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池田谷のトンボ77種に

 去る7月24日、トンボ王国本谷奥の棚田保護区から100mほど西奥に位置する小流で、これまで何度も捜索していたにもかかわらず未発見だったシコクトゲオトンボが見つかりました。恒例の「ヤンマおこもり」撮影中の出来事で、シーズン末期ながら当日は♂2頭、26日には♀1頭も見つかったことから、当地での定着はほぼ確実と思われます。これまで未発見だった理由として、今シーズンの異常渇水により調査の手が及び難いほどの源流域にある本来の生息地からかなり下流域に下ってきていたという可能性も考えられますが、山林の過剰な繁茂によって、分水嶺外側の生息地から分布域を広げてきたという可能性も捨て切れません。来シーズンには羽化の有無なども調査しなければなりませんが、一帯はマムシの巣窟と化しており余り気乗りはしません。何はともあれ、池田谷のトンボ記録種が2007年のベニイトトンボ以来1種増の77種になったこと、安定した流れにしか生息できない本種の発見により、オジロサナエやクロサナエなど渓流種の発見、誘致にも現実味が増してきたことを素直に喜びたいと思います。

   _Q4A8391シコクトゲオトンボ  _Q4A8337シコクトゲオトンボ  _Q4A8389シコクトゲオトンボ
    生息環境         シコクトゲオトンボ♂    同 ♀

 なお、「ヤンマのおこもり」は引き続き好調、その他のトンボもまずまずです。

_Q4A8280ヤブヤンマ♂休止201 _Q4A8276ヤブヤンマ♂休止201 _Q4A8291マルタンヤンマ♀休 _Q4A8299ミルンヤンマ♀休止2
         ヤブヤンマ♂     マルタンヤンマ♀    ミルンヤンマ♀

_Q4A8349ノシメトンボ半成熟 _Q4A8376ベニイトトンボ♀捕 _Q4A8550エゾトンボ交尾飛翔2 _Q4A8745昆虫レストラン2013
ノシメトンボ未熟♂  ベニイトトンボ♀捕食(同♂) エゾトンボ交尾 昆虫レストラン

   _Q4A8714コオニヤンマ♀2013  _Q4A8720シオカラトンボ♂捕  _Q4A8735ハラビロトンボ産卵2
    コオニヤンマ♀  シオカラトンボ♂捕食(ウスバキ) ハラビロトンボ産卵

   _Q4A8666ギンヤンマ♂2013・7  _Q4A8267クサキリ2013・7・23  _Q4A8387チャワンバス2013・7
    ギンヤンマ♂       クサキリ          チャワンバス

 佐田の沈下橋付近の四万十川ではオナガサナエとベニトンボが目につきますが、ハネビロエゾはまだのようです。

   _Q4A8503オナガサナエ♂2013  _Q4A8509オナガサナエ♂2013  _Q4A8527ベニトンボ♂2013・7
            オナガサナエ♂             ベニトンボ♂

 行きつけの磯でタコが撮れました。

   _Q4A7949コショウダイ2013・7  _Q4A7969トウゴロウイワシ201  _Q4A7957マダコ2013・7・22黒
    コショウダイ幼魚     トウゴロウイワシ      マ?ダコ


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by 杉村光俊  at 15:53 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

水不足

 かつてないほどの少雨が続いている、トンボ王国周辺。まだ夏休みに入ったばかりというのに、湿地保護区の一部が完全に干上がってしまいました。水位が下がった池田川にセスジイトトンボの姿はなく、スイレン池も濁りが取れません。半面、個体数は今イチながら、空中湿度が低いことで林探訪ではほぼ「ハズレ」がありません。ヤンマたちの寝込みを目線で捉えることができています。そんな中、思い当たる強風もないのに「ふらり」とアメイロトンボがやってきたり。ということで、28日開催の「親子トンボ捕り大会」は波乱含みの予感が…

   _Q4A7861除草・湿地保護区201  _Q4A7571ヒメナミキ2013・7・  _Q4A7929.gif
   干上がった湿地保護区    ヒメナミキ          チャワンバス池

_Q4A7546ミルンヤンマ♀休止2 _Q4A7249ヤブヤンマ♂休止201 _Q4A7640ヤブヤンマ♀休止201 _Q4A7291マルタンヤンマ♀休
 ミルンヤンマ♀    ヤブヤンマ♂  同 ♀         マルタンヤンマ♀

_Q4A7854オニヤンマ♂休止201 _Q4A7924.gif _Q4A7942ヒグラシ♂2013 _Q4A6984アメイロトンボ♂201
 オニヤンマ♂      アサヒナカワトンボ♂  ヒグラシ♂  アメイロトンボ♂

 山々に秋の赤トンボの姿が目立つようになり、ミナミヤンマ・シーズンもいよいよ終焉を迎えています。いくつかの幸運を得て、日高村の産地で久しぶりに交尾シーンを押さえることができました。

   _Q4A7090アキアカネ未熟成虫  _Q4A7078アサギマダラ2013・7  _Q4A7071サカハチチョウ2013
    四国カルスト       アサギマダラ       サカハチチョウ

_Q4A7061アキアカネ未熟♂201 _Q4A7055アキアカネ未熟♀201 _Q4A7040アキアカネ未熟♂♀2 _Q4A7094アキアカネ未熟♂201
 アキアカネ未熟♂    同 未熟♀      同 未熟♂♀ 同 半成熟♂

   _Q4A8153ミヤマサナエ♀2013  _Q4A8179シコクトゲオ♂2013  _Q4A7038シロオビドクガ2013
    ミヤマサナエ♀      シコクトゲオトンボ♂    シロオビドクガ

   _Q4A7639ノシメトンボ未熟♂2  _Q4A7626ノシメトンボ未熟♂2  _Q4A7615コノシメトンボ未熟
           ノシメトンボ未熟♂            コノシメトンボ未熟♀

_Q4A7451ミナミヤンマ無条翅 _Q4A7465ミナミヤンマ無条翅 _Q4A7533ミナミヤンマ無条翅 _Q4A7435コシボソヤンマ未熟
ミナミヤンマ無条翅型♀ 同 交尾  同 交尾後♀     コシボソヤンマ未熟♀

 20日、所用で岡山県真庭市に出掛けた際、5月に大分県で空振りしたアオハダ狙いで地元Oさんにご案内頂きました。こちらもシーズン末期ながら、♂♀と、オマケのハグロトンボ潜水産卵まで撮影することができました。

   _Q4A7750アオハダトンボ生息  _Q4A7767アオハダトンボ♂201  _Q4A7743アオハダトンボ産卵2
    鳥取県の産地       アオハダトンボ♂     同 産卵

   _Q4A7747ハグロトンボ交尾201  _Q4A7768ハグロトンボ潜水産 _Q4A7778ハグロトンボ潜水産
    ハグロトンボ交尾     同 産卵         同 潜水産卵


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by 杉村光俊  at 18:49 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

林探訪始めました

 カノコユリとミソハギの開花が始まったトンボ王国。スイレンとトンボのセット写真撮影がおすすめです。サラサヤンマも日陰で頑張っています。その傍らに、早くも赤く色付き始めたヒメアカネの姿も。

_Q4A6836カノコユリ2013・7・ _Q4A6838ミソハギ2013・7・14 _Q4A6484オオシオカラトンボ _Q4A5868チャワンバス2013・7
 カノコユリ        ミソハギ ハス池のオオシオカラ♂ 見ごろのチャワンバス

_Q4A6843チョウトンボ♂2013 _Q4A6152チョウトンボ♂+ピン _Q4A6186チョウトンボ♂逆立 _Q4A6539ベニイトトンボ連結 
 チョウトンボ♂      +ピンクスイレン     逆立ち ベニイトトンボ連結産卵  

_Q4A6521黄スイレン+ショウジ _Q4A6168ショウジョウトンボ _Q4A6788サラサヤンマ♂2013 _Q4A6576ヒメアカネ半成熟♂2
ショウジョウ♂+黄スイレン 逆立ち  サラサヤンマ♂    ヒメアカネ半成熟♂

 時期尚早ながら、梅雨が明けてしまったので林探訪も始めました。まだ出揃っていないため、やはり「いないこともない」程度の遭遇率です。なお今シーズンの好調を受け、モートンイトトンボ保護区を完全除草してみました。

   _Q4A6569ヤブヤンマ♂2013・7  _Q4A6590マルタンヤンマ♀201  _Q4A6611エゾトンボ♂2013・7
    ヤブヤンマ♂        マルタンヤンマ♀     エゾトンボ♂

   _Q4A6955コオニヤンマ♂2013  _Q4A6573オオシオカラトンボ2  _Q4A5899除草(モートンイト
    コオニヤンマ♂     オオシオカラトンボ2♂  モートンイトトンボ保護区

 周囲の草木が繁茂しすぎて、風前の灯状態の高知県産ハッチョウトンボ。昨年、消息不明の噂を耳にしていたこともあり、日高のミナミヤンマのついでで2年ぶりに捜索してきました。結果は、いついなくなってもおかしくない状況でした。早期の手入れが望まれます。

_Q4A5726ミナミヤンマ♂なわ _Q4A5793ハッチョウトンボ生 _Q4A5790ハッチョウトンボ♂2 _Q4A5786ハッチョウトンボ♂2
ミナミヤンマ無条翅型♂ ハッチョウトンボ生息地    ハッチョウトンボ♂


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by 杉村光俊  at 15:48 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

黄昏飛翔はじまる

 チャワンバスが開花したトンボ王国では、真夏の風物詩「大形ヤンマの黄昏飛翔」が始まりました。とは言っても数百の個体が群れ飛んだ往時の迫力には程遠く、ピーク時にもせいぜい数十止まり。ただ現在もこれらの羽化は続いているので、最終的な発生数を確定できるのは8月に入ってからになるでしょう。特に当トンボ王国に留まらず高知県全体で激減したネアカヨシヤンマの動向が注目されます。ちなみにここ2年間は10頭前後しか確認できておらず、今シーズンの発生数は現時点で4~5頭といったところです。一方、乾燥した環境を好むウチワヤンマは微増傾向にあり、大形ヤンマの減少との関係性も疑われます。

_Q4A4808チャワンバス2013・7 _Q4A5535チャワンバス2013・7 _Q4A5539コオニユリ2013・7・ _Q4A5269キアゲハ+コオニユリ
チャワンバス+ヨツスジハナカミキリ  コオニユリ       +キアゲハ

_Q4A5170チョウトンボ♂2013 _Q4A5542チョウトンボ交尾201 _Q4A5178ウチワヤンマ交尾201 _Q4A4843コフキトンボ産卵201
スイレン池のチョウトンボ 同 交尾  ウチワヤンマ交尾   コフキトンボ産卵

_Q4A4571マルタンヤンマ♀黄 _Q4A4574ギンヤンマ♂黄昏摂 _Q4A5373ヤブヤンマ♂2013・7 _Q4A5283マルタンヤンマ♀羽
 マルタンヤンマ♀    ギンヤンマ♂      ヤブヤンマ♂ 羽化ミス・マルタン

 足摺岬ではあちらこちらで若いオニヤンマの摂食飛翔が見られるようになっています。トンボ愛好家垂涎のミナミヤンマは生殖活動も最終段階に入っています。ずっとお天気に泣かされてきていましたが、ここにきてようやく産卵シーンをモノにすることができました。今回は構図を変えて卵塊が見えることにこだわってみましたが、いかがでしょうか?

   _Q4A5295オニヤンマ未熟♀摂  _Q4A5321ミナミヤンマ産卵201  _Q4A5209ミナミヤンマ産卵201
    オニヤンマ未熟♀         ミナミヤンマ濃条翅型♀産卵

  無条型♀の一大生息地、日高村渋川トンボ公園でも勇壮な滑空飛翔が見られるようになっています。村指定の保護生物に昇格して3年目、関係者の皆さんによる整備作業と相まって個体数は順調に回復、一時はピーク時でも数十止まりでしたが、今シーズンはすでに3ケタに迫る勢いです。

    _Q4A5433ミナミヤンマ無条翅  _Q4A4537.gif  _Q4A5452オオシオカラトンボ
   ミナミヤンマ無条翅型未熟♀ 同 淡条翅型♀    オオシオカラトンボ♂

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by 杉村光俊  at 19:04 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑
イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのお知らせ

赤とんぼまつり

開催趣旨:アキアカネを筆頭に、近年激減著しい秋の赤トンボの仲間。大半の種が水田や灌漑用の溜池や水路などで育ち、日本人の「食」と深い関りがある。改めて、多くの人々に赤トンボと食の安全を考えてもらうきっかけとしたい。



【アカトンボ写真展】

内容:アキアカネなどアカトンボ属を中心として、ショウジョウトンボなど四国内に記録がある赤い体色のトンボ26種+ハイブリッド2種の生態写真64点を展示。
期間:2024年9月21日(土)2025年2月2日(日)
場所:とんぼ館ロビー

【赤とんぼクイズ】

内容:赤とんぼ写真展のキャプションの中に答えがある、A-4版用紙の3択10問クイズ。希望により有料入館者1名1回挑戦でき、8問以上正解するとナツアカネもしくはヒメアカネを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
クイズ用紙は受付で配布。年間パスポートでの入館者は、期間中8問正解できるまで何度でもチャレンジ可。

【四国の赤とんぼパズル・ゲーム】

内容:四国内で記録されているアカトンボ属17種50枚の2分割パズルを用い、10分間で5種以上完成させると、キトンボを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
チャレンジ料1回500円。

【個別観察会】

内容:トンボと自然を考える会員限定。日程・時間調整の上でスタッフが適宜実施している調査・整備作業に同行でき、希望によりトンボ撮影の便宜も図ります。
ご入会は四万十川学遊館受付のほか、ホームページからもお申し込みいただけます。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

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プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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