■ 初戦の中国戦は2対1で勝利韓国で開催されるE-1 サッカー選手権の初戦で中国と対戦した日本代表はMF鈴木武蔵とDF三浦弦のゴールが決まって2対1で勝利した。ともに代表初ゴールとなった。どちらもフルメンバーが揃ったときは当落線上にいる選手になる。呼ばれるのか?呼ばれないのか?は微妙な立ち位置になることを考えると大きなアピールが出来た。特にここまで代表で結果を残せていなかったMF鈴木武蔵はホッとしているだろう。
対戦相手の中国はここまでW杯のアジア2次予選は2勝1敗1分けとなる。シリアが5連勝で首位と独走しており、シリアとの差は「8」まで広がっている。首位通過は絶望的。各組2位チームのうち成績上位4チームも最終予選に進出することが出来るので「2位通過」が当面の目標になるが見通しは明るくない。先日、リッピ監督が突如として監督を辞任するなどゴタゴタ劇は続いている。眠れる獅子はまだ眠ったままである。
日本は2戦目で香港、3戦目で韓国と対戦する。4チームの中で香港の力は少し劣ると考えられるので2連勝で3戦目の韓国戦を迎えることが出来る可能性が高まった。韓国 vs 中国については中国が意地を見せる可能性はあるが普通に考えると2連勝同士の日本と韓国が優勝をかけて3戦目で対戦することになるだろう。日本 vs 中国はガラガラのスタジアムだったが日本 vs 韓国となると大入り満員になるだろう。
■ 広島の選手をたくさん招集してきた。森保JAPANにとっては真価が問われる試合になるが中国戦では3バックを採用した。左ストッパーの位置で起用されたのはDF佐々木翔だったが先日のベネズエラ戦では左SBで起用されていいプレーが出来なかった。いくつか失点に絡んでしまったので「DF佐々木翔を引き続いてE-1 サッカー選手権に招集したこと」がメンバー発表のときの最大の話題だったがこの日は慣れ親しんだ左ストッパーでフル出場を果たした。
森保監督は長きに渡って広島で指揮を執っていたこともあって広島の選手を積極的に代表に召集している。五輪代表の右WBのMF長沼は現在は愛媛FCでプレーしているが広島が保有権を持っており、広島時代に森保監督の指導を受けている。ボランチのMF松本泰も五輪代表に定期的に招集されており、先日はフル代表の試合にDF荒木を招集した。彼も広島ユース出身。森保監督も良く知っている選手になる。
今回のE-1 サッカー選手権でもGK大迫、DF佐々木翔、MF森島司という3人の広島所属の選手を招集している。「広島枠」と揶揄する人もいるがDF佐々木翔への風当たりは特に強い。30歳なので中堅世代とも言えない年齢になっており、これまではフル代表の候補にすら入っていなかった選手である。森保監督になってから代表に抜擢されるようになったのでDF佐々木翔の招集に異論を唱える人は少なくない。
■ DF佐々木翔の良さは以下の4つ。先日のベネズエラ戦の不出来がきっかけになって強いバッシングの対象になっているがDF佐々木翔の良さを挙げると
・左SBでも左WBでも左ストッパーでもプレーできる点。
・176センチでありながら空中戦に強い点。得点力もまずまず高い。
・左右両足を使える点。(右利きでありながら左足のキックも正確。)
・森保監督のサッカーを熟知している点。
の4つになる。Jリーグで活躍している左SBというとDF車屋(川崎F)、DF丸橋(C大阪)、DF小川諒(FC東京)、DF永戸(仙台)など。DF松原后(清水)あたりも代表候補に挙げられるがこのクラスの選手になると「誰が最も代表にふさわしいのか?」の答えは簡単には見つからない。「DF佐々木翔よりも明らかにDF車屋の方が上」であったり、「DF佐々木翔よりも明らかにDF永戸の方が上」とは誰も言い切れないだろう。
好みの問題ならびに左SBの選手に何を求めるのか?で結論は大きく変わってくる。プレースタイルや性格をよく知っているDF佐々木翔のことを森保監督が重要視するのはある意味では自然なことであり、このあたりのメンバー選考に関しては監督に認められているk権限の1つになる。かつてのハリルホジッチ監督はMF宇佐美を好んで起用したがどの監督にも1人や2人くらいは「お気に入りの選手」がいるものである。
■ 両方の足でボールを持てる。初戦の中国戦では左ストッパーの位置で起用されたDF佐々木翔だったが前半に危険な位置でボールを失ってピンチになりかけた。幸いにして失点にはつながらなかったが大きなミスと言える。ただ、前半29分に生まれたMF鈴木武蔵のゴールの場面は左サイドの高い位置でボールを受けたDF佐々木翔の正確な左足のパスが起点になった。DF佐々木翔→FW上田→MF森島司→MF鈴木武蔵の流れは極めてスムーズだった。
1点目の起点になったパスは彼の真骨頂と言える。先のとおり、彼は右利きになるが左足のキックの精度も高い。普通の右利きの選手であったならばこの位置に正確に左足で通すのはかなり難しい。もちろん、プロなので利き足ではない左足のパスでも通せないことはないがちょっとでもずれると相手ボールになってしまうシチュエーションなのでミスパスになることを恐れて狙わない選手の方が多くなるだろう。
「左右両足を器用に使える。」というのは日本人選手の特徴とも言われるが実際に同じようなレベルで両足を使える選手は限られる。今夏に金沢から湘南に移籍したDF毛利も「右利きでありながら同じようなレベルで左足も使える選手」になるが現役の日本人のSB/WBの中ではDF佐々木翔とDF毛利の2人くらいである。「両方の足でボールを持てる。」というのはサッカー選手にとってはスペシャルな武器になる。
今回はDF佐々木翔の左足のパスが先制ゴールの起点になったので1つのパスがクローズアップされたが何気ないプレーである。このパスの凄さや意味を全く感じ取れなかった人も決して少なくないはずである。先日のベネズエラ戦のDF佐々木翔のプレーは酷評されても仕方がないレベルだったと思うが今回の中国戦のDF佐々木翔のプレーを同じように酷評する人は「にわかファン」の烙印を押されても仕方がないと思う。
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