■ 清水と鹿島の対戦といえば・・・若手中心でJ1に旋風を巻き起こしそうな清水エスパルスが鹿島アントラーズと対戦した。清水エスパルスと鹿島アントラーズの対戦は、過去の対戦では、エスパルスが優勢。
そういえば、フランスワールドカップの年に、突然日本代表に選ばれた高校3年生の市川大祐が、メディアの大きな注目を集めて、日本代表DF市川として最初にJの試合に出場したのも鹿島戦だった。あれから8年。
■ 逆転勝利!!!清水は、期待のCB青山が怪我で欠場。鹿島は、GK曽ヶ端とFW柳沢以外はベストメンバーでスタート。
立ち上がりから、清水が押し込む。前半の中ごろ、清水のFWマルキーニョスがミドルシュートを決めて先制する。その後も、FWチョのヘッドがポストを叩くなど決定機を作る。しかし、局面打開のために鹿島のアウトゥオリ監督が積極的な采配を見せる。ボランチの青木に代えて、CF田代を投入。この采配が見事に当たって、田代が同点ゴール。1対1で前半を終えた。
そして後半、鹿島のMF増田がやや不用意なファールで退場となるが、鹿島は10人となりながらも全く清水にペースを握らせない。勝ち越しゴールは左サイドバックの新井場。ロスタイムにFW深井も追加点を挙げて、終わってみれば鹿島の快勝だった。
■ 見事な監督采配この試合の特記すべきポイントは、前半のアウトゥオリ監督の選手交代。先制されたとはいえ、まだまだ十分に時間のある中で、ボランチを削ってフォワードを入れるという大胆な采配。
そういえば、北朝鮮の代表監督も、前半から選手を交代するのが好きだったが、同じことをしても北朝鮮の監督が選手交代をすれば、「焦っているな」と感じるだけだが、アウトゥオリが行うと、不気味な感じがするし、やられそうな気がする。
ドイツで、もし前半で日本がうまくいかなかったとき、果たしてジーコはきちんと対応してくれるのだろうか・・・。
■ 両チームの右サイドバックについて一方の清水は、鹿島のしたたかさにやられた印象だ。2点差にすることのできたシュートを、藤本が外してしまったのが結果的には致命傷になった。今年の清水は、非常にバランチが良くていいサッカーをしているけれど、CFのチョ・ジェジンの働きがまだまだ不十分と感じる。ここで基点がなかなか作れていないのが、攻撃に厚みが出ない原因となっていると思う。
注目の右サイドバックの内田は、なかなかいい選手だなという印象。クロスの精度はまだまだかな、という気もするが、ドリブルで切り込んでシュートまでいける選手は、10台のサイドバックではこれまでいなかったように思う。久々に日本に現れた、右サイドバックの逸材の成長はこれから楽しみだ。
反対に、清水の右サイドバックは市川ではなく森岡だったが、森岡のところで攻撃がストップしていた。開幕直後の好調時には、市川のオーバーラップからのクロスが、攻撃に幅を作っていただけに、市川不在は大きかった。(市川のクロスの精度は相当に低かったが・・・。)
■ 不振の本山雅志最後に、決勝アシストはしたものの、鹿島の本山のプレーには失望させられた。確かに、いやらしいポジションに位置していて、いい感じでボールを受けることもあるが、思い切りがないというか、切れがないというか、得意のドリブル突破は影を潜めていた。
彼は、もっとできる選手である。今のバランス重視の鹿島から出ることも、選択肢の一つではないだろうか?これほどの才能も持ち主が、日本代表の候補からも漏れるような状況は残念としかいいようがない。
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