■ 9節を終えた時点で首位に立つのは浦和レッズJ1は9節が終了した時点で6勝2敗1分けの浦和が首位を走っており、2位は5勝1敗3分けのG大阪で、6勝3敗の鹿島が3位で、5勝3敗1分けのFC東京が4位で、4勝1敗4分けのC大阪が5位で、5勝4敗の柏が6位で、同じく5勝4敗の神戸が7位となっている。全日程の約1/4が消化したことになるが、開幕前から評価の高かった浦和・G大阪・鹿島・FC東京に混じって昇格組のC大阪が上位争いに参加しているのが目に付く。
8位は磐田、9位は川崎F、10位は横浜FM、11位は仙台、12位は甲府、13位は鳥栖、14位は清水、15位は札幌、16位は広島、17位は新潟、18位は大宮と続いていくが、4位のFC東京から11位の仙台までが1勝差の中に入っている。例年通りで中位グループは大混戦になっている。攻撃陣が好調な浦和が独走態勢に入りかけた時期もあったが、9節の埼玉ダービーで未勝利だった大宮に0対1で敗戦。小休止となった。
昇格組のC大阪がいい状態で上位争いに加わっているのは今シーズンのJ1のサプライズの1つと言えるが、それ以上のサプライズと言えるのは広島と大宮の低迷だろう。昨シーズンは広島が年間6位で、大宮は年間5位だった。ともにオフの補強はまずまず。広島はFW工藤壮やMFフェリペ・シウバを獲得して、大宮はFW大前やMF瀬川祐などを獲得した。前評判はかなり高かったが9節を終えた時点で降格圏に位置する。
■ まさかの低迷と言えるサンフレッチェ広島&大宮アルディージャ広島は1勝6敗2分けで勝ち点「5」。大宮は1勝7敗1分けで勝ち点「4」。Jリーグには『びっくり降格枠』という言葉があるが、特にJ1の場合、予期せぬチームが序盤戦から下位に低迷してそのままJ2に降格するケースは珍しくない。ただ、それでも何かしらの予兆はあるものである。G大阪がJ2に降格した2012年は前年限りで名将の西野監督が退任。未知数だった「セホ・ロペ体制への移行」は胡散臭さ満点だった。
2014年のC大阪も超大物助っ人のFWフォルランがなかなかチームにフィットしきれずに危うい雰囲気はシーズン序盤から漂っていた。記憶に新しいところでは2016年の名古屋もオフに指導者として実績や経験が皆無に近かった小倉監督を招聘。同様に危うい雰囲気は漂っていた。広島と大宮の2チームに関しては当時のG大阪やC大阪や名古屋などと比べると予兆の様なものはなかったのでサプライズ度は高い。
当然、順位表というのは現段階での総合力を推し図るための一番わかりやすい指標になるが、1つだけ注意しなければいけないのは現在の順位や成績は「日程」に大きく左右される点である。J1はホーム&アウェイ方式の2回戦総当たりのリーグ戦になるが、ここまでに強豪や難敵との対戦が多かったチームは実際の力よりも低い順位や成績になる。逆に下位候補との対戦が多かったチームは実際よりも上の順位や成績になる。
■ 難敵との試合が多い中で結果を残してきたセレッソ大阪J1はGWの最終日の5月7日(日)に第10節が行われた。1節から17節を前半戦、18節から34節を後半戦と表現すると前半戦は残り7節となる。表1は前半戦の残りの日程(11節から17節)と対戦相手の順位を書き出しているが、「残り7試合の対戦相手の順位の平均値」が高いチームから順番に書き出している。「対戦相手の順位」に関しては9節を終えた時点での順位となるが昇格組のC大阪が12.43位で最大となる。
C大阪の前半戦の残りの対戦相手を見ると下位に位置するチームが非常に多いことが分かる。9節終了時点で降格圏に位置する3チーム(広島・新潟・大宮)との対戦を全て残しており、2017年にACLに出場している4チーム(鹿島・浦和・川崎F・G大阪)との対戦は全て済ましている。結局、「C大阪は強豪チームや調子の良いチームとの対戦が多かったが、そういう中でしっかりと勝ち点を積み上げてきた。」と言える。
近年のJリーグはACLに出場するチームの負担を出来るだけ軽くするためにリーグ戦とACLのGLを並行して戦わざる得ない2月・3月・4月の過密日程の時期はACLに出場しているチームと昇格組をリーグ戦で対戦させるケースが多い。上位候補と言われているチームとの試合と比べると負担は小さくなる可能性が高いので日程面で配慮されているが、今シーズンのC大阪はACL組を相手に2勝1敗1分けと勝ち越している。
「J1はクラブ間の戦力差が小さいリーグ」と言われることが多いが、それでもクラブ間の戦力差はある。鹿島や浦和や川崎FやG大阪よりも下位に低迷しているクラブとの試合の方が勝ち点を計算しやすいのは間違いない。C大阪は好スタートを切ったがここから調子の上がらない下位との対戦が続くのでこの勢いがさらに加速することは十分に考えられる。前半戦の残り7試合の日程はC大阪が最も恵まれている。
表1. 残りの前半戦(11節から17節まで)の日程と対戦相手の順位・・・順位は9節終了時点
ランク | クラブ名 | 対戦相手の平均順位 | 11節 | 12節 | 13節 | 14節 | 15節 | 16節 | 17節 |
1 | C大阪 | 12.43 | 広島 | 大宮 | 神戸 | 新潟 | 清水 | 仙台 | FC東京 |
H | A | A | H | H | A | H |
16 | 18 | 7 | 17 | 14 | 11 | 4 |
2 | 浦和 | 11.86 | 新潟 | 清水 | 川崎F | 柏 | 磐田 | 鳥栖 | 広島 |
H | H | A | A | H | A | H |
17 | 14 | 9 | 6 | 8 | 13 | 16 |
3 | 大宮 | 11.14 | 仙台 | C大阪 | 柏 | 鳥栖 | 新潟 | 広島 | 横浜FM |
H | H | A | H | H | H | H |
11 | 5 | 6 | 13 | 17 | 16 | 10 |
4 | 仙台 | 11.00 | 大宮 | 横浜FM | 新潟 | 甲府 | 鳥栖 | C大阪 | G大阪 |
A | A | H | H | A | H | A |
18 | 10 | 17 | 12 | 13 | 5 | 2 |
5 | 横浜FM | 10.71 | 甲府 | 仙台 | 清水 | 川崎F | FC東京 | 神戸 | 大宮 |
H | H | A | H | A | H | A |
12 | 11 | 14 | 9 | 4 | 7 | 18 |
6 | 甲府 | 10.57 | 横浜FM | 広島 | FC東京 | 仙台 | 柏 | 清水 | 鳥栖 |
A | H | A | A | H | A | H |
10 | 16 | 4 | 11 | 6 | 14 | 13 |
7 | 鳥栖 | 10.43 | 清水 | G大阪 | 札幌 | 大宮 | 仙台 | 浦和 | 甲府 |
A | A | H | A | H | H | A |
14 | 2 | 15 | 18 | 11 | 1 | 12 |
8 | 鹿島 | 10.29 | 神戸 | 川崎F | G大阪 | 広島 | 札幌 | 新潟 | 柏 |
H | H | A | H | H | H | A |
7 | 9 | 2 | 16 | 15 | 17 | 6 |
9 | G大阪 | 9.43 | 札幌 | 鳥栖 | 鹿島 | 磐田 | 神戸 | 川崎F | 仙台 |
A | H | A | A | A | H | A |
15 | 13 | 3 | 8 | 7 | 9 | 11 |
10 | FC東京 | 8.86 | 柏 | 神戸 | 甲府 | 清水 | 横浜FM | 磐田 | C大阪 |
H | A | H | A | H | A | H |
6 | 7 | 12 | 14 | 10 | 8 | 5 |
11 | 札幌 | 8.86 | G大阪 | 新潟 | 鳥栖 | 神戸 | 鹿島 | 柏 | 清水 |
A | H | A | H | A | A | H |
2 | 17 | 13 | 7 | 3 | 6 | 14 |
12 | 柏 | 8.71 | FC東京 | 磐田 | 大宮 | 浦和 | 甲府 | 札幌 | 鹿島 |
A | A | A | H | A | H | A |
4 | 8 | 18 | 1 | 12 | 15 | 3 |
13 | 新潟 | 8.71 | 浦和 | 札幌 | 仙台 | C大阪 | 大宮 | 鹿島 | 磐田 |
H | H | A | H | A | A | A |
1 | 15 | 11 | 5 | 18 | 3 | 8 |
14 | 清水 | 8.57 | 鳥栖 | 浦和 | 横浜FM | FC東京 | C大阪 | 甲府 | 札幌 |
H | H | H | H | H | H | A |
13 | 1 | 10 | 4 | 5 | 12 | 15 |
15 | 広島 | 8.00 | C大阪 | 甲府 | 磐田 | 鹿島 | 川崎F | 大宮 | 浦和 |
H | A | A | A | A | A | H |
5 | 12 | 8 | 3 | 9 | 18 | 1 |
16 | 磐田 | 7.86 | 川崎F | 柏 | 広島 | G大阪 | 浦和 | FC東京 | 新潟 |
H | H | H | A | H | H | H |
9 | 6 | 16 | 2 | 1 | 4 | 17 |
17 | 神戸 | 6.86 | 鹿島 | FC東京 | C大阪 | 札幌 | G大阪 | 横浜FM | 川崎F |
A | H | H | A | A | A | A |
3 | 4 | 5 | 15 | 2 | 10 | 9 |
18 | 川崎F | 6.71 | 磐田 | 鹿島 | 浦和 | 横浜FM | 広島 | G大阪 | 神戸 |
A | A | H | A | H | A | H |
8 | 3 | 1 | 10 | 16 | 2 | 7 |
■ 浦和レッズや大宮アルディージャは浮上する可能性あり。先の数値(=前半戦の残り7試合の対戦相手の平均順位)が2番目に高いのは浦和で11.86となる。9節終了時点では6勝2敗1分けで首位に立っているがこれまでは上位候補や力のあるチームとの対戦が多かった。かなりきつめの日程だったので、今後は少し楽な相手との試合が続いていく。今の時点で上位に位置するチームとの試合は全て終わっているので、今後、順調に勝ち点「3」を積み上げていく可能性は高い。
3番目は大宮で11.14となる。9節を終えた時点で1勝7敗1分け。9試合で3得点/17失点。まさかの大不振に陥っており、渋谷監督の首が危うくなっているが、難敵との試合が多かった点も低迷の理由の1つに挙げられる。15節は新潟戦(A)、16節は広島戦(A)となるが下位に低迷しているチームとの2連戦は大事である。ただ、ともにアウェイ戦。このあたりからも今シーズンの大宮の流れの悪さを感じてしまう。
4番目は仙台で11.00、5番目は横浜FMで10.71、6番目は甲府で10.57となる。 この辺りのチームもこれまでは難敵との試合が多かったので今の順位がクラブの総合力をきちんと反映しているとは言えない。実際にはもう少し上の力があるのでは?と考えられる。当然、この数値の平均値は9.50になるので、10.43で7番目の鳥栖、10.29で8番目の鹿島もこれまでと比べると日程はやや楽になる。浮上の可能性はある。
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