■ J1の開幕戦J1の開幕戦。城福監督が復帰したFC東京はホームの味の素スタジアムで大宮アルディージャと対戦した。城福監督は途中解任された2010年以来の監督復帰となる。FC東京は2月23日(火)にACLの初戦で全北現代と対戦したが1対2で敗れて黒星発進となった。一方の大宮は2015年のJ2を制覇して1年でJ1に復帰してきた。どちらかというと相性のいい味の素スタジアムで勝利して波に乗りたいところである。
ホームのFC東京は「4-2-2-2」。GK秋元。DF橋本拳、森重、丸山、徳永。MF米本、梶山、水沼、東慶悟。FW前田遼、阿部拓。ACLの全北現代戦(A)の前半に負傷交代したDF駒野は欠場。このときと同様でDF徳永が左SB、DF橋本拳が右SBに入った。ボランチはMF梶山がスタメンに抜擢された。U-23アジア選手権で大会MVPに輝いたMF中島翔はベンチスタートとなった。五輪代表のDF室屋は怪我で離脱中。
対するアウェイの大宮は「4-2-3-1」。GK塩田。DF和田拓、菊地将、河本、沼田。MF岩上、横山知、ネイツ・ペチュニク、家長、泉澤。FWムルジャ。大黒柱のMF家長は昨シーズンと同様で「トップ下」とも「2トップの一角」とも言える微妙なポジションを取る。キーパーは古巣対決となるGK塩田が先発出場。2004年から2014年まで11シーズンもFC東京でプレーしている。GK加藤はベンチスタートとなった。
■ 1対0でアウェイの大宮が勝利試合の序盤は大宮ペースとなる。MF家長を中心とした鋭い攻撃を見せて主導権を握る。前半20分あたりまでは完全な大宮ペースだったが前半20分あたりを過ぎるとFC東京が盛り返して逆にFC東京が流れをつかむ展開になる。大宮はボールを回される時間が続いたが最終ラインを突破されるシーンはほとんどなかった。前半の前半は大宮、前半の後半はFC東京が優勢だったがゴールは生まれず。0対0で折り返す。
迎えた後半開始からFC東京はMF水沼に代えてMF河野を投入。彼のドリブルからいくつかチャンスを作る。引き続いてFC東京が優勢だったが後半24分に大宮はFWムルジャが右サイドを突破。中央にグラウンダーのクロスを入れると最初のMF家長のシュートは戻ってきたDF橋本拳がブロックするがこぼれ球をボランチのMF岩上が左足で押し込んでアウェイの大宮が先制する。MF岩上は移籍後初ゴールとなった。
FC東京は後半36分に攻撃参加した右SBのDF橋本拳が折り返したボールに反応したMF河野が右足でシュートを放つがこれは惜しくもクロスバーに直撃して同点とはならず。結局、1対0でアウェイの大宮が勝利。大宮は幸先のいいスタートを切った。一方のFC東京は先の全北現代戦(A)に続いて惜敗。公式戦は2連敗となった。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間にスタジアムは大きなブーイングに包まれた。
■ いきなり結果を残した新・10番の岩上祐三19時キックオフのナイトマッチを制したのは昇格組の大宮だった。試合直後のインタビューで大宮の渋谷監督がコメントしたとおり、大宮の出来が素晴らしく良かったのは立ち上がりの20分間だけ。その後はホームのFC東京がボールを保持して攻め込む展開になったがワンチャンスをゴールに結びつけた。右サイドに流れてから力強いドリブルでサイドを切り崩したFWムルジャのドリブル&正確なクロスが光った。
決勝ゴールを決めたのは新加入のMF岩上だった。シュート自体は簡単なものだったが「あの位置にいたこと」に価値がある。昨シーズンはMFカルリーニョスとMF横山知のWボランチが基本。MF金澤慎やMF大山啓なども起用された。松本山雅のときは「ほぼ2列目」のMF岩上を下がり目で起用するというのは大きな決断だったと思うが開幕戦からさっそく「MF岩上をボランチで起用した意味」が分かる試合になった。
ボランチのタイプとしてはMFカルリーニョスは展開力がウリで、若手のMF大山啓は細かい技術を持った選手である。ベテランのMF金澤慎はバランスを取るのが抜群に上手な選手で、MF横山知はCBでもプレーできるほど守備力が高くて足元のテクニックもある。いろいろなタイプのボランチを有していたがMF岩上は豊富な運動量が武器の1つ。ボランチがあのエリアまで侵入できると厚みのある攻撃が可能になる。
2月13日(土)に行われたニューイヤーマッチの山形戦(H)でもボランチで起用された好プレーを見せたがMF岩上が加入したことで大宮は攻撃のバリエーションが格段に増えてゴール前の厚みも出てきた。伝家の宝刀のロングスローを披露した回数はこの2試合ではおそらく1回だけ。ほぼ封印されたままであるがこちらも大きな武器になるのは確実。10番を与えられて大きな期待を受けているが好スタートを切ったと言える。
守備陣の頑張りも目立った。この日はGK塩田がスタメンで起用されたが古巣のFC東京を相手に完封勝利。開幕白星に大きく貢献した。GK加藤とGK塩田はキーパーのタイプとしては正反対。「どちらを正キーパーとして起用するのか?」は興味深い。守備に回る時間が長くなったがDF菊地将とDF河本のCBコンビの活躍も光った。MF岩上、GK塩田、DF菊地将、DF河本、FWムルジャあたりは非常にいいプレーを見せた。
■ 怪我人の多さに悩まされているFC東京一方のFC東京は公式戦は2連敗となった。先の全北戦(A)から中3日。韓国遠征から戻ってきたばかりなのでコンディション面で差があったのは確かであるがホームで完封負け。全くチャンスが無かったわけではないが決定的なチャンスは3つほど。大宮の最終ラインを崩し切る場面はほとんどなかった。新シーズンに期待していたFC東京のサポーター集団からブーイングが起こるのも仕方がないと言える。
誤算は怪我人が続出していること。五輪代表のDF室屋がチーム合流初日に骨折をして長期離脱することになったが先の全北戦(A)ではDF駒野が負傷交代。本職のSBが同時に2人も抜けるとやり繰りするのは難しくなる。DF橋本拳を右SBに下げて、DF徳永を右SBから左SBにスライドさせて対応しているがどちらの選手も慣れたポジションではない。SBの攻撃参加はFC東京のキーになるところなのでダメージは大きい。
他クラブの編成を見ると「本職のSBは4人あるいは5人」というチームが多い。FC東京はDF徳永・DF駒野・DF室屋・DF小川諒の4人。なので(平常時であれば)量的に不足しているわけではない。鹿島や横浜FMなど「本職のSBは3人だけ」というチームもあることを考えると編成上の問題があるとは言えず。「不運なアクシデント」と言うしかない話であり、2人が同じ時期に抜けるとどのチームでも対応するのは難しい。
先のU-23アジア選手権で大活躍したことで注目度がさらに増したMF中島翔は後半23分に登場。3本のシュートを放ったが気負いがあったか、確率の低いシュートを狙って攻撃を終わらせるシーンもあった。FC東京は攻撃的なポジションの駒は豊富。MF河野、MF羽生、FWネイサン・バーンズ、FWサンダサ、MF幸野あたりとベンチ枠を争う形になるがこの試合に関してはあまりいいアピールはできなかったと言える。
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