fc2ブログ

割引

 この冬の寒さは、格別です。22日、ヤゴ展で活躍してくれていた、ムカシトンボの終齢幼虫2頭を里帰りさせるために出向いた渓谷の陽だまりで、思いがけず日向ぼっこ?するホソミオツネントンボの♀が目に留まりました。気温は日照部でも9℃から10℃、例年ならとても活動が見られる気温ではありません。低温割引だったのでしょうか。
   _MG_6312ホソミオツネントン.gif  _MG_6328ホソミオツネントン.gif  _MG_6349ホソミオツネントン.gif
 ホソミオツネントンボ越冬地        ホソミオツネントンボ♀

 低温といえば、やはりヤゴ展でお世話になったミナミヤンマのヤゴを足摺岬にご帰還いただいた26日、恒例でオオキンカメムシ越冬地に立ち寄ったところ、凍えてしまったのか、路上にたくさんの個体が転がっていました。中には、踏みつけられてペッチャンコになったものも。供養かたがた、まだ標本として使えそうな約20個体を拾ってきたら、暖房のきいた車内で4個体が息を吹き返しました。
   _MG_6575オオキンカメムシ生.gif  _MG_6577ツバキ2011・1・26足.gif  _MG_6579アシズリノジギク201.gif
      足摺岬         ヤブツバキ        アシズリノジギク
   _MG_6598オオキンカメムシ201.gif      _MG_6569オオキンカメムシ201.gif     _MG_6560オオキンカメムシ201.gif
          越冬中のオオキンカメムシ          落下個体

とんぼ館の中庭ビオトープにあるスイレン池の氷はまだ溶け切っていませんが、ノジギクがまだ開花し続けています。トンボ保護区の一角では早くもホトケノザなど、春の花が咲き始めています。24・25日、岡山県在住の会員北山拓さんがスイレン抜きボランティアに駆けつけてくれました。遠路、お疲れ様でした。
   _MG_6415中庭ビオトープ2011.gif  _MG_6416ノジギク2011・1・23.gif  _MG_6163メジロ2011・1・22ト.gif
    中庭ビオトープ        ノジギク         メジロ
_MG_6610ムラサキサギゴケ201.gif _MG_6620カタバミ2011・1・26.gif _MG_6633ホトケノザ2011・1・.gif _MG_6635ホトケノザ2011・1・.gif
 ムラサキサギゴケ    カタバミ                  ホトケノザ
_MG_6613オオイヌノフグリ201.gif _MG_6422スギ2011・1・23トン.gif _MG_6430モンキアワフキ2011.gif _MG_6524北山ボランティア201.gif
 オオイヌノフグリ    春の危険植物(スギ)   モンキアワフキ    北山さん


画像はすべて、クリックすると拡大します。








by 杉村光俊  at 10:28 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

春さがし

 山際にあるトンボ池の水面が、1週間ほど凍りっぱなしです。こんなに長いのは記憶にありません。孵化間近だったアカガエルの卵も行方不明になりました。元気なのは、野鳥だけです。スイレン抜きなどで水面が広がったトンボ池では、3種混合のサギと、引っ越してきたカワセミが思いっきり小魚を狙っています。寒い寒いと思っていたら、早くもキヌヤナギの花が咲き始めていました。これからは「春さがし」の日々です。
_MG_6034凍りついたトンボ池2.gif _MG_5863カワセミ2011・1・17.gif _MG_5864カワセミ2011・1・17.gif _MG_5865カワセミ2011・1・17.gif
 凍りついたトンボ池      小魚めがけダイブするカワセミ

_MG_5996ダイサギ2011・1・19.gif _MG_5997ダイサギ2011・1・19.gif _MG_6002ダイサギ2011・1・19.gif _MG_6012アオサギ2011・1・19.gif
               小魚を狙うダイサギ            氷上のアオサギ

   _MG_5971コサギ2011・1・19ト.gif _MG_5992コサギ2011・1・19ト.gif   _MG_6014ハシボソガラス2011.gif
        控えめにエサを探すコサギ   ウシガエルにちょっかいを出すカラス

_MG_5891ジョウビタキ2011・1.gif _MG_5900エナガ2011・1・17ト.gif _MG_5907エナガ2011・1・17ト.gif _MG_6049キヌヤナギ2011・1・.gif
  ジョウビタキ                エナガ            キヌヤナギ  


画像はすべて、クリックすると拡大します。   

  







by 杉村光俊  at 18:41 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

積雪、再び

 スイレン抜きは、早くも?3個目の池に取り掛かっています。この作業を初めて目にされた方から、「大変ですね」の次に「どうしてですか?」とのご質問をよく頂きます。ご存知のように、スイレンはきれいな花を咲かせるので「もったいない」との含みもあるのでしょう。ということで、この件についてご説明を少々。トンボ誘致池が多くの人たちから好意的に受け止められるよう、審美的景観創出の観点から、イトトンボなどが「なわばり」の足場や「産卵」に利用する自生のヒシなどの代わりとしてスイレンを導入しています。ただ、国外が原産のスイレンは繁殖力が旺盛で、その葉があっという間に水面全体を覆ってしまいます。池や湿地など止水域では、キクモなど沈水植物の光合成および降雨や風波で水面がさざなみ立つことによって水中に酸素が供給されています。スイレンの繁茂はそれらを阻害し、ヤゴを始めとする多くの水生動物の生存を困難にさせます。また、スイレン自身も一定の日照が得られなければ蕾の成長が妨げられてしまうようで、水面いっぱいに葉を広げてしまうと、花付きも悪くなってしまいます。そもそも生物の「生きる目的」は遺伝子の拡散にあるのですから、飽和状態になれば子孫を増やすために花を咲かせる必要がなくなるわけで、間引きしてやると慌てて繁殖モードのスイッチを入れてくれるような感じでしょうか。スタッフがスイレン抜きに手を取られているスキに、いたずらイノシシが多目的広場でやりたい放題です。
 作業中、アオサギ、ダイサギを筆頭に、色々な野鳥が近くまでやってきます。昨年末の不幸な事故以来空席となっていたカワセミ指定席にも、数日前から新しい?カワセミがやってくるようになりました。
_MG_5448スイレン抜き2011・1.gif _MG_5650スイレン抜き201.gif _MG_5639多目的広場(イノシ.gif _MG_5451カワセミ2011・1・11.gif
   2個目のトンボ池のスイレン抜き        多目的広場     カワセミ

 寒さが続くので、野生生物の撮影がままならなくなっています。仕方ないので、色付き始めたタナゴたちを「水槽の中」で撮影しています。
  _MG_5480カワムツ+オイカワ2.gif  _MG_5465ヤマトテナガエビ201.gif  _MG_5645タヌキ2011・1・14四.gif
深みに集まるカワムツなど 凍える?ヤマトテナガエビ 遭遇した病症のタヌキ
  _MG_5720アブラボテ2011・1・.gif  _MG_5781シロヒレタビラ2011.gif  _MG_5804カネヒラ2011・1・15.gif
    アブラボテ         シロヒレタビラ      カネヒラ(末期)

 16日朝、トンボ王国はまた雪景色となりました。
   _MG_5821積雪2011・1・16トン.gif  _MG_5834積雪2011・1・16トン.gif  _MG_5840積雪2011・1・16トン.gif

画像はすべて、クリックすると拡大します。




by 杉村光俊  at 13:11 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

2010年トンボ・シーズン閉幕

 どうやら、2010年のトンボ・シーズンが終わったようです。1月4日、ヒメアカネ2♂の生存が確認できたものの、その後は全くの消息不明となっています
   _MG_5316湿地保護区2011・1・.gif  _MG_5252ヒメアカネ♂2011・1.gif  _MG_5314ヒメアカネ♂2011・1.gif
    ヒメアカネ終の水辺      4日まで姿を見せたヒメアカネ♂たち

谷奥の湿地保護区補修がほぼ終了、いよいよ冬季恒例「トンボ池のスイレン抜き」に入ります。このボランティアは随時募集しておりますので、お気軽に。
   _MG_5243湿地保護区修繕2011.gif  _MG_5322湿地保護区整備2011.gif  _MG_5368湿地保護区整備2011.gif
   4日 残雪の中で   6日 土手の修復ほぼ完了   7日 水面広がる

_MG_5323サザンカ2011・1・6.gif _MG_5336サザンカ2011・1・6.gif _MG_5255ヤツデ2011・1・4ト.gif _MG_5365ケラ2011・1・7トン.gif
 多目的広場のサザンカ   開花したヤツデ(時期外れ?) 掘り起こされたケラ

トンボがいなくなったので、被写体を魚に求めているものの、やっぱり寒い季節は魚も「巣籠」状態でさっぱりです。
   _MG_5405ルリヨシノボリ生息.gif  _MG_5391ルリヨシノボリ2011.gif  _MG_5350ミナミテナガエビ201.gif
    近く?の渓流       ルリヨシノボリ       ミナミテナガエビ


画像はすべて、クリックすると拡大します。


   
by 杉村光俊  at 13:26 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

雪上の赤トンボ

 予報通り、大晦日と元旦は大雪、トンボ王国も四万十川も一面の銀世界となりました。
   _MG_5045積雪2010・12・31ト.gif  _MG_5049積雪2010・12・31ト.gif  _MG_5155四万十川2011・1・1.gif
           大晦日のトンボ王国            元旦の四万十川

 大晦日の午後、不幸な出来事が一つ。「学遊館あきついお」のガラスに一羽のトラツグミが激突しました。暫くはぐったりとしていましたが、何とか起き上り、やって来たシロハラに追い立てられるように、いずこかに飛び去りました。ガラスでくちばしを押し込んだのか、左目にかなりの出血が見られたのであるいは…
   _MG_5094トラツグミ2010・12.gif  _MG_5097トラツグミ2010・12.gif  _MG_5112トラツグミ2010・12.gif
    激突直後          意識回復         飛び立ち直前

 それにしても、日照に恵まれない立地条件ゆえ、透明ガラスを多用した造りが災いしてか、当施設には通り抜けしようとした野鳥がよく衝突します。カワセミ、キジバト、ノゴマ、ミソサザイ、シロハラ…不幸な事故を少しでも減らせないかと、多少薄暗くなるのは我慢してガラス面に猛禽類のイラストシールを貼り付けたり、写真パネルを飾りつけたりしているのですが、不幸な事故は後を絶ちません。昨年暮れにもカワセミ一羽が即死しました。そのせいか、その後トンボ池で小魚を狙う、甲高い声が聞かれません。生態系保全を啓発することを目的に立てられた施設で、少なくない野鳥が犠牲になっている現実に、やりきれない思いを禁じえません。今、トンボ池ではダイサギとアオサギだけが仲良く?小魚やザリガニをついばんでいます。
_MG_5232ダイサギ+アオサギ20.gif _MG_5236アオサギ2011・1・2.gif _MG_5237アオサギ2011・1・2.gif _MG_5235ダイサギ2011・1・2.gif
 ダイサギ+アオサギ      アオサギ             ダイサギ

 さて、ここからが本題「年越し赤トンボ」のご報告です。元旦は昼下がりの短時間だけ太陽が顔をのぞかせたものの、10cmほどの積雪に加え、しばしば粉雪舞い散る生憎のお天気で捜索を断念。翌2日は朝から快晴となり、昼下がりの気温も14℃近くまで上昇、アキアカネ1♂、マユタテアカネ1♀、ヒメアカネ2♂の生存が確認できました。お蔭様で、久々に雪上の赤トンボを撮影することができました。ということで、トンボ王国の2010年トンボ・シーズンはまだ閉幕とはいかないようです。
_MG_5213残雪2011・1・2トン.gif _MG_5218ヒメアカネ♂2011・1.gif _MG_5209ヒメアカネ♂2011・1.gif  _MG_5172マユタテアカネ♀201.gif
  残雪の湿地               ヒメアカネ♂      マユタテアカネ♀


画像はすべて、クリックすると拡大します。




by 杉村光俊  at 16:14 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑
イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのお知らせ

赤とんぼまつり

開催趣旨:アキアカネを筆頭に、近年激減著しい秋の赤トンボの仲間。大半の種が水田や灌漑用の溜池や水路などで育ち、日本人の「食」と深い関りがある。改めて、多くの人々に赤トンボと食の安全を考えてもらうきっかけとしたい。



【アカトンボ写真展】

内容:アキアカネなどアカトンボ属を中心として、ショウジョウトンボなど四国内に記録がある赤い体色のトンボ26種+ハイブリッド2種の生態写真64点を展示。
期間:2024年9月21日(土)2025年2月2日(日)
場所:とんぼ館ロビー

【赤とんぼクイズ】

内容:赤とんぼ写真展のキャプションの中に答えがある、A-4版用紙の3択10問クイズ。希望により有料入館者1名1回挑戦でき、8問以上正解するとナツアカネもしくはヒメアカネを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
クイズ用紙は受付で配布。年間パスポートでの入館者は、期間中8問正解できるまで何度でもチャレンジ可。

【四国の赤とんぼパズル・ゲーム】

内容:四国内で記録されているアカトンボ属17種50枚の2分割パズルを用い、10分間で5種以上完成させると、キトンボを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
チャレンジ料1回500円。

【個別観察会】

内容:トンボと自然を考える会員限定。日程・時間調整の上でスタッフが適宜実施している調査・整備作業に同行でき、希望によりトンボ撮影の便宜も図ります。
ご入会は四万十川学遊館受付のほか、ホームページからもお申し込みいただけます。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

カテゴリー
検索フォーム
リンク
このブログをリンクに追加する
プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

最近の記事
月別アーカイブ
最近のコメント
RSSフィード