母たる存在だったナタリアを殺し
生き方が固まってしまった切嗣。
今回も、最小限の犠牲で他を救う
切嗣の考えを端的に表し出来事でした。
今回はナタリアを殺す時に登場した
カモメが何を意味・象徴しているのかを
簡単に交えながら書きました。
感想

切嗣の魔術的な特性について話すナタリア。
なんだか、仮面ライダーの改造手術っぽい感じがします。
ここでナタリアから切嗣は相手の魔術回路を切り離し、
バラバラに繋ぎ合わせてしまう素質の持ち主であることがわかります。
ちなみに少年時代の頃のように、瞳は真っ黒に染まり明るさは存在しません。
切嗣はこの時点で少年時代とは別の存在となっているのです。

ナタリアの教えを受けながら、成長していく切嗣。
でも、戦いの場では多くの人が犠牲になっていく光景を目にする切嗣。
犠牲を増やしたくないから戦っているのに...
切嗣はどうあっても自然に「犠牲を増やしたくない」と考える性分のようです。
ここでナタリアが「全てのこういう奴らを皆殺しできれば・・・冗談だ」と呟きますが
おそらく切嗣は本気にしたと思います。

ナタリアの次の仕事は、前に仕留めそこなった魔術師の殺害。
相手に気配を感じさせる前に消え去ったナタリア。流石です。

飛行機に乗車して、後ろから殺します。ここまでは順調です。

しかし魔術師は体内に虫(蜂?)を飼っていた為に
体内から虫が飛び出し、乗客がゾンビ・グール状態に。
あまりに凄惨な光景ですが、何より大ピンチのナタリア。


結局、乗客全員ゾンビ。
ナタリアは空港と連絡を取り、着陸を試みようとします。
そんな中、切嗣とはまるで別れを行うような会話を繰り広げます。
切嗣はここでナタリアに育てられたことに感謝しつつ、
ナタリアもまんざらでは無かった事を告白します。
二人にとってこの関係は家族ごっこではあったのでしょうが、
居心地の良かったものだったのでしょう。
切嗣はナタリアを「父親」と例えました。
父親のような厳しさを持っていて、実際にそう育てられたから。
そしてそれ以上に「母親」のように優しく見守ってくれた存在だったのでしょう。

切嗣はここである決意をします。
母殺し、そしてカメメ。カモメの象徴する意味は?



ここで切嗣とナタリアの会話をしている間に飛んできたのがカモメです。
否応なく二人の状況を盛り上げてしまうカモメ。
結局、切嗣は犠牲を増やさないという生来身に着けている考えに基づいて
飛行機ごと撃沈させようとします。それはナタリアの死を意味します。

ナタリアも気づいていたのでしょうね。
着陸するとは、自分で言っていても、切嗣がこの状況を知れば自分ごと撃ち落とすであろうと。
だから最後に笑った「切嗣らしい」と。
では、このカモメの象徴とは何なのでしょうか。
サントリーのHPによると、
カモメは海と航海を象徴する鳥で、おぼれ死んだ水夫の魂が姿をかえたものといわれます。むやみに殺すことは不吉であり家の窓にカモメがぶつかると良くないことが起こるとされています。
http://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/22.html サントリーの愛鳥活動(日本の鳥百科より)
ここで本編のシーンと結び付けられるのは、海と不吉でしょうか。
ナタリアを殺す事=不吉であるという結びつきは可能かと思います。
また聖書的に考えて、カモメを鳥の象徴になぞらえるなら
鳥は死者の魂という象徴・捉え方をよくされるので、
ナタリアの死を見守る・ナタリアの魂を空に運ぶものとして見立てる事も可能でしょう。
何にしても「鳥」は「死」と結びつく。
単純にナタリアの死を意味していると読み取れるのではないでしょうか。
ちなみに日本のアニメで鳥といえば、押井守監督が第一人者だと思います。
押井監督も、今回のFate/Zeroのようにここぞという
クライマックスシーンでは鳥を使い、鳥を聖書の象徴に見立てて演出される方です。
(※パトレイバーⅡ劇場版が最たるものだと思います)
今回の絵コンテを担当された三浦貴博さんが押井監督の影響を受けて
この演出をやったのかどうかわかりませんが、気になるところではあります。
このカモメを使った一連のシーンは良かったですね。
もしカモメがいなかったら、もうちょっと違うものになっていたでしょうね。
まとめ

シャーレィの時には泣かなかったのに対し、ナタリアの時は泣いた切嗣。
愛していた人を何人も殺してきた切嗣は、
おそらくこれまで以上に「犠牲を出さない」という気持ちに支配されてしまったのでしょう。
それゆえに今のような、スタイル=聖杯戦争へのコミットになっていったのでしょう。
以上、切嗣の過去編というわけでしたが、
クライマックに近づいて、物語のキーとなるキャラを描くという構成は
同じ虚淵さんがシナリオを手掛けた「魔法少女☆まどかマギカ」をイメージさせます。
まどか☆マギカも、全1クール中の10話というクライマックス直前で
暁美ほむらの今までの経緯を描いた構成でしたので、
Fateも全20何話中の18・19話で過去話を持ってきたこと考えれば
ほぼタイミング的には近いかなぁと思います。
と考えると、次回以降はライダー・セイバー・ギルガメッシュ・バーサーカーなどの
決着がますます付いてくる展開になる事は必死でしょう。
切嗣が聖杯戦争で何をしたいのかまだ読めませんが、
とにかく彼の行動信念とその信念が醸成されていた経緯が見て取れた展開でした。
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感想

切嗣の魔術的な特性について話すナタリア。
なんだか、仮面ライダーの改造手術っぽい感じがします。
ここでナタリアから切嗣は相手の魔術回路を切り離し、
バラバラに繋ぎ合わせてしまう素質の持ち主であることがわかります。
ちなみに少年時代の頃のように、瞳は真っ黒に染まり明るさは存在しません。
切嗣はこの時点で少年時代とは別の存在となっているのです。

ナタリアの教えを受けながら、成長していく切嗣。
でも、戦いの場では多くの人が犠牲になっていく光景を目にする切嗣。
犠牲を増やしたくないから戦っているのに...
切嗣はどうあっても自然に「犠牲を増やしたくない」と考える性分のようです。
ここでナタリアが「全てのこういう奴らを皆殺しできれば・・・冗談だ」と呟きますが
おそらく切嗣は本気にしたと思います。

ナタリアの次の仕事は、前に仕留めそこなった魔術師の殺害。
相手に気配を感じさせる前に消え去ったナタリア。流石です。

飛行機に乗車して、後ろから殺します。ここまでは順調です。

しかし魔術師は体内に虫(蜂?)を飼っていた為に
体内から虫が飛び出し、乗客がゾンビ・グール状態に。
あまりに凄惨な光景ですが、何より大ピンチのナタリア。


結局、乗客全員ゾンビ。
ナタリアは空港と連絡を取り、着陸を試みようとします。
そんな中、切嗣とはまるで別れを行うような会話を繰り広げます。
切嗣はここでナタリアに育てられたことに感謝しつつ、
ナタリアもまんざらでは無かった事を告白します。
二人にとってこの関係は家族ごっこではあったのでしょうが、
居心地の良かったものだったのでしょう。
切嗣はナタリアを「父親」と例えました。
父親のような厳しさを持っていて、実際にそう育てられたから。
そしてそれ以上に「母親」のように優しく見守ってくれた存在だったのでしょう。

切嗣はここである決意をします。
母殺し、そしてカメメ。カモメの象徴する意味は?



ここで切嗣とナタリアの会話をしている間に飛んできたのがカモメです。
否応なく二人の状況を盛り上げてしまうカモメ。
結局、切嗣は犠牲を増やさないという生来身に着けている考えに基づいて
飛行機ごと撃沈させようとします。それはナタリアの死を意味します。

ナタリアも気づいていたのでしょうね。
着陸するとは、自分で言っていても、切嗣がこの状況を知れば自分ごと撃ち落とすであろうと。
だから最後に笑った「切嗣らしい」と。
では、このカモメの象徴とは何なのでしょうか。
サントリーのHPによると、
カモメは海と航海を象徴する鳥で、おぼれ死んだ水夫の魂が姿をかえたものといわれます。むやみに殺すことは不吉であり家の窓にカモメがぶつかると良くないことが起こるとされています。
http://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/22.html サントリーの愛鳥活動(日本の鳥百科より)
ここで本編のシーンと結び付けられるのは、海と不吉でしょうか。
ナタリアを殺す事=不吉であるという結びつきは可能かと思います。
また聖書的に考えて、カモメを鳥の象徴になぞらえるなら
鳥は死者の魂という象徴・捉え方をよくされるので、
ナタリアの死を見守る・ナタリアの魂を空に運ぶものとして見立てる事も可能でしょう。
何にしても「鳥」は「死」と結びつく。
単純にナタリアの死を意味していると読み取れるのではないでしょうか。
ちなみに日本のアニメで鳥といえば、押井守監督が第一人者だと思います。
押井監督も、今回のFate/Zeroのようにここぞという
クライマックスシーンでは鳥を使い、鳥を聖書の象徴に見立てて演出される方です。
(※パトレイバーⅡ劇場版が最たるものだと思います)
今回の絵コンテを担当された三浦貴博さんが押井監督の影響を受けて
この演出をやったのかどうかわかりませんが、気になるところではあります。
このカモメを使った一連のシーンは良かったですね。
もしカモメがいなかったら、もうちょっと違うものになっていたでしょうね。
まとめ

シャーレィの時には泣かなかったのに対し、ナタリアの時は泣いた切嗣。
愛していた人を何人も殺してきた切嗣は、
おそらくこれまで以上に「犠牲を出さない」という気持ちに支配されてしまったのでしょう。
それゆえに今のような、スタイル=聖杯戦争へのコミットになっていったのでしょう。
以上、切嗣の過去編というわけでしたが、
クライマックに近づいて、物語のキーとなるキャラを描くという構成は
同じ虚淵さんがシナリオを手掛けた「魔法少女☆まどかマギカ」をイメージさせます。
まどか☆マギカも、全1クール中の10話というクライマックス直前で
暁美ほむらの今までの経緯を描いた構成でしたので、
Fateも全20何話中の18・19話で過去話を持ってきたこと考えれば
ほぼタイミング的には近いかなぁと思います。
と考えると、次回以降はライダー・セイバー・ギルガメッシュ・バーサーカーなどの
決着がますます付いてくる展開になる事は必死でしょう。
切嗣が聖杯戦争で何をしたいのかまだ読めませんが、
とにかく彼の行動信念とその信念が醸成されていた経緯が見て取れた展開でした。
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