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【J1】 2020年シーズンの再・戦力分析 (ベガルタ仙台編) | | |　

ベガルタ仙台

前・山形の木山監督を招聘した仙台は開幕戦はホームで名古屋と対戦したが1対1のドローに終わった。前半18分にDFシマオ・マテのゴールで先制に成功したが前半34分にMF阿部浩に同点ゴールを奪われた。シュート数は仙台が6本だったのに対して名古屋は16本。怪我で離脱中のFWジョーを欠いた名古屋にホームで押し込まれる展開になった。ルヴァン杯の初戦も敗れているので公式戦は0勝1敗1分けとなる。

名古屋との開幕戦のスタメンは以下のとおりになる。キャンプ期間中に怪我人が続出しており、MFクエンカ、FW長沢駿、FWアレクサンドレ・ゲデスの3人はプレーできない状況が続いている。新加入で、かつ、古巣対決となるFW赤崎に期待が集まったがあまり見せ場はなかった。

　GK　ヤクブ　スウォビィク
　DF　蜂須賀　孝治
　DF　シマオ　マテ
　DF　平岡　康裕
　DF　柳　貴博
　MF　吉野　恭平
　MF　松下　佳貴
　MF　道渕　諒平
　MF　佐々木　匠
　FW　赤﨑　秀平
　FW　ジャーメイン　良

主力数名を欠く中で勝ち点「1」を獲得できたのは良かったが1月末に怪我をしてともに全治8週間と診断されているFW長沢駿とFWアレクサンドレ・ゲデスはJリーグの再開初戦には問題なく間に合うだろう。その一方でMFクエンカは「全治6か月」と診断されているので復帰時期は順調に回復したとしても8月初めになると思うが攻撃陣の台所事情が苦しい時期にリーグ戦が中止になったのは仙台にとってプラスと言える。

J1の開幕戦のスタメンを参考にして今シーズンの仙台のベストメンバーを予想すると次の通りとなる。フォワードに関しては「同じくらいの実力を持った選手」が揃っているので流動的だと思うがボランチから後ろの7名はこの並びが基本の形になるだろう。「鹿島に移籍した左SBのDF永戸の穴をどう埋めるのか？」が注目点になるが開幕直前にFC東京から期限付き移籍したDF柳がファーストチョイスになりそうだ。

　GK　ヤクブ　スウォビィク
　DF　蜂須賀　孝治
　DF　シマオ　マテ
　DF　平岡　康裕
　DF　柳　貴博
　MF　吉野　恭平
　MF　松下　佳貴
　MF　道渕　諒平
　MF　関口　訓充
　FW　長沢　駿
　FW　西村　拓真

左SHも同じような実力を持った選手が揃っており、ポジション争いは激しい。上ではベテランのMF関口を選択しているが東京世代のMF佐々木匠やスピードのあるMF石原崇もレギュラー候補に挙げられる。また、ルヴァン杯の初戦の浦和戦で2ゴールを挙げたMF田中渉もブレイクが期待される選手になる。MF田中渉は桐生第一高出身で高卒2年目の選手になるが埼玉スタジアムでの2ゴールは大きな自信になるだろう。

注目が集まるのは復帰してきたFW西村拓だろう。名門のCSKAモスクワに移籍して今シーズンはポルティモンセでプレーしていたが新型コロナの影響もあって日本に戻ってくることを選択した。欧州では思うように出場機会に恵まれなかったが2018年にはJ1で11ゴールを記録しており、まだ23歳なので若い。高卒で仙台に加入して欧州に羽ばたいた選手なので彼の復帰はほとんどのサポーターが歓迎するだろう。

仙台に限らず、今シーズンのJリーグは過密日程になるので大胆なターンオーバーを採用するチームが出てくると思うが仙台がターンオーバーを採用した場合はこんな11人がスタメンに名を連ねるだろう。

　GK 関　憲太郎
　DF 飯尾　竜太朗
　DF 金　正也　
　DF 椎橋　慧也
　DF パラ
　MF 富田　晋伍
　MF 兵藤　慎剛
　MF 石原　崇兆
　MF 佐々木　匠
　FW 赤崎　秀平
　FW アレクサンドレゲデス

他にはすでに名前を挙げたMF田中渉、スピードのあるFWジャーメイン良、ユーティリティーなMF中原彰、2月にC大阪から期限付き移籍したFW山田寛、右SBのDF浜崎拓磨などが控えているが選手層はそこまで厚くない。特に3月に入ってからDF常田をJ2の松本山雅に貸し出した影響もあって最終ラインはかなり手薄である。基本ポジションはボランチのDF椎橋をCBに回さないとやり繰りは難しい陣容になっている。

新型コロナは全てのJリーグのクラブにマイナスの影響をもたらすと思うが2019年に約4億円の赤字を計上した仙台は56クラブの中でも厳しい立ち位置である。当面は無観客試合になると思うが2018年度の「営業収益に占める入場料収入の割合」はJ1とJ2の40クラブの中では2番目に高い22.7％だった。25.7%の浦和に次ぐ高い数字なので入場料収入が大きく減少するとクラブの経営に与える影響は極めて大きい。

気になるのは昨オフにMFクエンカを獲得するなど大型補強を敢行しているが、2月以降もFW山田寛、DF柳、FW西村拓を獲得するなど、積極的な動きを見せている点になる。もちろん、意欲的に動くのは決して悪いことではないが財政的に不安定であることを考えると「これほど積極的に選手を補強して大丈夫なのか・・・。」と不安になる。緊急補強した選手が期待通りに活躍することを関係者は願っているだろう。

一方、レギュレーション変更によって「J2への降格」がなくなった点はプラスに考えられる。ここ数年は残留争いに巻き込まれことが多くなっており、今シーズンも前評判はそこまで高くなかった。思い切って若手を使える状況になったのでMF佐々木匠、FWジャーメイン良、MF田中渉、MF椎橋、DF照山などを積極的に起用するシーズンになるかもしれない。J1のクラブを率いるのは初となる木山監督の手腕に注目が集まる。

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