカヒレタビラ(子供)
ミヤコタナゴ(オス)展示水槽キタノアカヒレタビラの子供

館ではタナゴを始め、四万十川産として約120種、これ以外の日本産として約90種の淡水・汽水魚を飼育展示していますが、ちなみにこの数は全国の水族館中でNo.1といわれています。
by 杉村光俊  at 12:39 |  あきついお・四万十川学遊館情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

少し遅い初鳴き

4月10日、ハルゼミの初鳴きがありました。早い年なら3月末に聞くことができるのですが、昨年は秋が長引いたため、春の訪れが少し遅れ気味になっているのでしょうか。画像/池田川

画像/カキツバタとはいえ、トンボ池のカキツバタは次々と開花しており、開花シーズンは10年ほど前に比べ半月ほど早まっている感じです。11日にはシロバナ(白花)の株も1輪開花しました。そもそも、カキツバタという名は染料として利用できることから「書き付け花」がなまったとされていますが、白花のカキツバタの立場はどうなるのでしょう。生地は染められなくても見る人の心は染められますが・・・・・・。カキツバタの株の周りにはメダカも群れています。

画像/カキツバタ(白)  画像/メダカ

ソメイヨシノに遅れてヤマザクラが満開を迎えています。
画像/ヤマザクラ

画像/ヨツボシトンボトンボの羽化も至る所で見られるようになり、あきついお四万十川学遊館のミニ・ビオトープ(2m×3m×0.15m)からはヨツボシトンボが次々と飛び立っています。
トンボ池ではオオイトトンボやクロイトトンボの羽化がピークを迎えつつあります。イトトンボ類の羽化は午前9時頃から午後3時過ぎまで観察でき、背中の殻が割れてから1時間程で飛び立ちます。


画像/クロイトトンボ1画像/クロイトトンボ2画像/クロイトトンボ3
画像/クロイトトンボ4画像/クロイトトンボ5

クロイトトンボ(メス)
by 杉村光俊  at 11:49 |  トンボ王国最新情報 |  comment (1)  |   |  page top ↑

華やかさ増すトンボ王国

画像/ヤマザクラ
ソメイヨシノはほとんど散ってしまいましたが、カキツバタの開花数は2桁となり、8日にはコウホネが開花しました。保護区を流れる池田川の岸辺ではスミレやゲンゲ(レンゲ)が咲き競い、唱歌「春の小川」さながらの光景が広がっています。(↓クリックすると、画像が拡大します。↓)
画像/コウホネ
画像/トンボ池
コウホネトンボ池


春のトンボ羽化続々
好天に恵まれた8日午前、トンボ池の随所でタベサナエの羽化が観察できました。3月28日から羽化が続いているシオヤトンボの一部はもう成熟し、水域に戻って生殖活動を始めています。また、北方種ヨツボシトンボの羽化も確認できました。成虫越冬したホソミイトトンボとホソミオツネントンボの2種を加え、トンボ王国では少なくとも7種のトンボが成虫としての活動を始めており、水辺は日を追って賑やかさを増しています。(↓クリックすると、画像が拡大します。↓)

画像/シオヤトンボ
画像/ヨツボシトンボ
シオヤトンボヨツボシトンボ

by 杉村光俊  at 17:57 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

カキツバタ、開花!



トンボ王国の春を彩るカキツバタの開花が始まりました。
トンボ王国の建設が始まった頃にはゴールデンウィーク過ぎに満開を迎えていましたが、2000年代に入ってからは4月末に満開を迎えるようになっています。これも温暖化の影響なのでしょう。
ともあれ、4月6日現在、10輪ほどの開花ですが、10日過ぎ頃から見頃となってきそうです。

トンボも続々羽化中!
トンボの羽化も3月19日から始まっていて、4月6日までに5種類のトンボの羽化が確認できています。
この時期の羽化は午前9時頃から正午頃にかけて行われるので、観察には打って付けです。水際をじっくり探してみて下さい。



羽化中のタベサナエ(♂)
水際で行われ、暖かな日には背中の殻が割れてから、1時間足らずで飛び立ちます。
羽化したばかりのタベサナエ(♀)
羽化を終えた個体は近くの林に移動して過ごし、2、3週間ほどの後、成熟して水辺に戻ってきます。
torafumesuuka

羽化中のトラフトンボ(♀)
水面から少し離れた場所で行われ、暖かな日での所要時間は3時間ほどです。
羽化を終えたトラフトンボ(♀)
和名の由来となった虎斑模様がはっきり出ています。撮影後、1分間程ウォーミングアップをして、山林目指し一気に舞い上がりました。

by 杉村光俊  at 12:42 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑
イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのお知らせ

赤とんぼまつり

開催趣旨:アキアカネを筆頭に、近年激減著しい秋の赤トンボの仲間。大半の種が水田や灌漑用の溜池や水路などで育ち、日本人の「食」と深い関りがある。改めて、多くの人々に赤トンボと食の安全を考えてもらうきっかけとしたい。



【アカトンボ写真展】

内容:アキアカネなどアカトンボ属を中心として、ショウジョウトンボなど四国内に記録がある赤い体色のトンボ26種+ハイブリッド2種の生態写真64点を展示。
期間:2024年9月21日(土)2025年2月2日(日)
場所:とんぼ館ロビー

【赤とんぼクイズ】

内容:赤とんぼ写真展のキャプションの中に答えがある、A-4版用紙の3択10問クイズ。希望により有料入館者1名1回挑戦でき、8問以上正解するとナツアカネもしくはヒメアカネを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
クイズ用紙は受付で配布。年間パスポートでの入館者は、期間中8問正解できるまで何度でもチャレンジ可。

【四国の赤とんぼパズル・ゲーム】

内容:四国内で記録されているアカトンボ属17種50枚の2分割パズルを用い、10分間で5種以上完成させると、キトンボを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
チャレンジ料1回500円。

【個別観察会】

内容:トンボと自然を考える会員限定。日程・時間調整の上でスタッフが適宜実施している調査・整備作業に同行でき、希望によりトンボ撮影の便宜も図ります。
ご入会は四万十川学遊館受付のほか、ホームページからもお申し込みいただけます。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

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プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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