柏レイソル vs 川崎フロンターレ (日立柏サッカー場)→ 5勝2敗3分けで4位の柏と6勝1敗3分けで2位の川崎Fという注目の上位対決は3対1でアウェイの川崎Fが勝利。首位の浦和と2位の川崎Fの2チームの優勝争いになってきた。1対1で迎えた後半3分にDFエウシーニョのクロスからFW大久保が決めて2対1と勝ち越しに成功すると後半10分にはFW大久保のクロスからMF小林悠が見事なボレーシュートを決めて3対1とリードを広げる。柏はナビスコカップを含めると公式戦は7連勝中だったがついに連勝がストップした。川崎Fは7勝1敗3分け、柏は5勝3敗3分けとなった。
川崎Fは1つ前の仙台戦(H)は低調な内容で1対1のドロー。勝ち点「2」を失う形になったが一転してこの日は内容の伴った勝利を飾った。絶好調の柏のホームに乗り込んだが序盤から優勢。前半30分にFKからDF中谷に同点ゴールを許したが基本的にはずっと川崎Fがペースを握っていた。この日はMFエドゥアルド・ネットをスタメン起用。前回、スタメンで起用された6節の鳥栖戦(H)はあまり機能しなかったがこの日は攻守両面で躍動。もともとの能力が高いMFエドゥアルド・ネットが川崎Fのサッカーに馴染んできたのは大きい。
FW大久保が1ゴール1アシスト、MF小林悠も貴重な3点目のゴールを記録して、MF中村憲は何度もチャンスを作った。この日は役者がしっかりと仕事をした。プロ2年目となるMF三好が左サイドハーフでスタメン出場したが前半のみで交代。積極的なプレーは良かったが積極性が空回りした印象が強い。ただ、狭いスペースでボールを受けることができて、かつ、ボールを持ったときは突破もできる選手である。左利きというのも大きな武器。今の川崎Fにはいないタイプの選手なので面白い選手であることは間違いない。
一方の柏はついに連勝が「7」でストップした。これだけ結果が出ているので、今、やっているサッカーに自信を持って試合に入ってきたと思うがこの日は百戦錬磨のMF中村憲やFW大久保にやられてしまった。好調のFWディエゴ・オリヴェイラもなかなかいい形でボールを持てず。最終的なスコアは1対3だったが「完敗」と言ってもいいほどの差はあった。ただ、1対3になった後の後半14分にMF茨田を投入。アンカーの位置に投入すると柏の方に流れが傾いた。「4-1-2-3」あるいは「4-1-4-1」という形はまずまず機能した。
横浜Fマリノス vs ヴァンフォーレ甲府 (日産スタジアム)→ 3連敗中の横浜FMと4試合勝ちなしの甲府の試合は点の取り合いとなったが2対2のドロー。前半31分に横浜FMがFKからMF中町が決めて先制したが甲府は前半38分にJリーグ初スタメンとなる19歳のFW熊谷のゴールで1対1の同点に追いつく。追いつかれた横浜FMは前半終了間際にセットプレーからMF齋藤学が決めて2対1と勝ち越しに成功するが後半22分にDF津田が殊勲の同点ゴールを決めて甲府が2対2の同点に追いついた。2対2になった後はどちらかというとアウェイの甲府の方がチャンスを作った。
横浜FMは開幕の仙台戦(H)を落とした後、5試合で4勝1分け。内容の伴った試合で勝ち点を積み上げていたのでまさかの急失速と言える。この日もちょっとした隙が失点につながった。後半22分のDF津田の同点ゴールの場面は最初のDF中澤のクリア、続くDFファビオのクリア、最後のMF中町のクリアのいずれもが「ミス」とまではいかないプレーなのかもしれないが「もう少しいい処理や対応ができたのでは?」と思えるプレーだった。ゴール前で3つ連続で「ミスに近いプレー」が続くとやはり失点につながってしまう。
悔やまれるのは後半21分のMF遠藤渓の逸機。MF中村俊から「あとは決めるだけ。」という完ぺきなボールが送られたがシュートミス。MF遠藤渓は1つ前の名古屋戦(A)でも3つほど決定機を逃しており、J1初ゴールがなかなか生まれない。多くのチャンスに絡めている点は評価できるがこれだけ多くのチャンスがあるので早く結果を出したいところである。途中出場したFW伊藤翔はこの日もいいプレーを見せたがややブレーキになっているFWカイケを使い続けていることは「急失速の理由の1つ」と言われても仕方がない。
甲府にとっては「アウェイの横浜FM戦」ということを考えるとドローというのは決して悪い結果ではない。まだ新戦力のFWニウソンなど怪我人が戻ってきていないこともあってこの日は高卒2年目のFW熊谷を1トップの位置で先発起用。本来はCBの選手なので「驚きの抜擢」だったが前半38分に同点ゴールを記録した。190センチの長身なのでヘディングを期待されたがゴールシーンは見事なポジショニングからクロスを押し込んだものだった。中央で起点になるプレーもできており、デビュー戦としては上々の出来だった。
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◆ まとめ #1357 【J1】 全9試合のレビュー (1stステージの第11節) (前編) (2016/5/9)
→ 5月8日(日)に行われたJ1の1stステージの第11節の全9試合のレビューの前編です。注目の上位対決となった柏 vs 川崎Fは3対1でアウェイの川崎Fが勝利。柏はDF中谷のゴールで1対1の同点に追いつきましたが内容的には川崎Fが90分を通して上回っており妥当な結果と言えます。ボランチで起用されたMFエドゥアルド・ネットの活躍が光りました。彼がフィットするようだと大きな戦力になると思われます。
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