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久々の群飛

 人手不足で夏休みイベントの準備も遅れに遅れ、本ブログもついつい間が空き気味です。
その代わりと言っては何ですが、野村担当のフェイスブックには、極力タイムリー情報をアップするようにしています。
さて去る24日、ようやく四国地方の梅雨明け宣言が出されました。ところが、これに先立つ19日、トンボ王国では久々に群飛らしいヤンマの黄昏群飛が観察されました。その数ざっと70個体以上、大半がネアカヨシヤンマでした。ひょっとしたら、四国地方の本当の梅雨明けはこの辺りだったのかもしれません。それにしても、ここ数年、「絶滅」の2文字が脳裏をかすめるほど減少していたネアカヨシヤンマの増加は大変喜ばしいことです。雨続きだった昨夏のおかげで、幼虫が暮らす湿地の水位が維持されていたのでしょう。26日夕にも、10~20頭ほどの群飛が3ヶ所で観察されました。予報では数日後から晴れマークが続いています。林探訪にも期待が膨らんできます。

   _Q4A5376ネアカヨシヤンマほか黄昏摂食群飛2015・7・19トンボ王国  _Q4A6075ネアカヨシヤンマ♂黄昏摂食飛翔2015・7・25トンボ王国  _Q4A6202ネアカヨシヤンマほか黄昏摂食群飛2015・7・26トンボ王国
    7月19日の群飛     ネアカヨシヤンマ♂    7月26日の群飛

 その一方で、秋の赤トンボの出現が芳しくありません。25日になってやっと、マイコアカネの健在が確認できました。林縁のマユタテもヒメも、まだ数える程度です。羽化はポツポツと続いていますが…

   _Q4A6024マイコアカネ未熟♂2015・7・25トンボ王国  _Q4A6147マイコアカネ未熟♀2015・7・26トンボ王国  _Q4A5937マユタテアカネ未熟♂2015・7・23トンボ王国
    マイコアカネ未熟♂    同 未熟♀       マユタテアカネ未熟♂

 屋外のカノコユリは、イノシシ被害でほぼ壊滅状態ですが、中庭ビオトープとメダカ・ビオトープに株分けしていたものが、立派な花を咲かせてくれました。

_Q4A5147カノコユリ2015・7・18トンボ王国 _Q4A5106ウバユリ2015・7・18トンボ王国 _Q4A5154ハマボウ&ナガサキアゲハ2015・7・18トンボ王国 _Q4A5191アベリア&オオスカシバ2015・7・18トンボ王国
 カノコユリ    ウバユリ ハマボウ&ナガサキアゲハ アベリア&オオスカシバ

 去る20日、思い立ってネーチャフォト研究会有志3名と共に山口県のヒヌマイトトンボとアオビタイトンボの撮影に出かけました。曇りのち雨との予報は大きく外れ、晴れ間が広がったところまではラッキーでしたが、九州西方を北上中の熱帯性低気圧の影響とかの強風に見舞われてしまい、吹きさらしのヨシ原に生息しているヒヌマイトトンボは静止中の個体を撮影するのがやっと、交尾等の生殖行動はついに見付けることができませんでした。

   _Q4A5398ヒヌマイトトンボ生息地2015・7・20山口県  _Q4A5438ヒヌマイトトンボ羽化直後♂2015・7・20山口県  _Q4A5442ヒヌマイトトンボ♂2015・7・20山口県
    生息環境       ヒヌマイトトンボ羽化直後♂   同 成熟♂

   _Q4A5412ヒヌマイトトンボ半成熟♀捕食2015・7・20山口県  _Q4A5447ヒヌマイトトンボ♀捕食2015・7・20山口県  _Q4A5427ヒヌマイトトンボ同色型♀2015・7・20山口県
 ヒヌマイトトンボ半成熟♀捕食  同 成熟♀捕食     同 同色型♀

 午後からは、近年同県で増加中というアオビタイトンボを求め、とある調整池に出向きました。南西諸島のどこかではないか、と錯覚しそうな位数多くの個体数を見ることができした。同所では思いがけずコバネアオイトトンボのオマケも。今回の遠征では二人のKさんとK坂さんにお世話頂きました。厚くお礼申し上げます。

   _Q4A5551アオビタイトンボ♂2015・7・20山口県  _Q4A5539アオビタイトンボ未熟♂2015・7・20山口県  _Q4A5469アオビタイトンボ半成熟♀2015・7・20山口県
          アオビタイトンボ未熟♂          同 半成熟♀

   _Q4A5585コバネアオイトトンボ未熟♂2015・7・20山口県  _Q4A5590コバネアオイトトンボ未熟♀2015・7・20山口県  _Q4A5595マイコアカネ未熟♂2015・7・20山口県小野田市山陽町厚狭山野井西側調整池
  コバネアオイトトンボ未熟♂  同 未熟♀       マイコアカネ未熟♂

 続いて24日、マル♂の休憩地として有名になった岡山県某所に、香川県のTさんをお誘いして出かけました。さらに発見者のK藤さんと情報提供者のK山さんも現地合流し獲物を探しましたが、天気の割に気温が上がらず、小休止のオニヤンマなどが見られただけで、肝心のマル♂は見付からず終いでした。またのお越しを、ということでしょうか。

   _Q4A5957エゾトンボ未熟♀摂食飛翔2015・7・24岡山  _Q4A5959コヤマトンボ♀2015・7・24岡山  _Q4A5963ミルンヤンマ♂2015・7・24岡山
    エゾトンボ未熟♀     コヤマトンボ♀     ミルンヤンマ半成熟♂

_Q4A5979オニヤンマ♂2015・7・24岡山 _Q4A5973オニヤンマ♀捕食2015・7・24岡山 _Q4A5974ネキトンボ未熟♂2015・7・24岡山 _Q4A5984ネキトンボ未熟♀2015・7・24岡山
 オニヤンマ♂       同 ♀捕食       ネキトンボ未熟♂   同 未熟♀

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by 杉村光俊  at 09:25 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

黄昏飛翔始まる

 梅雨らしい空模様が続いている四万十地方。依然として気温が上がり切らないトンボ王国では、早くも盆花ことミソハギが開花しました。 一方で、ハナショウブの花もチラホラ。

_Q4A3582モンキアゲハ&ピンク・スイレン2015・7・7トンボ王国 _Q4A3156ヒメヒオウギズイセン2015・7・5トンボ王国 _Q4A3576キタキチョウ&ミソハギ2015・7・7トンボ王国 _Q4A3764ハナショウブ2015・7・8
スイレン池   ヒメヒオウギズイセン ミゾハギ&キタキチョウ ハナショウブ

 昨年、謎の枯死で激減した四季咲きカキツバタとチャワンバス。辛うじて2株が生き残っているカキツバタのうち1株が開花、チャワンバスも少しずつ勢力を盛り返しつつあり、つぼみも1本伸びてきました。自生のヤブカンゾウとコオニユリがやや増殖してきた傍らで、今年も人気のカノコユリがイノシシ被害に遭ってしまいました。放棄田の増加に伴い、この難敵が民家前まで出没するようになってしまった池田谷において、自然状態でのカノコユリ栽培はもはや不可能なのかも…

_Q4A3170四季咲カキツバタ2015・7・5トンボ王国 _Q4A3386ヤブカンゾウ2015・7・6トンボ王国 _Q4A3767コオニユリ2015・7・8 _Q4A3769イノシシ荒らし015・7・8
カキツバタ ヤブカンゾウ        コオニユリ      無残なカノコユリ・・・

 天候がすっきりしないことから、肝心のトンボ観察は振るいませんが、コシボソヤンマの羽化が確認され、まだ少数ながらネアカヨシヤンマの黄昏飛翔も見られるようになってきました。

_Q4A3549コシボソヤンマ羽化殻2015・7・7トンボ王国 _Q4A3552コシボソヤンマ羽化殻2015・7・7トンボ王国 _Q4A3594ハグロトンボ♀羽化2015・7・7トンボ王国 _Q4A3741ネアカヨシヤンマ♂黄昏摂食飛翔2015・7・7トンボ王国
     コシボソヤンマ羽化殻    ハグロトンボ♀羽化  ネアカヨシヤンマ♂

 谷奥に広がる湿地化した放置田ではエゾトンボが目立ち始め、年々増加しているシコクトゲオトンボは生殖行動もよく見られるようになりました。

_Q4A2830放置田2015・7・2トンボ王国 _Q4A2827エゾトンボ♂2015・7・2トンボ王国 _Q4A2845シコクトゲオトンボ交尾2015・7・2トンボ王国 _Q4A2856シコクトゲオトンボ産卵2015・7・2トンボ王国
    湿地化した放置田とエゾトンボ♂      シコクトゲオトンボ交尾と産卵

 ミナミヤンマシーズンも早や終盤、濃条翅メスが見られる足摺岬では、今シーズンも産卵シーンに遭遇できないまま、谷間の主役はオニヤンマに移ってしまいました。

_Q4A3012オニヤンマ♂♀摂食群飛2015・7・3土佐清水市足摺半島大谷 _Q4A2991オニヤンマ♂捕食2015・7・3土佐清水市足摺半島大谷ロウ _Q4A2997オニヤンマ♂捕食2015・7・3土佐清水市足摺半島大谷 _Q4A3006ミナミヤンマ濃条翅型♀2015・7・3土佐清水市足摺半島大谷ロウ加工
 オニヤンマ未熟♀  ミツバチを捕食するオニヤンマ♂ ミナミヤンマ濃条翅型♀

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by 杉村光俊  at 13:18 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

オニヤンマ登場

 過ごしやすいことに文句はありませんが、今ひとつ当たり前に気温が上がり切らない四万十地方。それでも、季節は間違いなく夏に向かっています。谷奥の湿地保護区では、度重なるイノシシの襲撃にも負けず、ハスの開花も始まりました。

_Q4A2079ヤブカンゾウ2015・6・28トンボ王国 _Q4A2496ヤブヤンマ産卵2015・6・30トンボ王国ハス _Q4A2500ネムノキ2015・6・30トンボ王国 _Q4A2513ネムノキ2015・6・30トンボ王国
 ヤブカンゾウ       ハス             ネムノキ

 ネジバナがトンボたちのベッドとして利用され、オニヤンマの羽化も始まりました。

_Q4A2177ハラビロトンボ♂&ネジバナ2015・6・29トンボ王国 _Q4A2398ショウジョウトンボ♂&ネジバナ2015・6・30トンボ王国 _Q4A2078ウチワヤンマ♂2015・6・28トンボ王国 _Q4A2077ウチワヤンマ♂2015・6・28トンボ王国 
ハラビロトンボ♂とショウジョウトンボ♂&ネジバナ  ウチワヤンマ♂

_Q4A2220オニヤンマ♀羽化2015・6・29トンボ王国 _Q4A2232オニヤンマ♀羽化2015・6・29トンボ王国 _Q4A2085ヨツボシトンボ♂捕食2015・6・28トンボ王国 _Q4A2124ベニイトトンボ連結(♂捕殺)2015・6・28トンボ王国
  オニヤンマ♀羽化         ヨツボシトンボ♂捕食  無念なベニイト・ペア

   _Q4A1766モノサシトンボ連結産卵2015・6・27トンボ王国  _Q4A1754マルタンヤンマ産卵2015・6・27トンボ王国  _Q4A1692マルタンヤンマ産卵2015・6・27トンボ王国ロウ
  モノサシトンボ連結産卵         マルタンヤンマ産卵

 近くのトンボ池で、本来の場所ではない所に産卵している、やや老いたヤブヤンマ♀を発見。しんどそうだったので、本来の場所に移ってもらいました。

   _Q4A2447ヤブヤンマ産卵2015・6・30トンボ王国  _Q4A2462ヤブヤンマ産卵2015・6・30トンボ王国  _Q4A2475ヤブヤンマ産卵2015・6・30トンボ王国
           ヤブヤンマ♀枯れ枝産卵から、コケ内産卵へ  
   
 ミナミヤンマ・シーズンも佳境入り。天気と相談しながら、低空飛翔の撮影ができる日高村と、産卵が狙える足摺岬を行き来しています。日高村ではそこそこ目的達成できていますが、足摺岬はさっぱりで、仕方なく道端で産卵しているオオシオカラトンボを撮影してきました。

   _Q4A1874ミナミヤンマ♀摂食飛翔2015・6・28日高村渋川  _Q4A1843ミナミヤンマ♀摂食飛翔2015・6・28日高村渋川  _Q4A1457ミナミヤンマ淡半成熟条翅型♀摂食飛翔2015・6・24日高村渋川
   ミナミヤンマ無条翅型♀  同 捕食          同 淡条翅型♀

_Q4A1915ミナミヤンマ♂飛翔2015・6・28日高村渋川 _Q4A2021ミナミヤンマ交尾2015・6・28日高村渋川 _Q4A2063ミナミヤンマ交尾2015・6・28日高村渋川 _Q4A1936コヤマトンボ探雌飛翔2015・6・28日高村渋川
物怖じしないミナミヤンマ♂         同 交尾     オマケのコヤマトンボ♂ 

   _Q4A2262オオシオカラトンボ産卵2015・6・29土佐清水市足摺半島窪津  _Q4A2273オオシオカラトンボ産卵2015・6・29土佐清水市足摺半島窪津  _Q4A2282モンキアゲハ&アガパンサス2015・6・29土佐清水市足摺半島窪津
           オオシオカラトンボ産卵     モンキアゲハ&アガパンサス

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by 杉村光俊  at 12:10 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑
イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのお知らせ

赤とんぼまつり

開催趣旨:アキアカネを筆頭に、近年激減著しい秋の赤トンボの仲間。大半の種が水田や灌漑用の溜池や水路などで育ち、日本人の「食」と深い関りがある。改めて、多くの人々に赤トンボと食の安全を考えてもらうきっかけとしたい。



【アカトンボ写真展】

内容:アキアカネなどアカトンボ属を中心として、ショウジョウトンボなど四国内に記録がある赤い体色のトンボ26種+ハイブリッド2種の生態写真64点を展示。
期間:2024年9月21日(土)2025年2月2日(日)
場所:とんぼ館ロビー

【赤とんぼクイズ】

内容:赤とんぼ写真展のキャプションの中に答えがある、A-4版用紙の3択10問クイズ。希望により有料入館者1名1回挑戦でき、8問以上正解するとナツアカネもしくはヒメアカネを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
クイズ用紙は受付で配布。年間パスポートでの入館者は、期間中8問正解できるまで何度でもチャレンジ可。

【四国の赤とんぼパズル・ゲーム】

内容:四国内で記録されているアカトンボ属17種50枚の2分割パズルを用い、10分間で5種以上完成させると、キトンボを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
チャレンジ料1回500円。

【個別観察会】

内容:トンボと自然を考える会員限定。日程・時間調整の上でスタッフが適宜実施している調査・整備作業に同行でき、希望によりトンボ撮影の便宜も図ります。
ご入会は四万十川学遊館受付のほか、ホームページからもお申し込みいただけます。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

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プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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