激戦のグループCの好カードのオランダとセルビア・モンテネグロの対戦。オランダは、ファンデルファールトとランザードが外れて、スナイデルとファン・ボメルが先発出場。一方の、SCGはミロシェビッチとケジュマンの2トップ。
立ち上がりから、オランダが得意のワイドに開いた攻撃で、SCGのプレスをかいくぐってチャンスメーク。その中心は、左ウイングのロッベン。キレキレドリブルでサイドを制圧した。前半18分には、ファンペルジーからのスルーパスに裏に飛び出て先制ゴールを挙げた。
一方のSCGは、なかなか中盤でボールをつなげないが、CFのミロシェビッチにボールが入る回数は、オランダのCFのファンニステルローイに入る回数よりも多く、シュートチャンスはほぼ互角。ミロシェビッチが2度ほどチャンスを迎えた。
ロッベンに何度も右サイドを切り崩されたSCGは、前半43分にN・ジョルジェヴィッチに代えてコロマンを投入。この交代で、ロッベンの突破をある程度は防ぐことに成功する。
そして後半。SCGは、ミロシェビッチに代えて202cmのジキッチを投入し、開始から激しいプレスをかけて、攻め込む。結果的には、この時間で追いつけなかったことが、この試合の全てだった。SCGは、ジキッチを効果的に使えずにほとんど決定機をつかめずに不発。オランダが1対0で逃げ切った。
この試合では、ロッベンが素晴らしい動きで、世界最高のウイングであることを大舞台で証明した。二人、三人と囲まれても、物ともしないドリブルは圧巻。期待はずれの凡戦の中でも一人輝いた。
それにしても、オランダはどうしたのだろうか。これだけ、攻撃に面白みのないオランダは見たことがない。怪我がちなロッベンが大会中につぶれてしまったら、即オランダは、The Endだろう。
一方のSCGも期待外れ。かつてのような優雅なサッカーは影を潜めてしまった。P・ジョルジェヴィッチはダイナミックでかつ危険な素晴らしい選手だが、彼以外の中盤は労働者が揃う。確かに守備は評判どおりに強力だったが、それだけだった。これでは、グループリーグを突破するのは、無理だろう。攻撃のコンビネーションもありえないくらいに悪かった。ユーゴスラビアのサッカーと、SCGのサッカーは全く別物だった。
ワールドカップといえども、全てが熱戦ではないということを説明するのにふさわしい試合だった。
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