■ 着実に進化する柏レイソルのFW工藤壮人はプロ1年目の2009年はJ1で3試合に出場してノーゴールだったが、プロ2年目の2010年はJ2で27試合で10ゴールで、プロ3年目の2011年はJ1で25試合で7ゴールで、プロ4年目の2012年はJ1で33試合で13ゴールと、毎年、確実に数字を伸ばしていて、プロ5年目となる2013年も開幕5試合で5ゴールとハイペースでゴールを重ねている。
新加入でエースとして期待されたFWクレオが怪我で試合に出場できない時期が続いたにもかかわらず、ACLでも、リーグ戦でも、チームとして結果を残している最大の功労者であり、攻撃的なポジションの中では、MFレアンドロ・ドミンゲスに次ぐ存在になったと言っても過言ではない。今シーズンから背番号「9」を背負っているが、偉大な番号に恥じない活躍を見せている。
ここ最近は、センターフォワードで起用されることが増えているが、サイドハーフでも機能する。タイプは異なるが、攻撃的なポジションであればどこでもこなす所と、どのポジションでもゴールに絡む活躍が出来るところは、シュツットガルトのMF岡崎と同じである。日本代表でMF岡崎の地位が危うくなることがあるとすると、FW工藤がフル代表に入って来たときかな?という気もする。
■ 点を獲るコツ177センチ/74キロなので、フォワードとしては、標準的なサイズである。裏に飛び出すときのスピードは相当なものがあるが、身体能力がメチャクチャ高いというわけではない。また、テクニックも標準以上であるが、抜群のテクニックがあるというわけでもない。
昨シーズンも、FWリカルド・ロボやFWネット・バイアーノを獲得して、今シーズンもFWクレオを獲得した。柏のフロントも、彼に対して全幅の信頼を置いているようには思えない補強を行っていて、常にポジション争いを強いられているが、そのたびに競争に勝って、ポジションを守っている。
もちろん、MFレアンドロ・ドミンゲスを筆頭にして、いいパサーがたくさんいるチームなので、いい動きをすれば、いいパスが出てきて、決定機に絡むことができるが、昨年の途中辺りから、点を獲るコツを覚えてきて、傍から見ると、実に簡単に点を獲っているように見える。
■ タレント軍団の中で・・・FW工藤のプレーを観ると、いつも感じるのは、18歳の時点で、このくらいのサイズで、このくらいのテクニックを持っていて、このくらいの身体能力を持ったフォワードというのは、それほど珍しくなかったと思うので、柏U-18からトップチームに引き上げることを決断した人は、「見る目があるな・・。」と感心する。
言うまでもなく、この学年の柏U-18はタレント軍団で、工藤壮人、酒井宏樹、指宿洋史、仙石廉、武富孝介、山崎正登、比嘉厚平、島川俊郎、畑田真輝と9人の選手が高校を卒業して即プロに進んでいる。前田俊介、高柳一誠、佐藤昭大、高萩洋次郎、森脇良太、桑田慎一朗、藤井大輔、大屋翼、冨成慎司がいたときの広島ユースに匹敵する豪華さである。
この時の柏U-18の試合を観たことがあるが、印象に残ったのは、ゲームメーカーのMF仙石であったり、大型のサイドプレーヤーのDF酒井宏で、FW工藤に関しては、ほとんど印象に残っていない。「凄そうに見えないけれども、実は、将来性がある。」という選手を見つけて、他者に先駆けて評価することが出来たら、サッカー観戦が楽しくなると思うが、なかなか難しい。
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