ツエーゲン金沢→ 昇格2年目の2016年は8勝19敗15分けで勝ち点「39」と低迷した。21位で入替戦に回ることになったが栃木SCに2連勝。何とか「J2残留」を果たした。迎えた今シーズンは磐田や新潟などで実績を積んだ柳下監督の招聘に成功。開幕5試合は0勝3敗2分けと出遅れたが18節を終えた時点では4勝10敗4分けで勝ち点「16」。今シーズンも残留争いに巻き込まれているが12節以降はずっと残留圏内をキープしている。
ここまでの18試合で14得点/30失点。得点数も失点数もワースト2位タイとなる。数字的にはあまり良くないが12節からの7試合は2勝3敗2分け。地味に勝ち点を積み上げている。21位の群馬との差は「3」、22位の山口との差は「6」なので予断を許さない状況になっているが「今シーズンのJ2のボトム5」と言われている金沢・熊本・讃岐・群馬・山口の5チームの中では「現在のチーム状態は良い部類」と言える。
率直に言うと「2月末の開幕時点での戦力」はJ2の中で一番下だったと思う。昨オフにFW安柄俊(熊本)、FW水永(北九州)、MF熊谷アンドリュー(千葉)、DF馬渡(徳島)などが退団。新たに加入した選手のほとんどは経験の少ない若手だった。厳しいシーズンになることが予想されており、開幕当初は苦しい戦いが続いていたが、柳下監督が我慢に我慢を重ねて経験の少ない若手を起用して来たことが実を結びつつある。
磐田から期限付き移籍のDF石田崚は右SBのポジションで素晴らしい活躍を見せており、新潟から期限付き移籍のDF宮崎幾は主に左SBの位置で起用されて持ち味である攻撃力を披露するケースが増えてきた。また、鹿島から完全移籍したMF大橋はボランチのレギュラーポジションを確保している。J1のクラブからやって来たDF石田崚、DF宮崎幾、MF大橋の3人が経験を積んで重要な戦力になり始めているのは大きい。