ゴールキーパー→ 9月上旬に行われるロシアW杯二次予選の日本メンバーが発表されたが、リエージュを退団して移籍先を探しているものの、まだ移籍先が決まっていないGK川島がメンバーから外れたことがトピックスの1つと言える。主戦キーパーとしてプレーできるクラブを希望していると思うが、ベルギーで実績のあるGK川島と言えども、この時期に正キーパーとして迎え入れてくれるチームを見つけるのは相当に難しい。
キーパーというのは試合中や練習中に怪我をする可能性はフィールドプレーヤーと比べるとかなり低くて、さらには途中出場する可能性はほとんどないポジションである。クラブ内で一旦決まった序列を覆すのはかなり難しい。フィールドプレーヤーと比べるとアピールできるチャンスが少ないので、移籍先選びは慎重に行わなければならないが、海外のクラブでGK川島の希望する条件を提示できるクラブは多くないだろう。
試合勘の問題もあって今回はGK川島が外れたが、このようなことがきっかけとなって代表でのキャリアが終わってしまうケースは珍しくない。GK川島にとってはキャリアの分岐点に差し掛かっているが、会見中の話を聞く限りではハリルホジッチ監督のGK川島に対する評価はかなり高い。他のキーパーにはない経験値を持っていることを高く評価しているので、当然、新天地で活躍できれば代表に戻ってくるだろう。
なんだかんだで2010年の南アフリカW杯直前に名古屋のGK楢崎からレギュラーポジションを奪った後、ほとんどの試合でGK川島が日本代表のゴールを守ってきた。怪我等で長期離脱することもほとんどなかったので、他のキーパーが国際経験を積む機会は少なかった。しかし、今回はGK川島は招集外。他のキーパーにとってはアピールする絶好のチャンスである。GK西川とGK東口とGK六反はチャンスを掴めるか。
現段階の(GK川島を除いた)ハリルジャパンのキーパーの序列は浦和のGK西川が1番手で、G大阪のGK東口が2番手で、FC東京のGK権田が3番手で、仙台のGK六反が4番手で、鳥栖のGK林彰が5番手と考えられる。他に東アジアカップ2015の予備登録メンバー50人に選出されているのは清水でプレーする五輪代表の守護神のGK櫛引であるが、今シーズンは所属クラブで不安定な立場。やや伸び悩んでいると言える。
今度のカンボジア戦(H)とアフガニスタン戦(中立地)は日本がボールを保持して圧倒的に攻め込む展開になる可能性が高い。したがって、キーパーにとっては非常にアピールしにくい試合展開になることが予想されるが、普通に考えるとGK西川がスタメンで起用されるだろう。Jリーグでは2012年から3年連続でベストイレブンに選出されており、Jリーグでプレーするキーパーの中ではナンバーワンの評価を得ている。
ザックジャパンのときからGK西川を正キーパーに推す人は多かったが、ただ、代表の試合では実力を十分にはアピールしきれていないところもある。東アジアカップでも大きなアピールはできなかったので、GK東口が先発起用される可能性もある。東アジアカップの3戦目の中国戦で代表デビューを飾ったが、2014年はG大阪の三冠に大きく貢献。守備範囲が広くて、フットワークが軽くて、状況判断に優れている。
東アジアカップは怪我で辞退したGK権田はハリルホジッチ監督の就任初戦となった3月末のチュニジア戦でスタメン起用された。GK権田は187センチ/83キロ。183センチのGK西川や184センチのGK東口と比べるとサイズに恵まれている点はアピールポイントになる。ハリルホジッチ監督はどのポジションでも「サイズ」に関するこだわりはそれほど強くないように思うが、無視できない要素であることは確かである。
サイズのことを考えると鳥栖のGK林彰というのは魅力がある。195センチ/89キロというのは相当な大きさである。今シーズンは怪我もあって満足できるシーズンにはなっておらず、今のところ、バックアップメンバーあるいは予備登録メンバー止まりであるが、ここに来てようやく調子が上がってきた。飛び出しのミスが少なくない点は改善ポイントであるが、スケールの大きな規格外のキーパーであることは間違いない。
5月中旬に行われた代表候補合宿のメンバーに仙台のGK六反が招集されたことは大きな驚きだった。2006年から2011年までは福岡でプレーして、2012年から2014年までは横浜FMでプレー。横浜FMでの3年間はわずか2試合の出場のみ。昨シーズンまでの成績はJ1通算で19試合、J2通算で23試合。今シーズンも序盤はGK関が仙台の主戦キーパーだったのでレギュラーではなかった。シンデレラボーイである。
このときは広島のFW浅野拓、川崎FのFW杉本健、鹿島のMF遠藤康、川崎FのMF谷口彰、G大阪のDF丹羽大、神戸のDF岩波、仙台のGK六反の7名が初の日本代表選出となったが、GK六反はその後も継続的に代表に招集されている。188センチ/80キロと立派な体格でチームメイトに安心感を与えることができるキーパーである。「ハリルホジッチ監督がどんなタイプのキーパーを好むのか?」がよく分かる選考と言える。
GK川島とGK西川とGK東口とGK権田とGK林彰とGK六反の6人が「大枠に入っている選手」と言えるが、ザッケローニ監督は(当時は五輪世代だった)GK権田を継続的に第3キーパーとして召集していた。今後、試合に出場する可能性は極めて低い第3キーパーとして将来性の高い若手キーパーを招集することは十分に考えられるが、その候補に挙げられるのは先のGK櫛引と福岡のGK中村航という五輪代表の2人だろう。
GK櫛引に関してはチームが低迷しており、メンバーも、システムも、戦術も、落ち着かない状態。その点は気の毒に感じるが、安定感を欠く試合が多い。レベルアップは不可欠と言えるが、福岡のGK中村航は20歳とは思えないほどの落ち着きを持ったキーパーで、欠点の少ない選手である。若手キーパーの中では「将来性はピカイチ」と言えるので、早い段階でフル代表の候補に挙がってきてもおかしくない。
25歳とキーパーとしては若手の部類に入る新潟のGK守田も可能性を秘めた選手である。191センチ/82キロで手足の長いすらっとした体型。若い頃から試合経験を積んでいる数少ないキーパーの1人である。30代後半になってもレギュラーとして活躍するキーパーは多いので「若手キーパーが経験を積むことができない。」という点が日本サッカー界全体の課題になっているが、彼はプロ2年目から出場機会を得ている。
他に日本人の中では数少ないスケール感を持ったキーパーとして注目すべき存在は熊本のGKシュミット・ダニエルである。196センチ/93キロという破格のサイズは鳥栖のGK林彰よりも少し上。父親がアメリカ人で母親が日本人のハーフ。これだけのサイズを持った日本人キーパーは過去にほとんどいなかった。もちろん、日本国籍を持っており、本人は「3年以内にはフル代表に入りたい。」という希望を持っている。
これだけサイズがあると動きがスローになるのが普通であるが、彼は身体能力も高い。最終ラインとキーパーの間のスペースを管理する能力は相当に高くて、抜群のキック力を生かしたフィードにも定評がある。今シーズンの途中に低迷していたJ2の熊本に育成型期限付き移籍をしたが、彼の加入によってチームは大きく変わった。J1の仙台ではなかなかチャンスを掴めなかったが、物凄い逸材なのかもしれない。
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