2008/09/30
アカメ放流パート2
9月29日午後、今年2回目となるアカメの里帰り放流を行いました。生憎の空模様でしたが、地元の八束小学校3年生7名にもお手伝い願い、全長40cmほどの若魚6尾が無事に生まれ故郷の四万十川に帰ることができました。3年前、近くのコアマモ場で採集した1?5cmの幼魚から育て上げたもので、この間にかかった経費は1尾あたり数万円にもなります。外からの資金援助はなく、苦しい資金繰りの中で何と無駄なことを、と思われるかもしれません。ただ、博物館や水族館は常に生物資源を消費しています。昆虫標本、とりわけトンボなどは展示のライトにさらしておくと、僅か4?5年で色あせてしまいます。従って、施設が存続する限り標本用生体を集め続けなければなりません。そのことは同時に、タイムリーな情報を提供するということにもつながっています。展示室をオバケ屋敷にさせぬよう、常に新鮮な展示物が入手できる自然環境を守る活動もまた、自然史系博物館に課せられた責務の一つと考えているのです。多くの魚を水槽内で昇天させている水族館施設もまたしかり、でしょう。今回のアカメ放流は単に1種の魚愛護として以上に、参加してくれた児童にとって、「アカメが住める四万十川」の環境保全についても考えるきっかけになれば、という狙いがあるのです。ちなみに、アカメの里帰り放流は1998年から続けているもので、これまでの放流総数は200尾にも達しています。
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アカメ | 運搬 | 放流 |
アカメ放流1 | アカメ放流2 |
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