2018/10/16
祝・15年連続60種以上
ミゾソバの花が咲き揃ったトンボ王国。スタッフ達は湿地保護区の除草作業に追われています。
ミゾソバ 除草作業(右手湿地保護区)
そんなトンボ王国では今月6日にタカネトンボ、翌7日にキトンボ、さらに15日にはネキトンボの生息が確認でき、今シーズンの記録種が61となりました。まだミヤマアカネやハネビロトンボなども記録される可能性があり、最終的な記録種はもう少し増加するかもしれませんが、取りあえず1シーズンのトンボ記録60種以上達成はこれで、2004年から15年連続となりました。整備開始当初には疑問視されていた「人手を加えるトンボ生息地の保全」でしたが、少なくない各地の有名産地が「自然放置」で輝きを失っている今日、トンボ王国の考え方が間違いではなかった、という証明でしょう。
タカネトンボ♂ キトンボ♂ ネキトンボ♂
マイコアカネ♂ コノシメトンボ♀ シオカラ♀捕食(マユタテ♂)
秋の生きものたちの活動も本格化する中、イノシシによる食害も目だってきました。
オオクサボタン キムネクマバチ受難 イノシシ荒らし
現在、過疎化による里山の荒廃や、温暖化による気候変動などで、トンボを始め多くの野生生物が激減しています。一説によれば、世界中で通常の10倍以上とされる1日100種の生物が絶滅しているそうです。食糧調達を筆頭に、現在の生態系抜きに語れない人類の存続。もっと注目されてしかるべきトンボ王国の活動ですが、身近な自然消失に起因すると考えられる子ども達の「昆虫離れ、生きもの離れ」は目を覆いたくなるほど、来訪者数はずっと伸び悩んでおり、行く先が案じられます。
そんな思いを胸に、トンボを中心とする生態系調査に専念しているわけですが、トンボ王国に近い四万十川トンボ池では、2年振りでナツアカネの産卵が見られました。アキアカネは相変わらず、その多くが堤防下に出現する雨後の水溜りで産卵しています。実にもったいないことです。
ナツアカネ連結産卵 アキアカネ交尾&連結産卵 アジアイトトンボ産卵
今シーズン、当地方にも影響を与えた台風がいくつか有りました。そこで気になるのが迷入トンボ。残念ながら?オオギンもアメイロも不発、辛うじて四万十川河口近くの水田に乾燥地を好む赤トンボ・スナアカネが少数確認できているのみ。ただ、ソテツの害虫クロマダラソテツシジミは海岸の公園で悪行?の限りを尽くしています。
ハネビロトンボ♀ スナアカネ♂ クロマダラソテツシジミ交尾
今シーズン、羽化数が激減したと伝えられている愛媛県松山市某池のオオキトンボ。旧知のカメラマン案内も兼ね、8日と9日、連チャンで出かけました。件のオオキトンボは、ここ数年に比べると少なめでしたが、幸い、周辺のため池でもそれなりの個体数が維持されているので、数年内にいなくなってしまうということは考え難い感じでした。池の水が少し富栄養化しているようなのが気がかりですが、これは昨冬に実施された護岸工事に怯えた水鳥が水面に降りられず、夏の間に広がったヒシなどの水生植物が処理されなかったせいではないかと推察しています。水の濁りは水生植物の光合成による水中の溶存酸素量を減少させ、ろ過細菌の活動やトンボ卵の孵化率低下につながってきます。今冬も、ため池の護岸工事が続けられるということなので、水鳥が除去できない枯れ水草の除去を人の手で行う必要がありそうです。ただ、個体数が多かった年には小型化が顕著でしたが、今シーズンの個体は普通サイズが多かったように感じました。
オオキトンボ交尾 同 連結産卵 同 三連結(♂♂♀) タイリクアカネ連結産卵
その他、松山市ではナニワトンボやカトリヤンマなどいつもの顔ぶれの多くが例年並みに見られましたが、マユタテアカネだけはほとんど見られず、些か気がかりです。
アオイトトンボ連結産卵 ナニワトンボ連結産卵 同 単独産卵
カトリヤンマ交尾 同 ♀産卵場所探し 同 産卵
13日は尾道方面に。三原市では、キトンボの多い池でヌートリアと遭遇、尾道市では飛来アカネもやってきそうな遠浅のため池にマイコアカネが多産していることを確認してきました。
キトンボ♂ キ♂×ネキ♀連結 ヌートリアお食事中
リスアカネ マイコアカネ♂ マユタテアカネ翅端斑♀
画像はすべて、クリックすると拡大します。
ミゾソバ 除草作業(右手湿地保護区)
そんなトンボ王国では今月6日にタカネトンボ、翌7日にキトンボ、さらに15日にはネキトンボの生息が確認でき、今シーズンの記録種が61となりました。まだミヤマアカネやハネビロトンボなども記録される可能性があり、最終的な記録種はもう少し増加するかもしれませんが、取りあえず1シーズンのトンボ記録60種以上達成はこれで、2004年から15年連続となりました。整備開始当初には疑問視されていた「人手を加えるトンボ生息地の保全」でしたが、少なくない各地の有名産地が「自然放置」で輝きを失っている今日、トンボ王国の考え方が間違いではなかった、という証明でしょう。
タカネトンボ♂ キトンボ♂ ネキトンボ♂
マイコアカネ♂ コノシメトンボ♀ シオカラ♀捕食(マユタテ♂)
秋の生きものたちの活動も本格化する中、イノシシによる食害も目だってきました。
オオクサボタン キムネクマバチ受難 イノシシ荒らし
現在、過疎化による里山の荒廃や、温暖化による気候変動などで、トンボを始め多くの野生生物が激減しています。一説によれば、世界中で通常の10倍以上とされる1日100種の生物が絶滅しているそうです。食糧調達を筆頭に、現在の生態系抜きに語れない人類の存続。もっと注目されてしかるべきトンボ王国の活動ですが、身近な自然消失に起因すると考えられる子ども達の「昆虫離れ、生きもの離れ」は目を覆いたくなるほど、来訪者数はずっと伸び悩んでおり、行く先が案じられます。
そんな思いを胸に、トンボを中心とする生態系調査に専念しているわけですが、トンボ王国に近い四万十川トンボ池では、2年振りでナツアカネの産卵が見られました。アキアカネは相変わらず、その多くが堤防下に出現する雨後の水溜りで産卵しています。実にもったいないことです。
ナツアカネ連結産卵 アキアカネ交尾&連結産卵 アジアイトトンボ産卵
今シーズン、当地方にも影響を与えた台風がいくつか有りました。そこで気になるのが迷入トンボ。残念ながら?オオギンもアメイロも不発、辛うじて四万十川河口近くの水田に乾燥地を好む赤トンボ・スナアカネが少数確認できているのみ。ただ、ソテツの害虫クロマダラソテツシジミは海岸の公園で悪行?の限りを尽くしています。
ハネビロトンボ♀ スナアカネ♂ クロマダラソテツシジミ交尾
今シーズン、羽化数が激減したと伝えられている愛媛県松山市某池のオオキトンボ。旧知のカメラマン案内も兼ね、8日と9日、連チャンで出かけました。件のオオキトンボは、ここ数年に比べると少なめでしたが、幸い、周辺のため池でもそれなりの個体数が維持されているので、数年内にいなくなってしまうということは考え難い感じでした。池の水が少し富栄養化しているようなのが気がかりですが、これは昨冬に実施された護岸工事に怯えた水鳥が水面に降りられず、夏の間に広がったヒシなどの水生植物が処理されなかったせいではないかと推察しています。水の濁りは水生植物の光合成による水中の溶存酸素量を減少させ、ろ過細菌の活動やトンボ卵の孵化率低下につながってきます。今冬も、ため池の護岸工事が続けられるということなので、水鳥が除去できない枯れ水草の除去を人の手で行う必要がありそうです。ただ、個体数が多かった年には小型化が顕著でしたが、今シーズンの個体は普通サイズが多かったように感じました。
オオキトンボ交尾 同 連結産卵 同 三連結(♂♂♀) タイリクアカネ連結産卵
その他、松山市ではナニワトンボやカトリヤンマなどいつもの顔ぶれの多くが例年並みに見られましたが、マユタテアカネだけはほとんど見られず、些か気がかりです。
アオイトトンボ連結産卵 ナニワトンボ連結産卵 同 単独産卵
カトリヤンマ交尾 同 ♀産卵場所探し 同 産卵
13日は尾道方面に。三原市では、キトンボの多い池でヌートリアと遭遇、尾道市では飛来アカネもやってきそうな遠浅のため池にマイコアカネが多産していることを確認してきました。
キトンボ♂ キ♂×ネキ♀連結 ヌートリアお食事中
リスアカネ マイコアカネ♂ マユタテアカネ翅端斑♀
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