■ 柿谷が先発出場今夏に韓国で行われる、U17ワールドカップのエース柿谷曜一朗が、先発出場したC大阪とザスパ草津の試合は、J2第12節。
C大阪は、<4-2-2-2>。注目の柿谷は、古橋と2トップを組んだ。草津も、<4-2-2-2>。櫻田と松下のダブルボランチが、ゲームを構築する。
試合は、前半13分、右サイドハーフの酒本の右足アウトサイドからの素晴らしいクロスをファーサイドで受けた柿谷が、巧みなトラップで相手DFを外して、シュート。これが決まって、C大阪が先制した。この柿谷のゴールは、J2史上、最年少のゴールとなった。
その後は、膠着状態。草津は、ボランチの櫻田にボールが渡らず、リズムが作れない。C大阪も、酒本を中心に攻め込むが、前半のシュートは1本だけ。1対0で前半を終えた。
■ C大阪が久々の勝利後半から、C大阪は、酒本に代えてMFアレーを投入。草津は、セットプレーから187cmのDFチカをターゲットにチャンスシーンをつかむが、なかなか同点ゴールは奪えず。
草津は、試合終盤には、チカを前線に上げてパワープレーに徹するが、結局、C大阪が逃げ切って、1対0で勝利した。
■ プロ初ゴールを挙げた柿谷3試合連続スタメンとなった柿谷が、プロ初ゴール。改めて記述する必要はないかもしれないが、やはり、そのサッカーセンスは、ずば抜けている。
昨秋のU16のアジア予選の決勝戦でのプレーが印象深いが、柿谷のよさは、難しいプレーを難なくこなすことのできる点にあるように思う。足首の柔らかさが要因だろうか、ワンタッチプレーやダイレクトパスといった難しいプレーも、正確でミスがない。
ゴールシーンも、絶妙なトラップから生まれたファインゴールだった。
■ 現代的なアタッカーこういう若いプレーヤーを見ると、どこか欠点はないか、あら捜しをしたくなるものだが、柿谷に関しては、欠点らしい欠点は、現時点では見つからない。
テクニックとスピードはもちろん、運動量も豊富で、前線から守備でも献身的なプレーを見せる。172cmで58Kgと、やや線が細い部分は見受けられるが、これは、トップリーグで試合を重ねていけば自然に解決する問題であるし、急いで改善しなければならない問題でもない。
最大の持ち味は、スピードに乗ったドリブルだが、持ちすぎることもなく、ドリブルとパスの使い分けも心得ている。非常に、現代的なアタッカーだといえる。
■ 理想的な環境柿谷の将来性には疑いようもないが、今のJ2は、柿谷ほどの才能をもってしても、簡単にプレーできるほど、楽な環境ではない。もちろん、J1よりもプレーのレベルは落ちるが、連戦の続くタフな環境も含めて、柿谷の成長を促すには、うってつけの環境といえる。
C大阪は、素晴らしい才能を生み出した。柿谷の初ゴールを見ることが出来た観衆は4312人だけだったが、非常に幸運だった。
■ 輝かしい未来を予感させる香川真司前半はいまひとつだったC大阪だが、後半13分にMF香川が入ってからは試合内容がかなり改善された。
香川は、昨秋のU19のアジアユースに飛び級で選出された、期待の18歳のMF。ボランチの香川は、柿谷ほど華やかなプレーを見せるわけではないが、正確な技術と高い戦術眼は、輝かしい未来を予感させる。
C大阪には、FW森島、MF中山ら、将来有望な若手選手を多く備えており、非常にエキサイティングなチーム構成になっている。昨シーズン、まさかのJ2降格となって、FW西澤やMF下村ら、主力が他チームに流出し不安視されたが、都並監督の思い切った若返り策で、チームは新しく生まれ変わろうとしている。
ただ、当然、今シーズンのJ1昇格というタスクは、存在する。柿谷や森島、香川といった若手が、どれだけチームの勝利に貢献できるか、楽しみである。
■ 潜在能力を感じるMFアレー若手に加えて、C大阪では後半開始から出場した、新外国人MFアレーの出来が、非常に良かった。
176cmで76Kgと一見、普通の体型だが、見るからに筋肉質でフィジカルの強さは、このメンバーの中では、群を抜いていた。
ボランチというポジションにしては、繊細さにかける印象を受けるが、ダイナミックなプレーは、今後、大化けする可能性を感じた。
■ ゴールが遠かった草津草津は、C大阪のプレスに苦しんだが、いくつかのチャンスは生み出した。ただ、軽率なパスミスが多く、放ったシュートはわずかに4本。ゴールは遠かった。
そんな中、GK本田は、ベテランらしい安定感のあるプレーを見せた。開幕から、草津が安定したパフォーマンスが出来ているのは、本田に依るところが大きい。
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