■ 淀川にNoを!今オフに、MF羽生、MF山岸、MF佐藤、DF水本、MF水野と5人の日本代表選手を失う見込みとなったジェフ千葉。異常事態といわざる得ないが、その元凶といわれているのが、淀川隆博氏である。さっそく、「淀川にNoを!」というHPも立ち上がっている。
http://www30.atwiki.jp/no_yodogawa/淀川とは、ジェフ千葉の代表取締役社長である。このHPでは、彼の数々の失態が暴露されている。確かに、おかしな言動が多い。ただ、混乱の責任は、淀川氏だけではないようだ。
そもそも、「JEF」というチーム名は、「
JR
EAST(JR東日本)」と「
FURUKAWA(古河電工)」の頭文字をとったものである。
ともに巨大企業であって、やはりと言うべきか、主導権争いが激しいらしい。イビチャ・オシム氏を招聘するなど、無辣腕を振るった祖母井前GMやアマル・オシム氏はJR東日本寄りの人間で、淀川社長は古河電工側の人間。(ちなみに、長沼健、川淵三郎、清雲栄純、岡田武史、奥寺康彦、田嶋幸三は、古河電工サッカー部のOBである。)昨オフ、祖母井前GMの後任として古河電工出身者の招へいに動いたが交渉がまとまらず、最終的には、祖母井氏が推薦した唐井氏に決定。しかしながら、唐井氏は「不可解な理由」で、10月31日に解任。アマル・オシム氏の解任も、社長の独断だったと言う話である。
淀川社長は、オシムファミリーの功績を面白く思っていないようで、オシム路線からの転換をマスコミに語っているが、それが、水本や佐藤、水野らの移籍の要因の1つになったとも報道されている。会社が一枚岩ではないということを、選手は敏感に感じ取っていたのだろう。
「じゃあ、淀川が辞めればOKではないか?」とも思えるが、事はそう単純ではないようで、「何故、オフになると、ジェフ千葉ばかりネガティブな報道が多くなされているのか」、「何故、淀川社長らフロントの失態がマスコミに多く取り上げられるか」と言うと、反淀川(JR東日本側)の人間のリークが原因の1つではないか、とも言われている。
淀川氏が社長を解任されたとしても、次の社長(おそらく、JR東日本側の人間)がまともな人間かと言ったら、そうとは限らないのが、このチームの現状である。両企業間の足の引っ張り合いは止まらない。もうドラマである。名門ゆえの弊害ともいえる。
■ 新しい戦力千葉としては、日本代表クラスの流出は確かに痛いが、去っていった選手を懐かしんでいる暇は無く、莫大な移籍金を元に、戦力補強は着々と行われている。さっそく決まった新戦力は、柏のMF谷澤、FC東京のMF馬場、C大阪のFW苔口の3人。ともに、若年層の日本代表経験者であるが、伸び悩み気味と言われる選手である。
この3人の中では、MF谷澤に対する期待が一番、高いだろう。正真正銘のドリブラーであり、柏のサポーターからの評価も高かった選手である。これまでの千葉にはいなかったタイプの選手であり、攻撃の核となりうる選手である。
FC東京から獲得したMF馬場も、能力の高い選手である。FC東京では、スーパーサブ的な役割であったが、イマジネーション溢れるプレーを得意とするプレースタイルは、これまでの千葉に欠けていた部分であり、的確な補強といえる。
一方、C大阪からレンタルで加入するFW苔口は、この移籍が、プロで活躍できるとどうかの、ラストチャンスといえる。07年は、FW大久保やFW西澤ら主力の流出もあって序盤は出場機会を得ていたが、クルピ体制になると、ベンチからも外れることが多くなった。圧倒的なスピードは魅力であるが、そのスピードを生かす術を見に付けておらず、思うような成長を見せられていない。「走れる選手」というのは千葉には少なくない。課題と言えるボールを持った時のプレーをどれだけ向上させられるかが、鍵である。
客観的に見ると、DF水本の穴はなかなか埋まりそうも無いが、中盤から前線にかけてはもともと層も厚かったので、深刻な事態にはならないだろう。FWには巻、レイナウド、新居、青木が控えており、中盤は、坂本、下村、工藤、馬場、谷澤、苔口、中島というメンバーに、新外国人2人がプラスされることになる。外国人選手の補強に左右される状況ではあるが、最低限の戦力は維持できそうな雰囲気となってきたか。
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