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【J2降格】柏レイソルは「びっくり降格」と言えるのか？言えないのか？ | | |　

■　アウェイでC大阪に勝利したものの・・・。

2018年のJ1は稀に見る大混戦になっているが柏のJ2降格が確定した。残り2試合となった時点で14位の湘南と15位の鳥栖と16位の名古屋との差は「4」。最終節は名古屋 vs 湘南というカードが組まれているので「2連勝できれば自動降格を避けられる可能性はそれなりに高い。」と思われていたがターゲットだった湘南と鳥栖と名古屋がいずれも33節の試合で勝ち点「3」を獲得したことで柏はジ・エンドとなった。

アウェイでC大阪と対戦した柏は岩瀬監督の初陣だった。「負けると自動降格が確定する。」という状況だったが後半に3ゴールを奪って3対0で大勝。同じ1995年にJリーグに昇格してきた同期のC大阪に完勝したものの、湘南と鳥栖と名古屋が揃って勝利を飾ったことで逆転残留の可能性は消滅した。14位と15位と16位のチームがすべて勝利する確率は決して高くないことを考えると「まさかの展開」と言えた。

ピッチ上でプレーしていた選手は「残留の可能性は残った。」と思いながらプレーしていたと思うので試合後に残酷な報告を聞くことになってしまった。この結果、柏は17位でシーズンを終えることになったが開幕前は上位候補と言われていたことを考えると「まさかの降格」と言える。2005年と2009年に次いで3度目のJ2降格となった。「1年でのJ1復帰」が至上命題となるが、2010年以来のJ1での戦いが待っている。

■　2度の監督交代も実らず・・・。

監督交代がキーになった。上位候補と言われながら勝ちきれない試合が続いたので14節を終えた時点で下平体制をあきらめてクラブOBの加藤望氏に再建を託したが成功せず。下平体制では14試合で5勝7敗2分けだったが、加藤体制では18試合で5勝12敗1分けと散々な成績だった。岩瀬監督になって最初の試合は3対0の完勝だったことを踏まえると加藤望監督をもっと早いタイミングで斬っても良かった。

そもそもとして下平監督をあのタイミングで斬ったことも賛否両論だった。上位候補と言われたチームであることを考えると14試合で5勝7敗2分けというのは決して良くないがどうしようもないほど悪い成績ではない。同じような形で逃げ切りに失敗するケースが続いたこともあって「流れを変えないといけない。」とフロントは判断したのだと思うが、「下平監督をもっと引っ張っても良かった。」という意見も少なくない。

「J1で16位になるチームがどこになのか？」は確定していないので2019年のJ2の22チームの顔ぶれはまだ決まっていないが「柏が大本命」になる可能性が高い。唯一、名古屋が16位になって参入決定戦に回ってJ2に降格した場合は話は変わってくるが、J1の16位のチームが参入決定戦を制して残留を決めた場合はもちろんのこと、湘南や鳥栖がJ2降格となった場合も「柏が2019年のJ2の大本命」になるだろう。

■　±の数値は歴代でもワースト3位

590名が参加した「順位予想バトル(J1編)」の順位予想を振り返ってみると柏の平均予想順位は5.52位だった。これは1位の鹿島、2位の川崎F、3位のC大阪、4位の浦和に次ぐ5番目だった。126名(=21.4%)が柏を3位以内に予想しており、16位以下に予想した人は590名のうち、わずか1名のみ。11位以下に予想した人も26名(=4.4%)のみであることを考えると文句なしで「びっくり降格」と言えるだろう。

　2018/01/07 　【J1】順位予想バトル 2018年版受付終了 (参加者：590名)
　2018/01/08 　【J2】順位予想バトル 2018年版受付終了 (参加者：243名)

2013年の磐田、2014年のC大阪、2015年の清水、2016年の名古屋など、J1での実績が豊富なチームのJ2降格が目立っているが、2013年の磐田と2015年の清水と2016年の名古屋に関しては「開幕前の評価はそこまで高くなかったのでJ2に降格したことも大きな驚きではない。」と言えるが、今シーズンの柏についてはほとんどの人が予想しなかった結果である。「びっくり降格」と表現するのが自然と言える。

表1は2007年以降の順位予想バトル(J1編)の「±の数字がマイナス方向に大きくなったチーム(ワースト20)」を示しているが、-11.23になることが確定した柏は歴代でも3番目。2012年のG大阪の-13.11、2014年のC大阪の-11.69に次ぐワースト3位になる。ちなみに比較対象として名前を挙げた2013年の磐田は-6.84で歴代ではワースト12位になる。2015年の清水は-2.01、2016年の名古屋は-3.71になる。

ということで「びっくり降格」の代表例に挙げられることが多い2012年のG大阪と2014年のC大阪に次ぐ数字になる。なので、「今シーズンの柏の降格は予想できた結果である。」と主張するのはかなり無理がある。Jリーグはサプライズが極めて多いリーグであるがそんな中でも今回の柏の降格は最大級のサプライズになる。これだけのタレントを揃えながらの降格なのでフロントや監督が責められても仕方がない。

表1.±の数値のワースト20 (2007年-2018年)

ランク	年度	クラブ名	±	前評判(ランク)	平均予想順位	最終順位	備考
1	2012	G大阪	-13.11	3	3.89	17	降格
2	2014	C大阪	-11.69	5	5.31	17	降格
3	2018	柏	-11.23	5	5.77	17	降格
4	2010	FC東京	-10.54	5	5.46	16	降格
5	2011	浦和	-10.05	4	4.95	15
6	2017	広島	-8.83	7	6.17	15
7	2009	大分	-8.29	8	8.71	17	降格
8	2017	大宮	-8.11	9	9.89	18	降格
9	2012	神戸	-8.09	7	7.91	16	降格
10	2017	FC東京	-7.66	4	5.34	13
11	2008	磐田	-7.28	9	8.72	16	入替戦→残留
12	2013	磐田	-6.84	12	10.16	17	降格
13	2007	広島	-6.57	9	9.43	16	入替戦→降格
14	2013	柏	-6.19	2	3.81	10
15	2009	千葉	-6.08	12	11.92	18	降格
16	2011	川崎F	-5.99	5	5.01	11
17	2012	鹿島	-5.77	4	5.23	11
18	2013	仙台	-5.74	6	7.26	13
19	2012	名古屋	-5.47	1	1.53	7
20	2013	名古屋	-5.13	4	5.87	11