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【Jリーグ】全54クラブのシーズン途中での監督交代回数を調べてみた。～最多はセレッソ大阪で12回、2位はヴィッセル神戸と京都サンガで11回～ | | |　

■　名古屋の小倉監督は休養

Jリーグは中盤戦から終盤戦に突入しているが17試合勝ちなしと泥沼にはまっている名古屋グランパスはついに小倉監督の休養を発表した。後任はジュロヴスキー監督となるが、ジュロヴスキー監督以上に注目を集めているのは現役に復帰したDF闘莉王である。残りは8試合となるが11節の新潟戦(A)からの出場が見込まれている。2006年のJリーグMVPのDF闘莉王が救世主になれるか？が注目される。

近年はどのクラブも長期的な視点でクラブ運営を進めていく傾向にあるのでJ1で降格圏に位置するチームであっても監督を代えることなく現体制のままで危機を乗り越えようとするチームが多くなっている。昨シーズンを例に出すと松本山雅と山形は16位以下に終わってJ2に降格となったが反町監督も石崎監督もともにシーズン途中で解任されることなくて、どちらの監督も「続投」。2016年もJ2で指揮を執っている。

今シーズンも17位の湘南のチョウ・キジェ監督と18位の福岡の井原監督はそのまま。欧州の主要リーグになると残留争いに巻き込まれているチームは前評判が高かったチームはもちろんのこと、開幕前から厳しいシーズンになることが予想されていた「降格候補のチーム」もシーズンの中盤あたりで監督交代を実施して流れを変えようとするケースが多いので監督に対する考え方は日本と欧州リーグで違いがある。

■　シーズン途中での監督交代は最多となるのはセレッソ大阪

ブラジルやイタリアなどは特にその傾向が強いが「監督を交代させることでスケープゴートにしてフロントに批判の声が集まらないようにする。」というパターンもある。『監督だけに責任を取らせて根本的な解決には至っていない。』というケースは多いのですぐに監督のクビを刎ねるのは良いとは言えないし、当然のことながら、誰も責任を取らずにズルズルいくのがいいとも言えない。ケース・バイ・ケースである。

2007年に京都との入替戦に敗れてJ2に降格したものの、J2でクラブの礎を築いてJ1復帰後は常勝クラブになりつつあるサンフレッチェ広島が1つの成功例を示したことがきっかけになってJリーグの各クラブの監督人事に対する考え方は10年ほど前と比べると変わってきているが、Jリーグの歴史を振り返って各クラブの「シーズン途中での監督交代回数」をカウントしてみたところ、1位はセレッソ大阪で12回だった。

昨シーズンも終盤にアウトゥオリ監督が解任されて大熊清監督が就任したが「クルピ監督以外で契約期間を全う出来た。」という監督を見つける方が難しいほど。1995年のJリーグ昇格以降でC大阪の監督を経験しているのは延べ25名。そのうちの9人が途中で解任されており、3人は辞任。2004年のペーター監督は(開幕前の監督交代なので)12人にはカウントしていないがシーズン前に病気で契約解除となった。

■　未経験クラブは全部で14チーム

2番目は神戸と京都で11回。ということで関西で活動するクラブが1位から3位までを独占した。京都と大阪と神戸は同じ関西の主要都市であるが気質は異なるので「関西人」で一括りするのは適切ではないかもしれないが興味深い傾向と言える。(※ ちなみにもう1つの関西のクラブであるG大阪は4回。シーズン途中での監督交代は多くない。)続く4番目は東京Vで10回。ここまでの4チームが二桁回数となる。

5番目は磐田と名古屋と千葉で各8回となる。名古屋は小倉監督、千葉は関塚監督が今シーズンの途中でチームを去ることになったが名古屋のシーズン途中での監督交代は2005年以来となる。一方の千葉は近年になってシーズン途中での監督交代が増えている。監督がコロコロ代わるのはクラブにとってマイナスにしかならないが、特にシーズン途中での監督交代というのはポジティブなことはほとんどない。

以下、8番目は横浜FM・札幌・川崎F・大宮・横浜FC・柏の6チームで各6回となる。逆にシーズン途中での監督交代を一度も経験していないのは松本山雅・山形・長崎・山口・群馬・岡山など。下部リーグ時代は含めておらず、J1やJ2やJ3に在籍していたシーズンに話を限定させた場合であるが、横浜フリューゲルスを含めたJリーグの54クラブのうち、14クラブが未経験クラブとなるので「意外と多い。」と言える。

表1. シーズン途中での監督交代の回数 (代行や暫定はカウントせず。)　

【Jリーグ】シーズン途中での監督交代回数
順位	クラブ名	回数
1	セレッソ大阪	12
2	ヴィッセル神戸	11
2	京都サンガ	11
4	東京ヴェルディ	10
5	ジュビロ磐田	8
5	名古屋グランパス	8
5	ジェフ千葉	8
8	横浜Fマリノス	6
8	コンサドーレ札幌	6
8	川崎フロンターレ	6
8	大宮アルディージャ	6
8	横浜FC	6
8	柏レイソル	6
14	アビスパ福岡	5
14	湘南ベルマーレ	5
14	鹿島アントラーズ	5
14	浦和レッズ	5
18	大分トリニータ	4
18	清水エスパルス	4
18	ガンバ大阪	4
21	サンフレッチェ広島	3
21	ベガルタ仙台	3
21	FC東京	3
24	横浜フリューゲルス	2
24	水戸ホーリーホック	2
24	栃木SC	2
24	ヴァンフォーレ甲府	2
24	FC岐阜	2
29	長野パルセイロ	1
29	アルビレックス新潟	1
29	カターレ富山	1
29	ガイナーレ鳥取	1
29	サガン鳥栖	1
29	徳島ヴォルティス	1
29	SC相模原	1
29	ロアッソ熊本	1
29	愛媛FC	1