■ こんな選手を・・・オレ流宣言を行った岡田監督。岡田ジャパンに未来があるかどうかは分からないが、選手たちにとって代表はあこがれの舞台であり、国際的なプレーヤーにステップアップするためには必ず通る道である。そんなとき、日本代表に召集して欲しい選手を挙げると・・・。
① 新井場徹(鹿島アントラーズ)トルシエ監督時代の2001年に代表合宿に呼ばれた経験を持つが、それ以外はフル代表とは無縁のサッカー人生を歩んできた。Gユースの同期であるMF稲本潤一やMF播戸竜二が岡田ジャパンにも呼ばれていることを考えると対照的であるが、ここ6・7年の間、常にフル代表レベルのプレーを続けてきた。新井場が代表キャップを持たないというのは、日本サッカーの7不思議の1つである。
左サイドバックが専門であるにもかかわらず右利きで、カットインして中に切り込むプレーが得意だが、もしかしたら、歴代の監督はそういうプレースタイルをあまり好まなかったのかもしれない。ただ、182cmという大柄にも関わらず、スピードもあって器用さも備える総合力の高い選手である。
逆サイドの内田篤人が加入した後はどちらかというと守備的になることが多かったが、今シーズンは新井場のいる左サイドの方が活性化されており、多くのチャンスを作っている。機は熟している。
② 渡邉大剛(京都サンガ)左右を問わず攻撃的なプレースタイルが魅力のサイドアタッカー。今シーズンは開幕から左サイドバックでレギュラーとして起用されており、すでに2ゴールと得点面でも大きくチームに貢献している。
最大の魅力は柔らかいフェイントを駆使したドリブルで、相手DFと1対1になったときに繰り出すマジックは十分に代表レベルである。課題の1つであったクロスの精度も日々向上を見せており、入替戦では2アシスト。チームの命運を握るキープレーヤーとなった。
華奢な体格であって、国際レベルのプレッシャーに打ち勝つだけの体力が備わっているかどうかは未知数で守備面での不安要素は少なくないが、トリッキーなプレーの出来るサイドバックは日本では貴重であり、重要なオプションとなる可能性を秘めている。プレーヤーとしてのタイプは大きく異なるが、早稲田大学のFW渡邉千真は実弟である。
③ 小川佳純(名古屋グランパス)新生・名古屋グランパスの象徴的な存在であり、開幕から眩いばかりの光を放っているのがチームでは右サイドの攻撃的MFを任されている小川佳純。今回の選考で初召集を受けていても全くおかしくはなかった。
思い切りがよくて積極的なプレースタイルが最大の特徴で、そのプレーはチーム全体に新たなエネルギーを加えられる。リーグ戦ではすでに2ゴールを挙げており、貴重なアシストも少なくない。「何故、小川佳純が代表に呼ばれなかったのか!!!」と憤るグランパスサポーターは少なくないはずである。その気持ちはよく分かる。
とはいっても、彼が代表に呼ばれる日はもう間もなく訪れるだろう。それは間違いない。
④ 細貝萌(浦和レッズ)ここ数年、ビッグネームの獲得が相次いでいる浦和レッズ。そのなかで、唯一と言っていいくらい芽を出してきた自前の選手である。反町ジャパンでも継続的に出場機会を得ており、中心となりつつある。基本ポジションは中盤であるが最終ラインやサイドでもプレー可能で、どのポジションでも計算の立つプレーヤーである。
同年代の選手と比べると、選手層の厚いチームに所属していたためリーグ戦での出場経験は少ないが、07年後半から急激に力をつけており、鈴木啓太や阿部勇樹といった選手と並んで浦和の堅実なサッカーを支える重要な存在となっている。
いろいろなポジションをそつなくこなすだけではなく、ポリバレントな能力が高くどのポジションにおいても主体的に考えたプレーの出来る存在であり、このまま浦和でポジションをつかんでいければ、早期のフル代表入りも見えてくる。
⑤ 田原豊(京都サンガ)未完の大器といわれ続けてきた逸材が、ようやく日の目を見ている。今シーズンは途中出場が少なくないものの、すでに3ゴール。超人的な身体能力を生かしたダイナミックなプレーは危険極まりない。
大型選手の宿命とはいえ、185cmという体格を持て余すことが多かったここ数年と比べて、明らかに自分の活かし方を覚えてきており、最大の武器をしっかりと確実に生かすことが出来るようになった。高さばかりに目が行きがちだが足元の柔軟さも備わっていて、ポスト役としても優秀である。
ムラがあるのが難点である、と言われ続けてきたが、かつての不安定さは見られなくなっている。国際舞台で戦えるタフなストライカーに変貌を遂げたといっても過言ではない。
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