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【Jリーグ】「活動する都道府県内からの来場者の割合が低いクラブはどこか？」を調べてみた。～1位は鹿島アントラーズ、2位はガンバ大阪、3位は東京ヴェルディ～ | | |　

■　1番低いのは鹿島アントラーズで57.8％

今度はホーム戦のスタジアム観戦者の居住地に注目した。クラブが活動している都道府県内に住んでいる人の割合について2004年から2015年までの12年分の平均値を調べたところ、1番低いのは鹿島で57.8％だった。近年の調査結果には「どの都道府県から来場しているのか？」を示すデータはないのでやや古いデータになるが2006年の調査報告書を見ると茨城県で65.8％、千葉県が15.3％、東京都が9.3％だった。

試合が開催されるときは東京駅からカシマサッカースタジアムに向かうシャトルバスが出るが東京都内に住むサポーターも多くて、神奈川県も3.3％なので決して少なくない。鹿島というと「片道のアクセス時間」もJリーグの全クラブの中で断トツとなる数字を残しており、遠方からの来場者が極めて多いクラブと言える。「時間やお金がかかってもスタジアムに行きたくなるほどクラブや選手が魅力的だ。」とも言える。

2位はG大阪で67.9％、3位は東京Vで69.3％となる。同様に2006年のデータを見るとG大阪の場合は大阪府が70.4%で、兵庫県が10.1％で、京都府が4.0％となる。3位の東京Vはもともとは川崎市で活動していたクラブだったことも関係しているのか、神奈川県が15.1％と高い数字になっている。爆発的な人気を誇ったクラブなので「ヴェルディ川崎時代からずっと応援している。」という神奈川県人は少なくないだろう。

全体の数字を眺めてみると地方のクラブのパーセンテージは非常に高い。90％を超えるクラブが多いが、唯一とも言える例外は鳥栖である。69.6％というのはJリーグ全体で4位となる。2006年の報告書から内訳をみると佐賀県が65.6％で、福岡県が28.7％で、熊本県が2.5％となる。ベストアメニティスタジアムは極めてアクセスの良いスタジアムで博多駅からも意外と近いが福岡県民の多さは異常なほどである。

以下、5位は横浜FM、6位は柏、7位は横浜FCと続いていく。横浜FMは東京都が19.1％、柏も東京都が10.9％、横浜FCに至っては東京都が19.8％となる。横浜FMは歴史のあるクラブでMF中村俊など日本代表で活躍したスター選手もいるので全国的な人気を誇るクラブであるのは間違いないところ。横浜FMのパーセンテージが低くなるのは何となく想像できるが、横浜FCに関してはちょっと意外な数字と言える。

8位は町田、9位は浦和、10位はC大阪となる。浦和も東京都が8.0％、千葉県が2.7％となる。一方、C大阪は奈良県が5.8％で、兵庫県が5.3％で、和歌山県が3.4％となる。近隣の奈良と和歌山にJリーグのクラブが存在しないことはC大阪にとっては好条件である。幅広い地域からお客さんを集めることができているが、逆に言うと奈良や和歌山にJリーグのクラブが誕生すると多くのサポーターを失う危険性がある。

表1. スタジアム来場者が活動区域内に住んでいる割合 (1位-10位まで)

【Jリーグ】スタジアム来場者が活動区域内に住んでいる割合
順位	クラブ名	(%)	2004年	2005年	2006年	2007年	2008年	2009年	2010年	2011年	2012年	2013年	2014年	2015年
1	鹿島	57.8	59.0	67.1	65.8	50.3	59.4	58.4	51.0	61.1	52.0	58.8	58.7	51.8
2	G大阪	67.9	61.8	70.8	70.4	72.3	65.3	75.8	65.7	66.0	69.9	63.0	68.5	64.7
3	東京V	69.3	71.4	65.2	77.6	65.3	72.8	72.8	69.8	68.5	66.8	65.4	68.3	68.2
4	鳥栖	69.6	58.3	74.0	65.6	73.5	66.0	78.1	78.5	69.7	68.5	66.6	72.2	63.6
5	横浜FM	72.9	71.0	71.5	72.1	75.3	70.1	73.4	65.6	72.8	75.2	75.9	73.1	79.3
6	柏	74.6	70.4	76.0	73.6	71.8	75.8	70.1	74.3	81.3	73.0	75.5	74.3	79.0
7	横浜FC	76.2	85.8	71.3	77.0	78.1	73.7	74.8	74.0	70.9	75.1	78.4	74.8	80.0
8	町田	77.8	-	-	-	-	-	-	-	-	77.8	-	-	-
9	浦和	78.1	74.9	79.1	82.2	84.2	75.4	76.3	81.9	79.8	72.9	78.8	74.2	77.8
10	C大阪	78.7	69.3	73.0	76.8	84.8	85.4	85.0	83.5	84.6	82.9	75.9	65.3	78.0

■　Jリーグ全体の平均値は85.2％

11位は京都、12位は千葉、13位は川崎F、14位は磐田となっている。京都については滋賀県が8.1％となる。滋賀県にもJリーグのクラブがなくてもっとも近いJリーグのクラブが京都サンガとなる。同様に福井県にもJリーグのクラブは存在しないので京都も環境的にはかなり恵まれている。特に滋賀県の県庁所在地の大津市と京都市の距離は非常に近くて京都の下部組織でプレーする選手の滋賀県民率はかなり高い。

15位は名古屋で83.5%となるが「むしろもっと低い数字でもいいのでは？」と感じる。岐阜県が4.9％で、三重県が3.1％となっているが、岐阜県や三重県は同一文化圏であり、未だに岐阜県民にアンケートを取ったら(FC岐阜ではなくて)名古屋が一番人気なのではないかと思う。名古屋市と岐阜市も距離的には非常に近いのでそういう部分でも有利であるがそんな恵まれた環境の中で4.9％というのは決して高くない。

以下、16位はFC東京、17位が広島、18位がFC岐阜、19位が富山、20位が大宮となる。単純に平均値を取ると85.2％なのでFC東京や広島あたりが平均程度となる。広島も近場に有力なJリーグのクラブがなかった時代が長かった。2006年のデータでは山口県が7.6%で。島根県が2.5％となっている。山口県民が非常に多かったがレノファ山口がJリーグに昇格してきたことは動員の部分ではマイナスに働く可能性がある。

表2. スタジアム来場者が活動区域内に住んでいる割合 (11位-20位まで)

【Jリーグ】スタジアム来場者が活動区域内に住んでいる割合
順位	クラブ名	(%)	2004年	2005年	2006年	2007年	2008年	2009年	2010年	2011年	2012年	2013年	2014年	2015年
11	京都	78.9	76.3	74.5	82.5	78.4	77.5	77.9	78.2	78.0	85.5	80.2	77.4	80.7
12	千葉	81.1	83.9	80.7	76.7	77.5	81.9	79.2	82.2	80.3	79.6	84.5	83.4	83.5
13	川崎F	81.8	87.2	82.2	82.8	86.5	78.7	83.2	80.5	78.7	81.0	83.1	82.6	75.5
14	磐田	82.1	81.9	87.9	83.5	83.2	85.8	75.7	80.8	76.5	79.0	82.9	83.9	83.7
15	名古屋	83.5	87.6	89.5	89.1	81.4	79.7	83.8	79.6	83.0	76.8	80.6	85.1	85.5
16	FC東京	85.0	81.1	81.6	79.5	81.4	87.0	83.9	88.5	87.3	89.9	87.0	87.3	85.2
17	広島	85.4	88.0	92.9	78.2	83.4	88.1	83.3	88.4	86.8	84.9	79.8	85.9	84.9
18	FC岐阜	87.4	-	-	-	-	86.6	91.3	81.6	89.0	86.9	85.9	91.2	86.9
19	富山	88.6	-	-	-	-	-	90.0	74.2	93.8	91.5	94.6	87.2	-
20	大宮	88.6	89.5	88.4	92.0	86.6	86.6	87.3	88.8	90.7	89.7	85.3	89.1	89.0