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田んぼの赤トンボを求めて

 またまたイノシシとの戦いが始まったトンボ王国。3か所の湿地保護区を防獣柵で囲んだ分、まだ囲い切れていないスイレン池やハナショウブ池は、かつてないほどの惨状となっています。そんなことで、まだトンボシーズン最中ですが、その補修作業にも汗をかいています。

  0W9A1095イノシシ荒らし&補修2020・11・22トンボ王国 0W9A1152水路補修2020・11・23トンボ王国右手湿地保護区 0W9A1160水路補修2020・11・23トンボ王国右手湿地保護区 - コピー
   イノシシ荒らし   湿地保護区補修前(左)&補修後(右)

  0W9A0488オオアオイトトンボ♂2020・11・16トンボ王国ロウ 0W9A0517オオアオイトトンボ連結産卵2020・11・16トンボ王国 0W9A0366コフキヒメイトトンボ♂2020・11・15トンボ王国
  オオアオイトトンボ♂  同 連結産卵 コフキヒメイトトンボ♂

  0W9A1102キトンボ♂2020・11・22トンボ王国 0W9A1020ツマグロヒョウモン追尾2020・11・20トンボ王国 0W9A0730カワセミ2020・11・18トンボ王国
   キトンボ♂   ツマグロヒョウモン追尾  カワセミ

 四万十川トンボ池では、リスアカネやベニトンボがまだ頑張っています。

  0W9A0952リスアカネ交尾2020・11・20四万十市中村四万十町四万十川トンボ池 0W9A0772リスアカネ連結産卵2020・11・18四万十市中村四万十町四万十川トンボ池 0W9A0947リスアカネ♂捕殺(ジョロウグモ)2020・11・20四万十市中村四万十町四万十川トンボ池
   リスアカネ交尾  同 連結産卵  同 ♂捕殺(ジョロウグモ)

  0W9A0230ベニトンボ♂2020・11・14四万十市鍋島四万十川トンボ池 0W9A0232ベニトンボ産卵2020・11・14四万十市鍋島四万十川トンボ池 0W9A0756ウスバキトンボ♂羽化2020・11・18四万十市中村四万十町四万十川トンボ池
   ベニトンボ♂    同 警護産卵   ウスバキトンボ♂羽化 

 減少+柵だらけで撮影に苦慮している「水田地帯で産卵する赤トンボ」撮影。今シーズンはさらにコロナ禍も加わって動き難くなっていますが、何とか例年並みの成果を残しつつあります。

  0W9A0642タイリクアカネ♂2020・11・17愛媛県松山市 0W9A0631タイリクアカネ連結産卵2020・11・17愛媛県松山市 0W9A1049ミヤマアカネ連結産卵2020・11・21日高村
   タイリクアカネ♂  同 連結産卵   ミヤマアカネ連結産卵

  0W9A1085アキアカネ連結産卵2020・11・21日高村 0W9A1321マユタテアカネ連結産卵2020・11・26三原村 0W9A1483コノシメトンボ連結産卵2020・11・27三原村宮ノ川
アキアカネ連結産卵 マユタテアカネ連結産卵 コノシメトンボ連結産卵

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by 杉村光俊  at 16:35 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

終盤戦

 暑い暑い、と言っている内に暦は11月も半ば。さすがに朝夕の冷え込みが応える日も増えてきました。ツワブキの花だらけとなったトンボ王国で、遅ればせながらヒメアカネの産卵撮影に取り掛かっています。人手不足で湿地保護区の除草作業は遅れに遅れており、まだ広くない作業後の湿地に産卵個体が集中するので、皮肉なことに撮影はむしろ楽です。

  0W9A9463キタキチョウ吸蜜ツワブキ2020・11・6トンボ王国右手湿地保護区 0W9A9924ヒメアカネほか生息地2020・11・9トンボ王国右手湿地保護区 0W9A9919ヒメアカネ♂2020・11・9トンボ王国右手湿地保護区
 ツワブキ&キタキチョウ  湿地保護区    ヒメアカネ♂

  0W9A9911ヒメアカネ交尾2020・11・9トンボ王国右手湿地保護区 0W9A9936ヒメアカネ連結産卵2020・11・9トンボ王国右手湿地保護区 0W9A9962ヒメアカネ単独産卵2020・11・9トンボ王国右手湿地保護区
   ヒメアカネ交尾   同 連結産卵    同 ♂警護産卵

 気が付けば、近シーズンはオオアオイトトンボの産卵もまだ見ていません。今年もイノシシ被害が甚大なトンボ王国ですが、とりあえずオオアオイトの産卵ポイントだけ補修しました。まだ間に合うでしょうか?

  0W9A9653イノシシ荒らし2020・11・7トンボ王国 0W9A9477オオアオイトトンボ産卵場所補修2020・11・6トンボ王国 0W9A9742オオアオイトトンボ産卵場所2020・11・8トンボ王国
 イノシシ荒らしの状況  オオアオイト産卵場所補修前&補修後

  0W9A9883マユタテアカネ連結産卵2020・11・9トンボ王国右手湿地保護区 0W9A0064フジツツジ2020・11・12トンボ王国 0W9A0058除草2020・11・12トンボ王国ロウ
 マユタテアカネ連結産卵  フジツツジ     除草作業中
  
 赤トンボの産卵撮影といえば、四万十川河川敷2ヶ所に整備されているトンボ池ですが、周囲の樹木が生長し風通しが悪くなったため、アキアカネやマイコアカネなど風通しのいい水辺を好む種類は「さっぱり」です。アキアカネは近くの排水路ばかりに集まっています。幸い、近々リフォーム作業をしてもらえそうなので、来シーズンはもっと楽しめそうです。

  0W9A0171四万十川トンボ池2020・11・11四万十市鍋島 0W9A0049アキアカネ連結産卵2020・11・12四万十市鍋島四万十川トンボ池 0W9A0037オオアオイトトンボ♂2020・11・12四万十市中村四万十町四万十川トンボ池産
  下流側のトンボ池  アキアカネ連結産卵 オオアオイトトンボ♂
  
 ベニトンボが頑張っているので産卵を狙っていますが、まだ着水の瞬間は押さえ切れていません。齢のせいか、疲れのせいか、反射神経が鈍っているようです…

  0W9A0057ベニトンボ♂2020・11・12四万十市鍋島四万十川トンボ池 0W9A9980ベニトンボ♂2020・11・9四万十市鍋島四万十川トンボ池 0W9A0149ベニトンボ産卵2020・11・11四万十市鍋島四万十川トンボ池
  ベニトンボほぼ成熟♂  同 成熟♂     同 産卵

  0W9A0161アオイトトンボ♂2020・11・11四万十市鍋島四万十川トンボ池 0W9A0040ホソミオツネントンボ未成熟♀2020・11・12四万十市鍋島四万十川トンボ池 0W9A0129キトンボ♂2020・11・11四万十市鍋島四万十川トンボ池
  アオイトトンボ♂ ホソミオツネントンボ未成熟♀ キトンボ♂

 近日中に松山市の学校でトンボの話をさせてもらえることになったので、去る3日、その周辺の水辺に関する資料集めに行ってきました。やはり、理想郷そのものでした。

  0W9A8571オオキトンボ連結産卵2020・11・3愛媛県松山市 0W9A8636ナツアカネ連結産卵2020・11・3愛媛県松山市 0W9A8587カトリヤンマ♂探雌飛翔2020・11・3愛媛県松山市
 オオキトンボ連結産卵 ナツアカネ連結産卵 カトリヤンマ探雌飛翔」

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by 杉村光俊  at 18:36 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑

一ヶ所一種

 ツワブキの花が見ごろを迎えたトンボ王国。同じく満開のヨシノアザミには、吸蜜のホシホウジャクが集まっています。

  0W9A7407ツワブキ2020・10・27トンボ王国右手湿地保護区 0W9A7668ホシホウジャク吸蜜&ヨシノアザミ2020・10・29トンボ王国 0W9A7610ホシホウジャク吸蜜&ヨシノアザミ2020・10・29トンボ王国
   ツワブキ        ヨシノアザミとホシホウジャク

 また2年前に育ち過ぎた2本のケヤキを伐採した「とんぼ館中庭ビオトープ」では、たっぷりの日差しを浴びて育つようになったフジバカマ群落に南下中のアサギマダラが次々と舞い降りています。

  0W9A6436フジバカマ2020・10・23トンボ王国あきついお中庭ビオトープ 0W9A7229アサギマダラ2020・10・27トンボ王国あきついお中庭ビオトープ 0W9A7248アサギマダラ2020・10・27トンボ王国あきついお中庭ビオトープ
   フジバカマ       舞い降りたアサギマダラ  

 晴天の昼下がりには、湿地保護区を囲う防獣柵で多くの赤トンボがハネを休めています。

  0W9A7389マユタテアカネ♂&ノシメトンボ♀2020・10・27トンボ王国右手湿地保護区 0W9A7379ナツアカネ♂2020・10・27トンボ王国右手湿地保護区 0W9A7064キトンボ♂2020・10・26トンボ王国右手湿地保護区
  マユタテ♂&ノシメ♀  ナツアカネ♂    キトンボ♂

  0W9A6445アキアカネ赤化型♀2020・10・23トンボ王国 0W9A6119アキアカネ♂2020・10・20トンボ王国 0W9A6257ミゾソバ2020・10・21トンボ王国多目的広場
   アキアカネ♀    同 ♂        ミゾソバ

 そろそろ、ヒメアカネやキトンボの産卵を狙わないといけない季節になりました。そこで、スタッフたちは除草作業に精を出しているのですが、防獣柵未設置の場所はすぐにイノシシのエサ場と化してしまいます。湿地保護区の大半を囲ったこともあり、行き場が少なくなった今年のイノシシたちは池の中にある島もグチャグチャに。被害は保護区入り口の博物館近くにまで迫っています。

  0W9A6295除草作業2020・10・21トンボ王国本谷奥湿地保護区 0W9A7059イノシシ荒らし2020・10・28トンボ王国 0W9A7065イノシシ荒らし2020・10・28トンボ王国
   除草作業中         イノシシ荒らしの状況
  
 春先の少雨と、アメリカザリガニの大繁殖で1頭の羽化も確認できなかった四万十川トンボ池のアオイトトンボ。奇跡的?に♂4頭と、ノーマル♀1頭が水辺に戻ってきました。どうにか、来シーズンにつながったようです。

  0W9A7306アオイトトンボ連結産卵2020・10・27四万十市中村四万十町四万十川トンボ池 0W9A7326アオイトトンボ連結潜水産卵2020・10・27四万十市中村四万十町四万十川トンボ池 0W9A7328アオイトトンボ連結潜水産卵2020・10・27四万十市中村四万十町四万十川トンボ池
          アオイトトンボ連結潜水産卵

 周囲の雑木が成長した同所の赤トンボは、リスアカネが優占種になってきた感じです。結局今シーズン、同所でナツアカネの産卵を確認することはできませんでした。かつては一ヶ所の水辺で多くの赤トンボを見ることができた四万十地方ですが、近年は一ヶ所の水辺で一種類でも赤トンボの産卵が確実に見られれば上出来、といった感じになってきました。なお、北風が吹き込んだ翌日、下流のトンボ池でアオビタイトンボの♂が見つかりました。すでに定着が確認されている山口県か、近年ちょくちょく見つかる松山市あたりからの飛来と推察されますが、北風で南方系のトンボがやってくるのも不思議な話です。

  0W9A6523リスアカネ交尾2020・10・23四万十市中村四万十町四万十川トンボ池 0W9A6451四万十川トンボ池2020・10・23四万十市中村四万十町四万十川河川敷 0W9A6106リスアカネ連結産卵2020・10・20四万十市中村四万十町四万十川トンボ池
   リスアカネ交尾        同 連結産卵

  0W9A6506ノシメトンボ連結産卵2020・10・23四万十市中村四万十町四万十川トンボ池 0W9A6053アキアカネ連結産卵2020・10・20四万十市四万十川トンボ池横水溜まり 0W9A6977アオビタイトンボ老熟♂2020・10・25四万十市四万十川トンボ池
  ノシメトンボ連結産卵 アキアカネ連結産卵 アオビタイトンボ♂ 

 次々と防獣柵に囲われる四万十地方の水田地帯、稲刈り後の水田で赤トンボの産卵が撮れる場所も残りわずか。来シーズン、マイコアカネの産卵が撮れる水田は残っているでしょうか…

  0W9A7605マイコアカネ♂2020・10・29四万十市 0W9A7827マイコアカネ交尾2020・10・30四万十市 0W9A7846マイコアカネ連結産卵2020・10・30四万十市
   マイコアカネ♂   同 交尾      同 連結産卵
  
 赤トンボのみならず、健全な山田の激減で近くでの撮影ができなくなったカトリヤンマ。2年振りでの松山市ロケ、今回は地元Iさんのアドバイスで黄昏摂食飛翔も撮れました。

  0W9A5785カトリヤンマ産卵2020・10・19松山市 0W9A5911カトリヤンマ♂摂食飛翔2020・10・19松山市 0W9A5873カトリヤンマ♀摂食飛翔2020・10・19松山市
  カトリヤンマ産卵  同 ♂黄昏摂食飛翔  同 ♀黄昏摂食飛翔
  
 時期になったので、いつもの場所にミヤマアカネの産卵を狙いに出かけました。まだ暑過ぎるのか、さっぱり。赤トンボの個体数自体も激減しているようで、この先が案じられます。

  0W9A8216ミヤマアカネ♂2020・11・1土佐清水市 0W9A8183ミヤマアカネ♂探雌飛翔2020・11・1土佐清水市 0W9A8157ミヤマアカネ産卵2020・11・1土佐清水市
   ミヤマアカネ♂   同 ♂ 探雌飛翔   同 ♀産卵飛翔

 仕方がないので近くの川で魚を撮ってきました。

  0W9A8283ユゴイ2020・11・1土佐清水市 0W9A8295ヌマチチブ2020・11・1土佐清水市 0W9A8303ゴクラクハゼ2020・11・1土佐清水市
   ユゴイ       ヌマチチブ     ゴクラクハゼ

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by 杉村光俊  at 13:53 |  トンボ王国最新情報 |  comment (0)  |   |  page top ↑
イベント情報・お知らせ
トンボ王国のホームページはこちらからどうぞ
www.gakuyukan.com/

催しのお知らせ

赤とんぼまつり

開催趣旨:アキアカネを筆頭に、近年激減著しい秋の赤トンボの仲間。大半の種が水田や灌漑用の溜池や水路などで育ち、日本人の「食」と深い関りがある。改めて、多くの人々に赤トンボと食の安全を考えてもらうきっかけとしたい。



【アカトンボ写真展】

内容:アキアカネなどアカトンボ属を中心として、ショウジョウトンボなど四国内に記録がある赤い体色のトンボ26種+ハイブリッド2種の生態写真64点を展示。
期間:2024年9月21日(土)2025年2月2日(日)
場所:とんぼ館ロビー

【赤とんぼクイズ】

内容:赤とんぼ写真展のキャプションの中に答えがある、A-4版用紙の3択10問クイズ。希望により有料入館者1名1回挑戦でき、8問以上正解するとナツアカネもしくはヒメアカネを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
クイズ用紙は受付で配布。年間パスポートでの入館者は、期間中8問正解できるまで何度でもチャレンジ可。

【四国の赤とんぼパズル・ゲーム】

内容:四国内で記録されているアカトンボ属17種50枚の2分割パズルを用い、10分間で5種以上完成させると、キトンボを模したミニ・ビーズトンボ・ストラップを進呈。
チャレンジ料1回500円。

【個別観察会】

内容:トンボと自然を考える会員限定。日程・時間調整の上でスタッフが適宜実施している調査・整備作業に同行でき、希望によりトンボ撮影の便宜も図ります。
ご入会は四万十川学遊館受付のほか、ホームページからもお申し込みいただけます。

毎日イベント・ビーズトンボ携帯ストラップ作り&四万十川の蛇紋岩みがき
内容:ビーズで作るトンボ・アクセサリーの携帯ストラップ版(簡素化したデザインで、所要時間約30分)と、磨くほどに輝きを増す四万十川の蛇紋岩みがき(所要時間約30分)。

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プロフィール

杉村光俊

Author:杉村光俊
1955年高知県中村市(現四万十市)に生まれる。
1985年(社)トンボと自然を考える会常務理事
日本蜻蛉学会会員
トンボ生態写真家

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