2017/11/28
不思議なレッドリスト
色付いたオオモミジやイチョウの葉々が、深まる秋を教えてくれています。
学遊館前のイチョウ オオモミジ リュウノウギク スミレも…
昼下がり、トンボ王国の赤トンボたちは、陽だまりの落ち葉に止まって余生を過ごしています。
ヒメアカネ♂ マユタテアカネ♂ アキアカネ♂
去る11日と21日、四万十市周辺ではほとんど見られなくなっているミヤマアカネが、四万十川河川敷を流れる小流に姿を見せてくれました。実は2年前にも1♂が見つかっていた場所で、ひょっとすると、密かに生殖活動が行われているかもしれません。今後、要調査です。
11日のミヤマアカネ♂ 21日の♂
スナアカネ狙いで歩く、行きつけの海浜も寂しかったシーズンを終えようとしています。
アキアカネ♂ ウスバキトンボ♀ トノサマバッタ
高知県では15年振りでレッドリストが改定されました。この間、四国中にベニトンボが居着くなど明らかに温暖化が進行、湿地化していた多くの放置田では草原化が顕著となり、カトリヤンマやミヤマアカネを育んでいた山間の棚田は深刻な人口減から周りの山林に飲み込まれ…。当然、新リストでは大幅な変動があると思っていたら、元々問題があったギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、タカネトンボの3種が普通種だったということでリストから外され(ただし、少なくとも四万十市周辺では、北方種でもあるタカネトンボの減少傾向は明らかです)、なぜか5ヶ所ほど知られていた既知の産地全てで絶滅とされているハッチョウトンボがランクを一つ下げられていたほかは、すべての種が全く同じランクに据え置かれていました。まともに調査が行われていたようにも思えず、「前回同様、東部地方で少ないのでレッドリストに留める」とされていたコシボソヤンマやヒメサナエなどについて真実を確かめるべく24日、スタッフ1名と共に、片道3時間半ほどかけて安田町に出向きました。結果、全く土地勘のない場所かつ、適当に選んだ2地点それぞれ10分ほどのタモ網すくいにもかかわらず、リストアップされている種のうちヒメサナエ、オジロサナエ、コシボソヤンマの幼虫を複数見出すことができました(撮影後に戻しました)。
調査地点A 採集個体 調査地点B 採集個体
コシボソヤンマ ヒメサナエ オジロサナエ(いずれもB地点採集)
世界的に生物多様性維持が喫緊の課題となっている今日、普通種がリストに含まれていることはともかく、今回のリストでは本当に保護が必要な種が外されていたり、低いランクに留められています。このようなリストによって、本当に守られるべきトンボ(生物)がないがしろにされる事態が起きた時、選定作業に関与した人たちはどのような責任を取ってくれるのでしょうか。
画像はすべて、クリックすると拡大します。
学遊館前のイチョウ オオモミジ リュウノウギク スミレも…
昼下がり、トンボ王国の赤トンボたちは、陽だまりの落ち葉に止まって余生を過ごしています。
ヒメアカネ♂ マユタテアカネ♂ アキアカネ♂
去る11日と21日、四万十市周辺ではほとんど見られなくなっているミヤマアカネが、四万十川河川敷を流れる小流に姿を見せてくれました。実は2年前にも1♂が見つかっていた場所で、ひょっとすると、密かに生殖活動が行われているかもしれません。今後、要調査です。
11日のミヤマアカネ♂ 21日の♂
スナアカネ狙いで歩く、行きつけの海浜も寂しかったシーズンを終えようとしています。
アキアカネ♂ ウスバキトンボ♀ トノサマバッタ
高知県では15年振りでレッドリストが改定されました。この間、四国中にベニトンボが居着くなど明らかに温暖化が進行、湿地化していた多くの放置田では草原化が顕著となり、カトリヤンマやミヤマアカネを育んでいた山間の棚田は深刻な人口減から周りの山林に飲み込まれ…。当然、新リストでは大幅な変動があると思っていたら、元々問題があったギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、タカネトンボの3種が普通種だったということでリストから外され(ただし、少なくとも四万十市周辺では、北方種でもあるタカネトンボの減少傾向は明らかです)、なぜか5ヶ所ほど知られていた既知の産地全てで絶滅とされているハッチョウトンボがランクを一つ下げられていたほかは、すべての種が全く同じランクに据え置かれていました。まともに調査が行われていたようにも思えず、「前回同様、東部地方で少ないのでレッドリストに留める」とされていたコシボソヤンマやヒメサナエなどについて真実を確かめるべく24日、スタッフ1名と共に、片道3時間半ほどかけて安田町に出向きました。結果、全く土地勘のない場所かつ、適当に選んだ2地点それぞれ10分ほどのタモ網すくいにもかかわらず、リストアップされている種のうちヒメサナエ、オジロサナエ、コシボソヤンマの幼虫を複数見出すことができました(撮影後に戻しました)。
調査地点A 採集個体 調査地点B 採集個体
コシボソヤンマ ヒメサナエ オジロサナエ(いずれもB地点採集)
世界的に生物多様性維持が喫緊の課題となっている今日、普通種がリストに含まれていることはともかく、今回のリストでは本当に保護が必要な種が外されていたり、低いランクに留められています。このようなリストによって、本当に守られるべきトンボ(生物)がないがしろにされる事態が起きた時、選定作業に関与した人たちはどのような責任を取ってくれるのでしょうか。
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