■ 20年ぶりの参戦日本代表は6月~7月にかけて開催されるコパ・アメリカに出場する。トルシエJAPAN時代の1999年にパラグアイで開催されたコパ・アメリカに参加して以来なのでちょうど20年ぶりで2度目のコパ・アメリカ参戦になるが初戦でチリ、2戦目でウルグアイ、3戦目でエクアドルと対戦する。ブラジルでの開催になるが3試合とも「完全アウェイの雰囲気」になるだろう。当然のことながら、3試合とも難しい試合になるだろう。
久しぶりのコパ・アメリカ出場になるが2011年大会など過去に何度も南米サッカー連盟からオファーを受けていたがなかなか参加できる状況にならなかった。特に話題になったのは2011年大会になる。直前の時期まで参加か?辞退か?でメディアを騒がせたが、結局、東日本大震災の影響でJリーグの日程が大幅に変更になったのでコパ・アメリカに代表を派遣することは難しくて泣く泣く辞退することになった。
初戦のチリ戦が6月17日、2戦目のウルグアイ戦が6月20日、3戦目のエクアドル戦が6月24日に予定されているが、コパ・アメリカのメンバーに選出された選手は6月14日(金) or 6月15日(土)に行われるJ1の15節、6月22日(土) or 6月23日(日)に行われるJ1の16節の2試合は少なくとも出場不可になる。そして、当然のことながら、GLを突破して決勝Tに進出して上まで勝ち進んだ場合は出場できない試合の数が増える。
仮に決勝まで進んだ場合は17節と18節の試合出場も不可能になる。となると、最大で4試合を欠場することになる。J1の各クラブにとっては痛手なので「どういうメンバーになるのか?」はコパ・アメリカの大きな注目点になる。U-20W杯の本大会のメンバーから外れたMF安部裕(鹿島)、GK大迫(広島)、MF久保建(FC東京)という若手の初招集が見込まれているがフレッシュな顔ぶれになるのは間違いないだろう。
■ 2010年1月のイエメン戦以来報道通りに17才のMF久保建が代表に初招集されるようだとコパ・アメリカに対する注目度は一気に高まると思うが、今回は地上波やBSでは放送されなくて、全試合がDAZNで配信されることになったようだ。アジアの日本とカタールが招待されて合計すると26試合が行われるが日本代表の試合が地上波でもBSでも放送されないのは岡田JAPANのときの2010年1月6日のイエメン戦以来。約10年ぶりになる。
「年明け早々」というJリーガーにとってはオフ期間中だったこともあってこのときのイエメン戦は若手主体のメンバー構成になった。フル代表の中心になっていた選手は軒並み招集されず。当時は大学生だったFW永井謙(FC東京)やMF山村和(川崎F)が招集されるなど「B代表」と表現するのが適当な選考になった。DF菊地直(福岡)やMF山田直(浦和)やMF青木拓(浦和)などがメンバーに招集されている。
FW平山(当時・FC東京)やFW大迫(ブレーメン)やDF吉田(サウサンプトン)が初招集されたのもこのときのイエメン戦になる。MF乾(アラベス)、DF酒井高(ハンブルガーSV)なども選出されているので、今、考えるとかなりの豪華メンバーになるが、当時は「地味なメンバー編成」と言われて注目はされなかった。結局、このときのイエメン戦は買い手が見つからずに「地上波でもBSでも放送なし」という事態になった。
■ GLは3試合とも平日の8時キックオフ当時、「サッカーは重要なコンテンツではなくなった。」、「今後、地上派やBSで放送されない代表の試合が増えていくのでは?」と言われたが、南アフリカW杯で岡田JAPANが快進撃を見せたことで代表人気は復活。その後、安定した視聴率を獲得しており、2014年のブラジルW杯や2018年のロシアW杯のときは普通では考えられないほどの高視聴率を獲得したが、今回、久々に「中継なし」となった。
GLの3試合はともに日本時間では8時キックオフになる。それぞれ、月曜→金曜→火曜となる。地上波ではワイドショーが占める時間帯になるが「4月26日までに南米サッカー連盟と日本のテレビ局の間の交渉が破談した。」と伝えられている。時間帯を考えてどの局も積極的に放映権を獲得しようとしなかったことに加えて相当な額の放映権を南米サッカー連盟から吹っ掛けられたことが破断の一因と言える。
「地上波でもBSでも放送されないのは2010年以来」ということで話題になっているが、イエメン戦とは事情は大きく異なる。結局、イエメン戦は試合を観ることは出来ずにFW平山がデビュー戦でハットトリックをしたことは試合後にニュースとして聞くことになったが、今回はDAZNで試合を観ることが出来る。「代表戦の価値を評価したDAZNが放映権をゲットしたこと」は正当な競争の末の正しい結果と言える。
■ 新規のサポーターを獲得するチャンスJリーグのサポーターであればすでにDAZNに加入していると思うので地上波やBSで放送がなくても大きな影響は受けない。むしろ、仕事中や外出先でリアルタイムに試合を観ることが出来る可能性が少し高まることを考えると「逆に良かった。」という人も少なくないだろう。もちろん、「代表の試合は全てビデオなどに録画をしている。」という人にとっては困った話になるが、これは仕方がないというしかない。
大きな影響を受けるのは「Jリーグの試合は観ないのでDAZNには加入していないが代表の試合は欠かさずに観ている。」という層である。当然、こういう人が一番多くなる。「時間帯も考慮して今回は試合を観るのを諦める。」という人が多くなるとは思うが、「何が何でも代表の試合を観たい。」という人は新たにDAZNに加入してコパ・アメリカを観ることになるだろう。こういう人も少なくないはずである。
となると、DAZNにとって大きなチャンスであり、そういう人たちがそのままJリーグの配信に興味を持ってくれるとJリーグにとってもプラスになる。DAZNの加入者はまずまず順調に増えているようだが、コパ・アメリカの放映権獲得は加入者を一気に増やす大きなチャンスである。また、初戦のチリ戦でいい試合が出来ると「2戦目や3戦目は観たい。」と考える人が出てくるはず。代表の戦いぶりも重要になる。
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