■ 移籍市場も終幕選手の移動もほぼ落ち着き、そろそろ、今オフの各チームの補強について、診断したいと思う。効果的な戦力補強を行ったチームはどこだろうか。J1全18チームを18位から1位までカウントダウン方式で発表する。
評価基準について述べると、「どれだけタレントをかき集めたか」は高ポイントの対象とはならず、「いかに手薄なポジションを強化できたか」を重視する。よって、すでに日本代表クラスの選手がいるポジションに、別の有力選手を獲得したとしても戦力的な上積みは低いと判断し、低評価とした。また、「有望な若手選手の控えるポジションに別の有力選手を獲得する」等、若手の目を潰しかねない補強も、低評価とした。
2007年の補強チェックはこちら↓↓↓。
J1移籍市場 総括(2007年版)
第18位 ジェフ千葉in
MF馬場憂太(FC東京)
MF谷澤達也(柏)
MF坂本將貴(新潟)
FW苔口卓也(C大阪からレンタル移籍)
GK櫛野亮(名古屋)
out
MF佐藤勇人(京都)
MF羽生直剛(FC東京)
MF山岸智(川崎F)
DF水本裕貴(G大阪)
MF水野晃樹(セルティック移籍が決定的)
→ 5人の代表クラスを失う事の影響は少なくない。特に、守備の要のDF水本の穴は、簡単には埋まらないだろう。チームのイメージダウンも必死である。ただ、莫大な金額の移籍金を元に、中盤のMF坂本、MF馬場、MF谷澤を獲得。著しい戦力ダウンは避けられそう。とはいっても、評価は最下位とせざるえない。
第17位 大宮アルディージャin
MF丹羽大輝(G大阪からレンタル移籍)
DFレアンドロ(クルゼイロ:レンタル延長)
MF内田智也(横浜FCからレンタル移籍)
MF金澤慎(東京Vから復帰)
out
GK高木貴弘(札幌:レンタル延長)
MF島田裕介(草津)
DF奥野誠一郎(引退)
守備の要のレアンドロが残留し、守備陣は今年も力を発揮しそうだが、FW巻の獲得に失敗するなど、ストライカーの補強は果たせていない。MF内田やMF丹羽はチームに貢献しそうだが、インパクトのある補強は出来ず、現状維持の感が強い。ただ、山形を好チームに仕上げた樋口監督の手腕には期待できる。
第16位 アルビレックス新潟in
FWアレッサンドロ(イパチンガ)
MF松下年宏(G大阪:レンタル延長)
MFマルシオ・リシャルデス(サンカエターノ:レンタル延長)
out
MF坂本將貴(千葉)
MFシルビーニョ(ヴィトーリア)
FWエジミウソン(浦和)
DF三田光(湘南)
MFディビッドソン純マーカス(札幌)
FW深井正樹(鹿島へ復帰→名古屋にレンタル移籍)
なんといっても、FWエジミウソンの退団は大きい。J1でコンスタントに20ゴールをマークするストライカーを探すのは不可能に近く、新加入のFWアレッサンドロが機能しないようだと、大変なことになる。そんななかで、MFマルシオ・リシャルデスの残留は朗報。しかし、MF坂本やMFシルビーニョが移籍し、層は薄くなってしまった。MF田中やFW河原、DF鈴木らの台頭が期待される。
第15位 名古屋グランパスin
DFバヤリツァ(レッドスター)
DF三木隆司(大分)
MFマギヌン(サントス)
FW深井正樹(鹿島からレンタル移籍)
out
MF本田圭佑(VVV)
FW豊田陽平(山形:レンタル延長)
MF金正友(未定)
DF大森征之(FC東京・・・確実?)
本田の移籍は、いろいろな意味で大きい。戦力としてだけでなく、シンボル的な選手を失ったことで、観客動員にも響くかもしれない。前川崎FのMFマギヌンの加入は大きいが、MF金を失って、DF大森の移籍も決定的。層の薄さが深刻になってきた。
第14位 コンサドーレ札幌in
DF吉弘充志(広島)
FWダヴィ(ヴィトーリア:完全移籍で獲得)
MF鄭容臺(横浜FC:完全移籍で獲得)
MFディビッドソン純マーカス(新潟からレンタル移籍)
MFアルセウ(パルメイラスからレンタル移籍)
FWノナト(バイーアからレンタル移籍)
GK高木貴弘(大宮:レンタル延長)
DF坪内秀介(神戸からレンタル移籍)
DF平岡康裕(清水からレンタル移籍)
out
DFブルーノクアドロス(FC東京)
FW相川進也(岐阜:レンタル延長)
地味ながら、J1でも十分に使える選手を手に入れて、選手層は大幅に厚くなった。特に、左サイドバックに入ることが予想されるDF坪内の存在は、サイドアタックを活性化するだろう。その一方で、未知数のFWノナトを除くと、インパクトに欠ける補強となったのも事実。FWノナト次第のシーズンになりそうだ。
第13位 大分トリニータin
DF小林亮(柏からレンタル移籍)
FW前田俊介(広島:レンタル延長)
MF家長昭博(G大阪からレンタル延長)
out
FW松橋章太(神戸)
DF三木隆司(名古屋)
MF梅崎司(浦和)
DF福元洋平(G大阪へレンタル移籍)
MF宮沢正史(仙台へレンタル移籍)
MFアウグスト(サントス)
FW山崎雅人(G大阪)
07年夏の大型補強の影響もあって、戦える戦力は維持しているが、MF梅崎、FW松橋の移籍は将来に向けて非常に痛い。福元を完全移籍で取られなかったことだけが救いである。MF家長の加入は心強いが、層の薄さは深刻で、特に、前線は高松頼み。高松にもしものことがあれば、降格も見えてくる。
第12位 東京ヴェルディin
DF那須大亮(横浜FM)
GK土肥洋一(FC東京)
MF福西崇史(FC京)
FW平本一樹(横浜FC)
out
MF金澤慎(大宮)
FWフッキ(川崎F)
MF名波浩(磐田)
FWフッキの退団は大きいが、ディエゴが残留したことは大きい。GK土肥とMF福西のベテランコンビも、チーム力アップの助けとなるだろう。守備的なポジションならどこでもこなせるDF那須の加入も効果的といえる。ただ、加入した選手はいずれも中堅からベテランの域に達している選手であり、将来への不安は大きい。
第11位 FC東京in
羽生直剛(千葉)
ブルーノクアドロス(札幌)
佐原秀樹(川崎F)
近藤祐介(神戸)
長友佑都(明治大学)
out
MF鈴木規郎(神戸)
MF馬場憂太(千葉)
DF伊野波雅彦(鹿島)
FWルーカス(G大阪)
FW阿部吉朗(湘南)
GK土肥洋一(東京V)
MF福西崇史(東京V)
FWリチェーリ(山形)
DF増嶋竜也(京都S)
MF羽生とDFブルーノ・クアドロスの加入は、FC東京のサッカーを大きく変える可能性がある。特に、DFブルーノ・クアドロスは、DFラインの軸になるだろう。DF佐原とFW近藤も高い貢献を見せるだろう。しかしながら、MF馬場やDF伊野波、MF鈴木ら中堅クラスが大量に流出。絶対的な存在だったのはFWルーカスだけとはいえ、選手層は格段に薄くなった。MF梶山、FW平山、DF徳永らの奮起が期待される。
第10位 鹿島アントラーズin
DF笠井健太(パウリスタ)
MF伊野波雅彦(F東京)
out
FW柳沢敦(京都S)
DF羽田憲司(C大阪:レンタル延長)
DF石川竜也(山形:レンタル延長)
FW深井正樹(名古屋へレンタル移籍)
即戦力になりそうなのは、伊野波のみ。やや手薄な左右のサイドバックやセンターバックのバックアッパーとしては、十分すぎる戦力である。攻撃陣では、FW柳沢の退団の影響は小さくないだろうが、本人の意思を尊重した結果であるため、仕方が無い。大型補強は無かったが、MF増田やFW興梠、FW佐々木ら有望な若手が多く控えるため、彼らの成長を待つという選択は正しいだろう。
9位より上は後半で。
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